活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

経済成長の財源は消費増税 御手洗発言

2008-05-05 22:10:05 | Weblog
経団連の御手洗会長が朝日新聞のインタビューに応じ、消費税を2015年までに現行5%から10%に引き上げる必要があるとの考えを表明しました。そして、これを整理して、来年度の税制改正の提言として、政府や野党に求めていく方針とのことです。

悪名高くずるがしこい経団連のおかげで、国民の所得が低下しているところに、消費税を増税することは、さらに国民負担を増やすことになります。以前3%から5%に引き上げましたが、2%の増税で約9兆円の国民負担が生じたことが、すでに明らかにされています。

経団連企業が国際競争力維持のためと、政府・与党に媚び、90年以来、法人税・所得税の負担率を、一貫して低減させてもらい、最高益を更新し続け、企業体力を肥え太らせているのに、それを棚に上げ、国民に増税を求めている姿は、いかがなものでしょうか。

政府・与党も政治献金目当てですから財界に協力、その要望にこたえてきました。政府与党・財界の癒着で国民生活は疲弊しきっているところに、あまりにも虫のいい発言に仰天です。本来であれば、度を越した儲けすぎには公平を保つため、課税強化が鉄則です。つまり法人税・所得税の税率アップが急がれるのです。

大企業や富裕層の儲けすぎは、いまの法人税と所得税の税率の低さにあります。御手洗の狙いは、これらの税金をさらに安くさせることにあります。安くさせた分の財源に消費税を充当、国民に転嫁させる気でいるのです。企業が成長するためには、国民の応分の負担が不可欠という身勝手な論理です。

消費税増税は低所得者ほど、負担が重くなる逆進性があることを財務省も認めているのに、御手洗は格差社会をいっそう進めるつもりです。

消費税増税を言う前に、在日外国企業や大企業をはじめとする富裕層が、海外に租税回避して、税負担をたくみに免れていることを問題にするべきです。そして、防止策を提言し、早速、実施するべきことです。いまはこれが野放し状態なのです。これについて恩恵をうけているため、あえて言及していないことが、却って不信感を抱かせるところです。

これらを放置して税制改正について、国民の同意も得ないで、よく考えないで思いつき発言をしたことは、財界総理とはいえ、品格を欠く迷惑な発言で、納税意欲さえ失われます。