Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

原発ホワイトアウト

2013-11-13 10:38:46 | 読書ノート
小泉元首相の日本記者クラブでの会見(11/12)が、昨夜から大きく報道されています。朝日(11/13朝刊)の一面の見出は『原発「即ゼロ」首相に迫る』と、破格の取り扱いとなっています。

在任中から「原発推進」を担ってきたが、今年8月にフィランドの「オカロン」(高レベル放射性廃棄物最終処分施設)を視察後に「転向」しました。*

この島国の100年後、200年後のあり方を考える「国士」となったのか、「国士もどき」なのかを見極めるには時間が必要です。

以前読みました「原発ホワイトアウト」(若杉冽 講談社)を思い出しましので、簡単なメモを。

現職キャリア官僚の自らの経験と同僚等からの見聞とで書かれたノンフィクション・ノベルとの触れ込みに読みましたが、騙されました。

原子力ムラの内幕ものの体裁(読み物としては拙いです。)ですが、既知の事柄が多く(報道済み)、米国との関係がスルーされており、職を賭して原発再稼働を阻止する思想、哲学は皆無の内容です。

資源エネルギー庁次長に「最高学府というのは東京大学のことをいうのではない。東京大学法学部のことをいうのだ。」と語らせていますが、首相官邸前抗議行動の脱原発を叫ぶ市民たちを、霞ヶ関のビルから高みの見物をしており、職を賭して原発の再稼働を阻止する内容はなく、資源エネルギー庁次長に語らせた言葉に尽きる内容です。

最後のフィクション部分は、特定秘密保護法案成立を援護するために書かれたとしか読めません。

まあ、出版元が講談社ですからね、駄本の典型です。


「原発ホワイトアウト」(若杉冽 講談社)

* 「オカロン」視察は、田中直毅の発案で、日立、東芝、三菱の原発メーカーの幹部が同行して行われましたが、原子力ムラにとっては皮肉な結果となったようです。


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