Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

走り書き その5

2013-01-29 20:24:33 | 走り書き
先週目を通した本から

般若心経(玄奘三蔵 訳中村元 東京書籍 他雑多)

信仰(心)は皆無です。
大乗仏教の呪文と考えており、呪文の中に事実存在に係る思索があり、昔日から時々目を通しています。

「色不異空 空不異色」、「色即是空 空即是色」の文言は、逆説的比喩のため「空」の概念を論理的言葉で説明はできません。(逆説的比喩は、先哲の著作にも結構あります。)

「物質的現象は自性を持たない」(「般若心経」玄侑宗久 ちくま新書)から、己の五蘊(色・受・想・行・識)は「空」である、と。
文言に入っていくと、果てしなく想念が溢れ取り止めが無くなります。

この呪文は、社会(体制)に対して抗う視点はありませんが、抗う「人間(類的存在)」を考える糸口があります。
ちょっと不確か(探し出せばよいのですが)ですが、吉本隆明がヴェイユに係わっての言葉に「信念、信仰のある者は無い者より下だ。」があり、呪文(解脱)として読む限り、吉本の指摘どおりと考えます。

* 正法眼蔵(道元 訳増谷文雄 角川書店) の「摩訶般若波羅蜜」等を参照しました、また、Eテレの今月の「100分de名著」で、佐々木閑の解説による「般若心経」が取り上げられています。


般若心経(玄奘三蔵 訳中村元 東京書籍)

新しい左翼入門(松尾 匡 講談社現代新書)

明治の黎明とも言える社会主義から昭和、そして現在のあるべき「左翼」について、上部、下部の二項対立から上部と下部の入れ替え(交換)による共同体のありかたについて書かれています。

個人的には、入れ込んでいる(評価している)活動家(思想家)が疎んじられていたり、また逆もあり違和感はありますが、上部、下部の二項対立の視点から通史となっています。
また、論調は「疎外」に重きがありますが、他の社会学者同様に「人間」そのものについては、スルーしています。(この拙文では「疎外」、「物象化」には触れません。)

日共は、革命の方法において「敵の出方論」を党是としており、体制の反動化(全体主義、戦前の治安維持法、民主主義の蹂躙等)に対するため暴力装置を党内に抱える(組織化)べきと考えていましたが、同書163pに平時から「秘密軍事部門」を作っておくべきと。
所詮、日共の「敵の出方論」は何の意味もない空論にすぎません。

上部と下部の入れ替え(交換)による共同体を提示していますが、上部と下部とが双方めり込む組織(共同体)でなければと考えます。

前述しました吉本隆明の言葉が重く思えます。


新しい左翼入門(松尾 匡 講談社現代新書)

* * *

アルジェリアで大変痛ましい人質事件(死者37人)が起き、日本人にも犠牲者が出ました。
アヘ総理は「救出に全力を挙げる」(1/17)に始まり「安否確認に全力を挙げる」、果ては「搬送に全力を挙げる」と、危機管理を官邸主導で行いましたが無能でした。
アヘ総理は、言葉だけが勇ましく、思想、哲学の欠片もないことを如実に表しています。

イラク人質事件(2004年4月 3人)では、マスゴミに「自己責任」の論調が溢れました。


林檎のパンツ

2013-01-10 09:37:49 | 未分類
あけましておめでとうございます。

まあ、松の内ですから(気分は毎日正月)。

先月はじめ、書店で「BRUTUS」(12/15号 マガジンハウス)の特集「文藝」を手にして、正月に現在の小説を読んでみようと購入しました。

ある時期から文学とか小説の類はほとんど読まなくなっていますが、年が明けてから読み出したのですが、11編中5編で頓挫しました。(その間にも読みたい本は読破しているのですが。)
呼吸がヒリヒリする、生き様が揺さぶられる、別の世界を垣間見る等が皆無で、読むことが修行に思えてきました。

一編の小説が、一行の文章がとてつもない力を持っていることがありますが、残念ながら気配すら(読んでいない作品にあるかもしれません。)ありませんでした。

タイトルの「林檎のパンツ」は、舞城王太郎「私はあなたの瞳の林檎」を読んで覚えた字句です。


「BRUTUS」(12/15号)

二週間振りにPCの電源を入れ、こんな質の文章(埋め草)をアップしてしまいました。

相も変わらず「読む」、「学ぶ」、「考える」そして「一見に如かず」の今年が始まりました。