Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

関西電力の驕り

2016-03-23 10:13:55 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ

大津地裁山本善彦裁判長の高浜原発(関西電力)の再稼動差し止め申し立ての司法判断に、一瞬「あれっ!」と思いましたが、再度確認してみたところ、新規制基準の不備を突き原子力規制委員会を的確に批判しています。 
 

2014.11.27に大津地裁の山本善彦裁判長は、関西電力の高浜原発3、4号機の再稼動差し止めを求めた(仮処分)住民の申し立てを却下しました。

田中俊一原子力規制委員会委員の「新規制基準に適合しても安全だとは言わない」に触れ新規制基準に疑問を呈し、関西電力は基準値震動の合理的な説明をしていない、事故に対する連携、役割、避難計画等が策定されていない以上再稼動はあり得ない、ことから仮処分の申し立てを却下しました。

2016.03.09に大津地裁の山本善彦裁判長は、関西電力の高浜原発3、4号機の再稼動差し止めを求めた住民の申し立てに対して、運転を差し止める仮処分決定を出しました。

原子力規制委員会が再稼動を許可したことは安全性の説明にはならない、フクイチのメルトダウンの主原因が不明で事故原因の究明は事故の再発と安全対策に不可欠だが進んでいない、ゆえに高浜原発でも過酷事故時の安全対策が十分だと証明されていない、国が主導する具体的な避難計画の策定が必要だか策定されていない、ことから運転差し止めの司法判断をしました。


2016.03.17大津地裁の仮処分決定を不服として関電が同地裁に申し立てた運転禁止の執行停止と異議の審理について、大津地裁は山本善彦裁判長が再び担当することを決めました。

週刊朝日09年6月12日号(アクセスジャーナルHPより)


関西電力は、2014.11.27の大津地裁山本善彦裁判長の判決理由を無視(見くびる)した、というより驕りそのものと考えます。
なぜなら、関西電力八木誠社長が記者会見で「上級審で逆転勝訴した場合、(申し立てた住民への)損害賠償請求は検討の対象となる」と発言。(3/23朝日)

この発言は、反社会的な行為である「スラップ(SLAPP)訴訟」(威圧訴訟、恫喝訴訟)そのもので、「市民参加を排除するための訴訟」です。

一流、有名企業は、自社のイメージ毀損となることから「スラップ訴訟」は自制しますが、どうも関西電力は「驕り」の塊のようです。


弁護団長の井戸謙一弁護士は、金沢地裁裁判長として志賀原発に対して差し止め判決(2006.03.24)を出しています。

 

 

 


原発再稼動 その3

2015-05-18 11:31:47 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ

内部被爆 その1

東京電力福島第一原子力発電所事故による日本産食品の輸入規制は、65カ国とEUで行なわれています。《JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)のHPより4/17現在》

FDA(台湾衛生福利部食品藥物管理署)は、15年4月15日に東電福島第一原発事故による日本産食品に対する輸入規制を強化する旨を(施行5月15日)発表しました。

輸入規制施行の直前になって、林芳正農相は「世界貿易機関(WTO)への提訴も含めて検討したい」(5/12)、菅義偉官房長官は「科学的根拠に基づかない一方的な措置で、極めて遺憾」(5/15)と会見しました。(毎日HP 5/15)

韓国は、福島第一原発の汚染水漏れの懸念から福島県を含む8県からの水産物輸入を全面禁止(13年9月9日~)した際に、アヘ内閣は「科学的根拠のない不当な輸入制限だ、WTO(世界貿易機関)に提訴する」と息巻いていましたが、提訴はしていません。

米国は、福島県を含む14県の特定品目を輸入停止しており、さらに他の都道府県の食品全てに、米国内でのサンプル検査を義務付けています。(日刊ゲンダイ5/15)

韓国、台湾以前にアヘ内閣は米国に対して「科学的根拠のない不当な輸入制限だ、WTO(世界貿易機関)に提訴する」と息巻く必要があります。

東電福島第一原子力発電所事故に係る内部被爆を一刻も早く風化させたい、被爆防御体制《避難基準、食品安全基準、汚染物処理》への批判に波及することを恐れ、この島国の市井人(寝た子)を起こすようなFDAの政策は徹底的に批判しやり過ごす姿勢そのものです。

また、韓国、台湾に対しては「WTOに提訴する」と脅しそのものの外交であり、米国を含め63カ国とEUの輸入規制に対しての沈黙は、アヘ内閣にはかつての植民地に対する蔑視があると考えます。(この北海道を「植民地」だったとする意見もあります。)

庭によく飛来する野鳥のつがい、「ヒヨドリ」でした。(多分?)


記者会見

「戦争法案」に係るアヘ首相記者会見について(5/14)

テレビ朝日の足立記者
『アメリカが南シナ海で中国が基地の建設を一方的に進めている島、ここの周辺に艦船や偵察機の派遣を検討していますけれども、この活動を日米共同で行うようなことは考えておられるのでしょうか。』

アヘ首相
『南シナ海における件におきましては、これは全く私も承知しておりませんので、コメントのしようがないわけであります。』


米軍関係者などから、南シナ海での自衛隊の関与拡大を望む発言が相次いでおり、例えばロバート・トーマス米第7艦隊司令官は「南シナ海での自衛隊の活動はこれから意味を持つだろう。この地域の同盟国は日本に対してますます(地域の)安定のための役割(拡大)を期待することになるだろう」と述べています。(ロイター通信15.01.30)

集団的自衛権行使の具体例として「ホルムズ海峡の機雷除去」を掲げていますが、イランが公言している機雷による海峡封鎖は「非現実的」と中東・軍事専門家が指摘しており、また将来的に考え得るリスクとして「テロ組織が機雷の開発、設置技術を持つ可能性」を述べています。
(47NEWS http://www.47news.jp/47topics/e/263165.php) 

「戦争法案」による当面の派兵先は、「ホルムズ海峡」ではなく「南シナ海」が現実味を帯びていますが、アヘ首相は国民の目を逸らすために、あえて無視したと考えます。


橋シタ市長の記者会見について(5/17)

住民投票の結果を受けての、昨夜11時過ぎからの記者会見を見て、

ただひと言「大阪だなぁ!」としておきます。

 

 


原発再稼動 その2

2015-05-15 18:57:18 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ

福井地裁 VS 鹿児島地裁

福井地裁(樋口英明裁判長)は、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)の再稼働をめぐり、住民らの訴えを認め、運転を禁じる仮処分決定を出しました。(2015.04.14)

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、翌日(4/15)の記者会見において「事実誤認」(後日、国会に於いても「事実誤認」のレッテル貼りを)として、次の3点を述べました。(東京新聞2015.04.16)

①給水設備の耐震性をBクラスとしているがSクラスだ
②最大級の地震動は最大値でないとしているが断層が連動して動くなど不確かな要素も考慮して厳格に設定した
③外部電源が断たれると原発の冷却機能が不安定になるとしているがバックアップの配備を義務づけている


①判決文では、「外部電源と主給水の双方について、耐震性をSクラスに」としていますが、会見では不都合な外部電源に言及しません。(判決文では給水装置と冷却装置の誤認とも考えられる。)

②最大級の地震動(基準地震動)が一番大きな揺れの値(最大値)でなく、奇妙なことに「断層が連動して動くなど不確かな要素も考慮する」と一番大きな揺れの値(最大値)より低い数値になるとは。ど素人は『一番大きな揺れの値(最大値)』以上の数値(もしくは同値)になると考えます。

③判決文では、「使用済み核燃料プールの冷却設備の耐震性をSクラスに」としていますが、不都合な冷却設備の耐震性には触れず、「バックアップの配備を義務づけ」ていると述べていますが、前回メモしましたようにEPR(欧州加圧水型炉)の対策は「安全上重要な系統設備の多重性を独立系4系統設置」を義務付けていますが、日本は2系統に過ぎません。

原子力規制委員会(HPより)は、新規制基準について「常に最高水準の安全性を目指す」としていますが、運転を禁じる仮処分決定に対して田中俊一委員長は「新規制基準を見直す必要性は今のところ感じていない。決定はわれわれの審査や決定には影響がない」(東京新聞2015.04.16)と居直りました。


東京新聞HPより(2015.05.05)

鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は、九州電力川内原子力発電所1、2号機の稼働差し止め仮処分を求める住民の申し立てを却下しました。(2015.04.22)
 *以下メモは、南日本4/22日経4/22東洋経済4/25等を参照

争点は、①地震対策②火山の影響③避難計画の実効性ですが、前田裁判長は以下の判断をしました。

①自然現象の『不確かさ』を相当程度考慮して耐震設計し、東京電力福島第1原発事故を踏まえた重大事故対策もしている」とし、原発の耐震性を認定
②火山の影響は「巨大噴火の可能性は小さいと考える火山学者の方が多い」と否定
③周辺自治体の避難計画は「現時点で一応の実効性を備えている」と判断

住民側の判決への反論は、次の通りです。

①推定される最大地震動を採用すれば、基準地震動も1・5倍から2倍に跳ね上がるが、基準地震動を再評価し、当初の540ガルから620ガルに引き上げたがこの想定は甘すぎる

②「火山学会が総出で批判したほど科学的に根拠のないもの」であり「マグマ溜まりの状況を的確に調査する手法は確立されておらず、決定は事実誤認である」

③要支援者の避難計画は立てられておらず、鹿児島県知事自身が10㌔㍍以遠の地域では実効性のある避難計画を定めることは不可能と認めている

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、定例会見(4/22)で「(新規制基準や原発の審査を)評価していただいたことは非常に歓迎すべきことだ」と恥ずかしげも無く発言。


樋口英明裁判長(福井地裁)は、憲法第七十六条第三項の「裁判官の独立」を具現化しており、前田郁勝裁判長(鹿児島地裁)は、最高裁判所事務総局の意向に従順な「ポチ」と考えます。




原発再稼動 その1

2015-05-08 09:49:06 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ

新規制基準


原子力規制委員会、アヘ内閣は、原発再稼動のための新規制基準は「世界一厳しい規制基準」としています。メディアも検証することなく垂れ流しています。

EPR(欧州加圧水型炉)の対策は、
・安全上重要な系統設備の多重性を独立系4系統設置(日本は2系統)
・溶融炉心を格納容器内に貯留するコアキャッチャーの設置(日本は基準なし)
・溶融炉心を長期冷却する格納容器熱除去設備の設置(日本は基準なし)
・二重構造の原子炉格納容器の設置(日本は基準なし)

      「世界最低の、新規制基準(科学的知見による)」を参照
      (http://blogs.yahoo.co.jp/motoendou12345678/46940328.html)

原子力規制委員会の定めた新規制基準は、「世界一厳しい規制基準」どころかEPR(欧州加圧水型炉)の安全対策にすら達していません。

原子力規制委員会(HPより)は、新規制基準は『原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのもの、絶対的な安全性が確保できるわけではありません』としていますが、この文脈は逆転しており、『絶対的な安全性が確保できるため、原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのもの』としなければ原子力規制委員会の存在意義はありません。

原子力ムラの一員である原子力規制委員会の田中委員長は、原発再稼動ありきのため、原発の安全を担保できない新規制基準を自ら策定し、自ら審査し、審査に通れば原発を再稼動してよい、ただし安全は保証できない、と奇妙な論理を展開しています。

これは原子力規制委員会自ら、EPR(欧州加圧水型炉)の安全対策にも劣る「世界一生ぬるい規制基準」であり、再び福島第一原発同様の事故が起きることを認識しているが故の文脈です。

原子力規制委員会の委員は、原子力工学3名・放射線医学1名・地質学1名で構成されており「新規制基準」は「専門知」そのもので信頼されるべき質であるべきですが、原子力ムラの一員で原発再稼動ありきの「専門知」は信頼以前の質で、「反知性主義」の典型です。

 

 


現実と真実と

2014-12-20 08:00:51 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ

気付けば師走も終盤へと。

先日、実家の用事で銀行に行きましたが人で溢れかえっており、何時もなら2,30分で片付く用件が小一時間も。
スーパーで待ち合わせた彼女曰く「店内がお年寄りで溢れかえっている。」と。
年金支給日でお年寄りが金融機関、商店にドッと繰り出したと、やっと気付きました。

「老人も 駆けずり回る 師走かな」と、一句。

以前にも書きましたように、我が家では、福島県やその周辺県、関東周辺の野菜は購入していません、また乳製品は北海道産を購入しています。

昨年「千葉沖産カツオ試食 通りすがりギャル『こんなベクレってる刺身食うとかマジありえないんだけど~!ヤバくね?』とか言って去って行った」ことが話題になりました。

このように書くと「風評被害」を助長すると批判されると考えますが、国も自治体も食品メーカーも都合の悪い情報を、生産者の「絶望」、「努力」、「苦悩」等の名の下「風評被害」の語彙を発信することにより、都合の悪い情報を隠蔽するためのプロパガンダ目的に使われているとしか考えざるを得ません。

原子力規制委員会は12月17日に、高浜原発は「新基準に適合」の旨の審査書案を了承しました。
総選挙における多くの「脱原発」、「原発即ゼロ」、「廃炉」、「発送電分離」等の有権者の意思に、油を注がない、官邸におもねる発表時期です。


福島の現実

「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」 (竜田一人 講談社)

朝日新聞連載の「プロメテウスの罠」で、「漫画いちえふ」が取り上げられており、11月18日が最終回でした。
竜田一人へのインタビュー内容が、竜田一人のキャラの所為なのか無思想、無哲学を晒しているとともに、自分自身を批判的に捉えなおす営為が皆無です。

朝日新聞(11/18)より

年間被爆限度50ミリシーベルト以下云々とありますが、以前報道されたように年間500ミリシーベルトに変更する蠢き(「東京ブラックアウト」(若杉冽 講談社)において経済産業省のキャリアに語らせています。211P~)がありますが、原発作業員は『人間の使い捨て』そのものである視点が欠落しており、原発批判はしない、放射能の危険を無視、原発再稼動を主張等ある意味「確信犯」なのでしょう。

「いちえふ」 (竜田一人 講談社)32Pより

国の定めた被爆限度に何の疑問も持たない(隠蔽したい国家権力にとっては好ましい国民の姿では?)が故に「福島の真実」を暗に揶揄しており、これが「福島の現実」だと語っていますが、原発ルポルタージュ漫画ではなく、原発推進、東電等のプロパガンダ漫画と批判されていることは当然と考えます。

 

福島の真実

「美味しんぼ 福島の真実篇 下巻」 ( 雁屋哲 小学館)

当ブログ「表現・報道の自由」(10/23)において、「美味しんぼ 福島の真実篇」(下巻 第111巻)が発行されないことに、発行元の小学館がマスゴミの否定的な大騒ぎによる萎縮 (自主規制)を懸念する旨を書きました。

先週(12/10)発行され、目を通しました。
台詞が十箇所くらい変更となっています、骨格の変更はありませんが丁寧な台詞になっており、かえって被爆のおぞましさが強調されたようにも読めます。

例えば、大学准教授の「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」(ビッグコミックスピリッツ24号273P)は「震災前の政府の基準に従えば、住んではいけない所に多くの人が住んでいる」(美味しんぼ 福島の真実篇 下巻 261P)

巻末に表現の根拠となった情報(2ページ収録)と、奥付に「表現意図をより明確なものとするため、登場人物のセリフ等を一部修正しています。」と書かれていますが、雑誌掲載時のセリフを変更すべきでないと考えます。

ビッグコミックスピリッツ24号に掲載時

美味しんぼ 福島の真実篇に収録時