Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

吉本隆明 論争のクロニクル

2014-06-25 09:44:30 | 読書ノート

「吉本隆明―論争のクロニクル」(添田 馨 響文社)

オウム真理教のテロ事件(地下鉄サリン事件)に係る吉本隆明の立ち位置を確認したく、「吉本隆明―論争のクロニクル」(添田 馨 響文社)に目を通しました。

思想、哲学に係る批評家連中の本は、ほとんど手にしません。何故なら当該思想、哲学の説明(紹介)であったり、批評家自身の解釈であったり、書かれた時代背景(思想家、哲学者、著者自身)の説明であったり等で、時間の浪費と眼精疲労の蓄積だけで意味がない(絶無までとは言いませんが)と考えます。
それくらいなら原典を読むべきだ、と。

本書は、敗戦後からの吉本隆明が係わった論争を網羅しており、吉本隆明と論争相手の思想的立ち位置を丁寧に書き込んでいます。


ただそれだけならば取り上げるまではないのですが、添田馨自身の深い思索の上での洞察、理解、解釈を行い、そのようなに洞察、理解、解釈をした添田馨自らへの立ち位置を透徹した視線で問い質しています。

単に、形而上(認識論、哲学の入り口)の事柄に過ぎませんが、本を読む営為はこのような質でありたいと、再確認させられました。


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