Retriever Legend's blog

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資本主義の終焉 その1

2014-08-07 22:05:49 | 読書ノート

「資本主義的私有の最後を告げる鐘が鳴る。収奪者が収奪される。」

(資本論 「第7編第24章第7節資本主義的蓄積の歴史的傾向」995Pより 大月書店)

略奪と殺戮による収奪によって「本源的蓄積」がなされ収奪は「法則」となり、この法則によっ、収奪者が収奪され、「資本主義的所有の社会的所有への転化」の過程(具体的な経過、道筋は述べられていない)が述べられています。

「21世紀の資本論」

「Le Capital au XXIe siecle」(仏語)、「Capital in the Twenty-First Century」(英語)
(パリ経済学院教授 Thomas Piketty 未邦訳ですが年末に出版とのこと)

経済、経済学は門外漢のため、英エコノミストの記事(日経ビジネスHP)、週刊エコノミスト等を参照しました。

本国より米国でベストセラーとなり、所得格差の深刻化な拡大への怒りがトーマス・ピケティを「21世紀のマルクス」と呼ばれています。

Amazon.comより

トーマス・ピケティは、新古典派経済学(標準的な限界生産性理論)での定説「資本主義で格差は縮小する(経済成長により資本家も労働者も豊かになる)」を、20世紀(1930 ~ 1970)の平等化の傾向は、大恐慌や戦争で資本が破壊された特異な例であり、19世紀から資本家と労働者の格差は拡大している、と否定しました。

また、資本収益率が成長率を常に上回るので、資本収益の増えるスピードが(資本家以外の)所得が増えるスピードを上回り、格差が拡大する、これを資本主義の根本的矛盾と呼んでいます。

新古典派経済学の経済学者から、資本収益率が高ければ資本蓄積が高まり、その収益が低下する収穫逓減が起こって「資本/労働」比率が一定の率に収斂するので、不平等が拡大し続けることはあり得ないと反論しています。

しかし、新古典派成長理論の元祖であるロバート・ソロー(ノーベル経済学賞受賞者)は、長文の書評で「ピケティは正しい」と評した、と。

トーマス・ピケティは、富の集中は資本主義の本質であり、先進的解決策として、全世界で富に課税すべきだと説いており、社会主義的なイデオロギーのにおいがします。

カール・マルクスは『資本論第1巻』で、資本が少数の資本家に集中して労働者が窮乏化して蜂起し、「収奪者を収奪する」未来(予言)を述べていますが、このマルクスの「窮乏化の予言」は「火の鳥」と化すのか ・ ・ ・

邦訳されましたら手にしようと考えています。


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