境界の孤独
僕の身体の細胞ひとつひとつに、真核生物のミトコンドリアがいます。
細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーが生産されています。
このミトコンドリアは、2枚の細胞膜(生体膜)があります。
「動的平衡」(福岡伸一 木楽舎)*の203Pに、その成り立ちが分かりやすく書かれています。
大型細胞のちょっとした窪みに、ミトコンドリアが付着し、やがて窪みのある細胞の膜に包まれて、内に取り込まれました。
大型細胞はミトコンドリアを守り必要な栄養素を与え、ミトコンドリアは大型細胞に酸化能力によりエネルギーを作り供給する、共生関係にあります。
* 理工系の人には、「動的平衡」は「定常状態」としたほうが分かりやすいです。
このため、ミトコンドリアには自分の膜と大型細胞の膜の2枚に包まれています。
この二つの細胞の境界は、付着時にも細胞内においてもあります。
この境界も関係性で成り立っています。
同書235Pに、ライアル・ワトソン『エレファントム』の内容が引用されています。
アフリカ大陸で500頭の像の群れが、やがて3頭になり、とうとう1頭の40歳くらいの雌象だけになり、その象も行方不明となりました。
その象を探した結果、海岸の絶壁で水面から顔を出しているシロナガス鯨と会話(低周波による通信)をしているシーンが紹介されています。
陸で最大の生き物と、海で最大の生き物が向かい合うことに、境界の関係性が持つ絶望的孤独が見えます。
僕的には情緒的になりますが、境界は「空」と想念する興味が強いです。
同書240pの図版に用いられた「象鯨図屏風」(伊藤若冲)
僕の身体の細胞ひとつひとつに、真核生物のミトコンドリアがいます。
細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーが生産されています。
このミトコンドリアは、2枚の細胞膜(生体膜)があります。
「動的平衡」(福岡伸一 木楽舎)*の203Pに、その成り立ちが分かりやすく書かれています。
大型細胞のちょっとした窪みに、ミトコンドリアが付着し、やがて窪みのある細胞の膜に包まれて、内に取り込まれました。
大型細胞はミトコンドリアを守り必要な栄養素を与え、ミトコンドリアは大型細胞に酸化能力によりエネルギーを作り供給する、共生関係にあります。
* 理工系の人には、「動的平衡」は「定常状態」としたほうが分かりやすいです。
このため、ミトコンドリアには自分の膜と大型細胞の膜の2枚に包まれています。
この二つの細胞の境界は、付着時にも細胞内においてもあります。
この境界も関係性で成り立っています。
同書235Pに、ライアル・ワトソン『エレファントム』の内容が引用されています。
アフリカ大陸で500頭の像の群れが、やがて3頭になり、とうとう1頭の40歳くらいの雌象だけになり、その象も行方不明となりました。
その象を探した結果、海岸の絶壁で水面から顔を出しているシロナガス鯨と会話(低周波による通信)をしているシーンが紹介されています。
陸で最大の生き物と、海で最大の生き物が向かい合うことに、境界の関係性が持つ絶望的孤独が見えます。
僕的には情緒的になりますが、境界は「空」と想念する興味が強いです。
同書240pの図版に用いられた「象鯨図屏風」(伊藤若冲)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます