Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

世界共和国 その2

2008-06-09 06:07:23 | 読書ノート
世界、国家、経済等の骨格はガシッとしています、さすがです。
ただ、今更読みたい内容でもありません。

付箋の付いた個所に、メモすべきことがありましたが、Alternativeの提示についてだけ、簡単なメモを記します。

ネグリ、ハートの「帝國」からの引用です。

「働くことによって、マルチチュードは自己を特異性として生産しているのだ。その特異性とは、いわば<帝國>の非=場に新しい場所を確立するような特異性であって、協同によって生産され、言語共同体によって表現され、異種混交化の働きによって促進される現実にほかならない。」(帝國490Pより ネグリ、ハート共著 以文社刊)

著者は、ネグリ、ハート共著の「帝國」や「マルチチュード」を否定しています。
P218に、「マルチチュードの自己疎外としてある諸国家は、マルチチュードが自己統治することによって揚棄されるだろう、というアナキズムの論理です。」と、「アナキズム」が否定の理由となっています。

また、P14に、「アナキストは革命家というより反抗者です。革命騒ぎは大好きだけれども、地道な政治・経済的な問題にとりくむことができないタイプの人が多い。」と書かれています。

引用を連ねる個所に較べ、この個所は、あまりにも非論理的(内省不足)であることは否めません。
邪推ですが、若かりし頃アナキストに「事実存在」かなにかで、イジメられたトラウマでもあるのでしょう。

で、本書にはAlternativeは提示されていませんし、その可能性も感じません。
著者が否定した「帝國」に、Alternativeの可能性があると考えます。



いわゆる「駄本」の典型です。