Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

集団自決

2007-04-05 19:41:22 | 憲法・非戦・平和
教科書検定の見直しの要因と報道されている平成17年8月5日に大阪地方裁判所に出された訴状を読みました。

原告の名誉回復が、集団自決した人々の鎮魂になるならと、期待したのですが、米軍に敗れた大日本帝国陸軍の残滓が透けて見えただけでした。

島民に集団自決を命令したかどうかを争点としており、名誉の回復を請求しています。

訴状に事実として「昭和20年3月25日に米軍の攻撃があった際、座間味村の幹部5人が原告梅澤少佐を訪ね、「集団自決させて欲しい、駄目なら手榴弾が欲しい。小銃があるから実弾を下さい。」と懇願したが、原告梅澤少佐に「生き延びてくれ、弾薬は渡せない」と拒絶された。しかし、村民らは、原告梅澤少佐の説諭にもかかわらず、次々と集団自決を決行し、凄惨な最期を遂げた。」と書かれています。

戦陣訓に書かれているように、大日本帝国陸軍は米軍から「住民を愛護」する本務があり、これが皇軍の本義です。

原告梅澤少佐は「島民を愛護」するために何をしたのでしょう。何もしていません。
集団自決の命令の有無以前に、原告梅澤少佐(大日本帝国陸軍)は不作為の犯罪を犯し、島民を集団自決に追いやった責任があります。

*戦陣訓「本訓 其の三  第一 戦陣の戒」に『七 皇軍の本義に鑑み、仁恕の心能く無辜の住民を愛護すべし。』

この裁判は、大日本帝国陸軍の蛮行の矮小化を意図しているならば、文科省の対応で成功したと言えるかもしれませんが、裁判の結果如何に係わらず、蔑ろにした「天皇の赤子」とその子孫に敗北したと言えます。  

原告は「敗戦」の意味を知らないようですし、不作為の犯罪を犯したことすら認識していないようです。
罵詈雑言を甘受しなければなりません、それが敗戦の当事者であり、島民を集団自決に追いやった原告の位相です。
原告が何を言っても、自分を正当化する言い訳にしか取られません。

A級戦犯に指名され終身禁固刑判決を受けた嶋田繁太郎海軍大将は、回想録の執筆も回想談も断り続け、敗軍の将兵を語らずの姿勢を貫きました。
ここに、敗北した軍人の矜持が伺えます。



 沖縄戦新聞1945.3.26より



 「戦陣訓って、美味しいのかなミュゥ~」