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Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング352. 小説:小樽の翆283. 年越し

2020年12月31日 | drawing

 

 ついに大晦日まで来ちゃった。

鴎飛ぶ石狩湾。こんな風景を以前見たことがある。

それは、大西洋の塩の空気がするポルトの朝だった。鴎固有の鳴き声と街の雑踏が入り混ざり、少し特有の空気だった事を思い出していた。

今日は天気も良いので海へ出てみた。

・・・

陽も暮れようとする頃、海岸沿いを歩きチクコウのカフェで冷え切った身体を暖めよう。

美希姉ちゃんと彼氏がいた。

ここは、彼らのたまり場なんだな。

美希「オジサン、最近見かけないと思ったら、他所で絵を描いていたんだ」

「うん、この海岸線のずっと先で」

美希「オジサンとこ、もうじきおめでたじゃん!」

「はあ!、」

美希「何とぼけてんのよー、マサヒロ君の奥さんよ!、翆さんの孫!!」

さすがマタニティ・フォトグラファーは、出産事情に詳しい。

「そういえば、年末予定だったな」

美希「産婆さんでも呼ぶのかなぁー」

「美希ちゃんちみたいに人出がないから病院だろ」

美希「じゃあお姉ちゃんのとこだ」

「そういうことになりますなぁー・・」

美希「もう、オトコは暢気ねぇー、セックスだけは一生懸命だけどさぁー。多分、今晩か、明日だよ!!

「えっ、もう生まれるの?」

美希「そうよう、暢気に絵を描いている場合じゃないでしょう。多分翆さんは、病院へ行ってると思うな」

「大晦日のディナーは、なしか・・」

美希「ディナーより孫でしょ!。翆さんにスマホしてみなよ!!」

じゃあ、翆に尋ねてみよう。

翆「今、病院よ。お爺ちゃんも、マサヒロもいるよ。二子目だから奥さんと冗談言ってるところ。アチキご飯食べててね。私そのまま夜勤して帰るから・・・、玲香さんもきてくれたよん」

美希「でしょう・・。オジサンは、流行らないショボいそば屋で一人年越し蕎麦をたべて、翆さんちで一人寂しく紅白をみるのかなぁー!(笑)」

「そうなるのかぁー・・・、それはあまりにもわびしすぎる、よし!、そのしょぼい蕎麦屋をパスして病院へゆこう。病院で年越しですぅーー」

やっぱ人が沢山いるところで、年越ししたいよねぇー。

コメント
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