Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし51. 祇園祭・神幸祭

2009年07月19日 | Kyoto city
 祇園祭・山鉾巡行日の夕方、八坂神社から3台の大御輿と1台の子供御輿が出て街を練り歩く。そして夜になると四条通の御旅所に、各御輿が集まってくる。今日から24日の還行祭まで、御旅所に神様が鎮座するのである。
 御輿は、いうまでもなく神様の乗り物である。祇園祭は八坂神社のお祭りなので、ちゃんと神様が御輿に乗って街にやってくるわけだ。御輿の担ぎ棒は、四条通の道幅ぐらいの長さがある。大御輿を回しながら差し上げているときは、四条通が担ぎ手達で埋まり、かけ声とともに大変壮観な風景である。
 大概の観光客は宵山と山鉾巡行をみて帰ってしまうので、それでは八坂神社の神様がいないときに、京都をかすめてゆくようなもので、あまり御利益はないのとちゃうか。神幸祭は、観光客がいないから地元の祭という空気が漂い、威勢良くどこかおもしろい。
 この時期にいつも思うのだが、7月一杯が祇園祭であり、地元のガイドブック等を開くと、私自身いつも暑さに負けて随分行きそびれた行事や施設が多い。例えば放下鉾の町会所の奥にある民家を斜めにまたぐ渡り廊下などとても現代建築的だし、石見神楽も見落とした。
 このように行事等が、目白押しというのも祇園祭の特徴である。そして巡行が終わると即座に山鉾が解体される。それは街の疫病などの悪霊達が飾り立てた山鉾に呼び集められ、解体されるのに合わせて消え去ってゆくのである。山鉾の華麗な胴巻きは、悪霊達を呼び集めるためのものなのだろう。
 山鉾巡行で悪霊達が消えさり、そして神様が街にやってくる。それが神幸祭である。祇園祭は西暦869年に始まったので、約千百年の歴史がある。
 調度今年は、 土曜丑の日が近いので下鴨神社のみたらし祭が、土曜日から四日間行われる。従って今年は、宵山、山鉾巡行、神興祭、みたらし祭と、夏の京都のハイライト行事を三日間で堪能できる珍しい年だ。だからまとめて京都の夏と祭を短期間に体験するのには、今年は大変よい年だったわけである。
 神幸祭の翌日、家の周りで蝉が鳴き出し、隣の寺院から法要の読響が静かに聞こえてきた。まぎれもなく真夏の風景である。

京都・四条通
Fuji FinepixS5pro,AFNikkor50mm/F1.4ED
コメント
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