☞ Parable of Lazarus and the Rich Man: The Parables of Jesus with R.C. Sproul
6分11秒から15分00秒まで。
◇◇
そして、人々に憎まれていました。
しかし、それでも、犬たちはあの金持ちよりも乞食に対して優しかった。
あなたがたは良く分からないと思いますが、私は血液を薄めるための治療を受ける必要があります。
その結果、私の皮膚は、ほんのちょっとした衝撃で出血を起こしてしまい、それがしみとなり、腕全体に出血斑ができます。
それで、私の妻は、私にスポット(Spot、しみ)という愛らしいニックネームをつけました。
小学校1年生の入門書にある犬の名前みたいな。
スポットが走っているよ。
ベスタはそのことに大変関心があるようでした。
彼女はいつも私の腕にバンドエイドを貼ってくれます。
そして、愛犬のジャーマンシェパードが、毎晩私のところにやって来ます。
彼女がしたいことはひたすら私の傷をなめることであり、私も彼女を追い払うのに必死です。
しかし、この子の関心事は、私を治して上げたいという一心なのです。
傷や怪我などがあれば、犬ができる精一杯の治療法です。
ゴミをあさる犬たちがこの乞食のもとにやって来て、傷をなめることによって得られる唯一の安堵を、その犬たちが与えてくれる。
そして、この乞食は死にます。
この者が死ぬとすぐにやって来たのは、彼の友人や親戚ではなかった。
神の天使たちでした。
最後の息をして目を閉じて、この世の命を終えた時、ラザロが最初に見たものは、天の万軍の光り輝く栄光だった。
この哀れな乞食は彼らの手によって引き上げられて、パラダイスへと運ばれ、アブラハムの懐へと抱かれた。
ラザロの死の描写以外、天の恵みが優しく描かれている聖書箇所は他にありません。
ラザロは天使たちによって天へと移されました。
ラザロの埋葬に関する記載はありません。
この世にラザロの記念碑についての記載もありません。
次に、あの金持ちの死について書かれています。
彼は埋葬され、逝った先はアブラハムの懐ではなかった。
彼は、神の天使たちによって、栄光の中で運ばれることはなかった。
徹底的に苦しめられるために、地獄へと送られた。
見上げると、天を見ることができた。
すると、あの惨めな乞食が、栄光の中で、アブラハムの腕に抱かれているのを見ることができた。
あの金持ちは叫んだ。
神に向かって叫んだのではない。
悔い改めの叫びではない。
アブラハムに向かって大声を上げ、今の状態を改善して欲しいと懇願する。
父アブラハムよ。私を憐れんでください。
ラザロをここに送ってください。
あの者はただの乞食です。
あなたは偉大な家長アブラハム。
あなたには権威があり、あなたが送ろうと思えば、どこにでもこのようなしもべを送ることがおできになれます。
それで、お願いをしているのです、
アブラハム様。
あのしもべをここに送ってください。
指先に水を浸して、私の舌を冷やすように命じますから。
私はこの炎の中でもがき苦しんでいます。
私が欲しいのは、水の中に浸した彼の指先だけです。
その指が私の舌に触れれば、十分に癒されるでしょう。
かつて、ある教授が私に次のように話したことがあります。
「地獄にいる罪人は、この世での犯した罪を繕い、一寸でも今の苦しみを軽くするためなら、持っているものすべてを差し出し、できうることはなんでもするであろう。」
あまりにも恐ろしくて想像できません。
ここに、かつて日々贅の限りを尽くした男がいる。
そして、今この時、一滴の水を物乞いしている。
一滴の水。
舌に。
しかし、アブラハムは答えた。
「子よ。あなたは生きている間、良いものを受け、ラザロは悪いものを受けた。しかし、今、ラザロは慰められ、あなたはもがき苦しんでいる。事態は逆転してしまった。」
あまりに遅すぎた。
生きている間にすべきではなかったのか。
あの男の苦しみを気づかうことさえしなかった。
そして、今、あの男に来てもらい、苦しみの只中にいる自分に仕えて欲しいと思っている。
遅すぎる。
次がこの例えの中で最も深刻な個所ではないかと思います。
アブラハムは言う。
このことに加えて、私たちとあなたの間には大きな割れ目があり、ここならあなたのところへ渡ることはできない。
そこから私たちのところへ来ることもできない。
分からないのか。
そこにいるあなたと、アブラハムの懐にある私たちの間には、計り知れないほどの深淵、つなぐことのできない深い溝がある。
この深淵に架ける橋を作ることのできる強さを持つ物質は存在しない。
あなたは今そこにいて、これから永遠にそこに居続けることになる。
そこからここに来ることはできない。
ラザロはここを離れて、あなたのところへ行くことはできる。
分からないのか。
この割れ目の向こう側には、この深淵の向こう側には、執行猶予のための備えはない。
与えられた刑は永遠に続く。
将来の執行猶予の希望はない。
保護観察期間はあった。
希望はない。