京料理 道楽のブログ

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《幽玄》

2011-04-18 | Weblog
「あると見て無きは常なり水の月、無きとみて有るは常なり水の月」 幽玄を表すことばとして用いられます。有ると思えば無くて、無いと思えば有る。能は単なる戯曲ではなく人間の有り様・本質を、形を変えて狭い舞台の上で現したものと言えましょう。

一休和尚が薪(たきぎ)におられた頃より、禅と能(特に金春)は深い関わりとなって、禅は静中に動をみつめんとし、能は動中に静をみつめんとしますが、根本は同様とも言われております。

平安時代の猿楽(さるがく)から生まれた歌舞劇は「能」と呼ばれ、猿楽本来の滑稽な笑いを主とした演技の科白劇は、形を整え「狂言」と呼ばれました。そして明治になって「猿楽」は、「能楽」と呼ばれるようになりました。

4月第2土曜日・日曜日と第3日曜日は嵯峨大念仏狂言(清涼寺)、4月21~29日頃が壬生狂言(壬生寺)、5月1~4日頃がえんま堂大念仏狂言(千本閻魔堂)と神泉苑大念仏狂言(神泉苑)、6月1・2日が京都薪能(平安神宮) が毎年行われますので、心待ちにしております。