京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

ぐぢ(甘鯛)

2009-08-28 | Weblog
京都の人にとって、『ぐぢ』は特別なお魚で、たまらんごっつぉー(ご馳走)です。おそらくお魚の中では、一番好きなんやないでしょうか。「お造り」「昆布締め」「酒蒸し」「若狭(わかさ)焼」「椀盛」…何にしても上品でコクのある味わいは、他の何物にも変えられません。
近年は、輸入物も出回っていますが、その美味は『地甘(じあま)』と呼ばれる近海物に限ります。若狭産はもちろんですけど、長崎の西泊(にしどまり)あたりのも超上物です。
底冷えの冬場には何と言うても『蕪蒸し』でしょう。餡に山葵をたっぷりのせて、アツアツをフゥフゥしていただくと身体の芯から温ったまります。薄塩をあてて昆布で挟んだんを千枚漬で巻いてもええし、つくね芋をすりおろしておだしでのばしたんをかけるのも乙(おつ)な料理ですね。
なんせ、『ぐぢ』は滋味溢れる深ーい味わいなんです。