書家の年賀状の筆文字に見るその書き手とその評価を考える
●2012年1月13日は、朝から第46回前橋市民展の搬入当番だった。
近年の展覧会の搬入というのは、出品料(協賛金)という現金をほとんど取り扱わないことが多くなった。例えば毎日書道展、群馬県書道展なども事前の振り込みになっている。
しかし、前橋市民展という群馬県では最大の総合展覧会(書道・美術・写真)では主催は前橋市という官展であるためにそうはなっていない。
要は市民に広く門戸を開放するという立て前で、搬入直前になって出品すると言うことも可能なのである。
事実今回、搬入終了の午後3時まであと3分と言うところで滑り込み搬入という例もあった。
搬入担当としては、事務処理とパソコン入力(出品表は当日にパソコンで入力完成)を終えて帰ろうとする時だったりすると最悪。
今年は、なぜか事務処理に手間取って3時の時点では終わっていなかったのが幸いした。その事務処理と「出品料」の計算が面倒なのはこんなことからでも分かる。
例えば30点の搬入があったとする。
このうち、2点出品が5点あったとする。
1点目は2,000円、2点目は1,000円。
この計算は、2,000円×30=60,000円ではなく、5,000円分を引いて55,000円になる。
詳細は、25人で25点と言う計算。
2,000×25=50,000円
1,000×5=5,000円で55,000円である。
ここまでは単純計算の様だが、これに高校生(18歳以下)が含まれるとその分が500円に減額される。
30点の搬入に二点出品5点、その内高校生2人とするとだんだん頭が混乱すると言うものである。
計算は、30-2=28 が一般。2が高校生。
28-5=23人が一般の実出品者。
2,000×23=46,000円
1,000×5=5,000円
500×2=1,000円
こう言う計算をして、52,000円と言う事になる。
単純には、55,000円から差額3,000円を引くということになるが、こんなものが沢山あるとパニックになると言うものなのである。
実際の検算は前橋市側で、エクセルの金種計算表を出して検算することになっている。
数年前までは電卓で計算することもあったのだが、今では自前のパソコンを持ち込んで電卓を使わなくてもエクセルで計算できる様にしてある。
こんなふうにしても今年は事務処理完了まで4時を廻った結果となった。
●書と言えば未だに年賀状を思い浮かべるような時期である。なぜなら今頃になっても年賀状の返事が達筆な筆文字と共に舞い込んでくることもあるからである。
特に著名な書家の先生の返事だと‥‥将来お宝になりはしないかと「シメシメ」と大事にファイルに入れ込んだりしている。
しかし、そんなことになるのはいつの頃なのかははっきりしないし、後世の子孫がそんなものを取っておく保証もさらさらない。
常に物事の価値観が違って、こんなものは要らないガラクタと思っても実は価値があったりすると言うのは昨今の骨董ブームを見れば明らかである。
その一方で、今年は著名な書家の先生であっても「宛名書きから裏面の辰の絵柄文章まで」パソコン印字であると言うのも珍しくなかった。
事実宛名書きを手書きにしていた小生も、数年前からパソコン印字にしてしまった。
理由は雑事に追われて忙しくなったと言うことにつきる。
その昔は、11月から葉書の裏面に全て手書きで絵を描いていたこともあったくらいである。
だから年賀状というのも昔ほど「味」がなくなったと言う気がする。
今では「まだ生きています」「年賀状を出せるくらいの生活をしています」という存在確認であると言える。
逆に言えば、年賀状を出しても返事さえ来ない人物というのは余程何かあると言う気がしてならない。
●それにしてもこの年賀状の絡んで種々のブログを徘徊して見ると妙な「筆文字」にぶち当たることがある。小生などの様に毎日書道展の会員クラスにでもなれば、書を一目で見てある程度推察が出来る。
だから、年賀状の筆文字も「書家」か「筆文字が上手い人」かという区別は一目でわかるし、そうでなければ書の審査などが出来るはずがない。
それで先の「妙な筆文字」は、誰の作なのかはブログ管理人が丁寧に書いてしまっているから検索すると直ぐに出で来る。
近年のパフォーマンス書道には、世界的書家T大先生やNHKの龍馬伝の題字、パソコンソフト一太郎のロゴで有名な手島右卿賞受賞の大書家S女史の様な大仰な活字体が多い。この「筆文字」の作者もT先生やS女史の系譜と同じ「力こぶの入った」書き方で師匠は誰かと思ったら案の定書いていなかった。
どうも師匠筋から離れて独立したようでもあり、その中で読売書法展入選12回ということらしいのでT先生やS女史と比べれば基礎くらいは出来ているかもしれない。
しかし、読売書法展入選止まりの書家と読売新聞社賞、その他受賞の書家と比べれば雲泥の差というものである。
ブログの管理人が何に感動しようと勝手である。
しかし、「書」に限っては「評価に価する」見る目のあるなしが、その文章の書き手に対する評価の一因になることも考慮する必要がある気がする。
●2012年1月13日は、朝から第46回前橋市民展の搬入当番だった。
近年の展覧会の搬入というのは、出品料(協賛金)という現金をほとんど取り扱わないことが多くなった。例えば毎日書道展、群馬県書道展なども事前の振り込みになっている。
しかし、前橋市民展という群馬県では最大の総合展覧会(書道・美術・写真)では主催は前橋市という官展であるためにそうはなっていない。
要は市民に広く門戸を開放するという立て前で、搬入直前になって出品すると言うことも可能なのである。
事実今回、搬入終了の午後3時まであと3分と言うところで滑り込み搬入という例もあった。
搬入担当としては、事務処理とパソコン入力(出品表は当日にパソコンで入力完成)を終えて帰ろうとする時だったりすると最悪。
今年は、なぜか事務処理に手間取って3時の時点では終わっていなかったのが幸いした。その事務処理と「出品料」の計算が面倒なのはこんなことからでも分かる。
例えば30点の搬入があったとする。
このうち、2点出品が5点あったとする。
1点目は2,000円、2点目は1,000円。
この計算は、2,000円×30=60,000円ではなく、5,000円分を引いて55,000円になる。
詳細は、25人で25点と言う計算。
2,000×25=50,000円
1,000×5=5,000円で55,000円である。
ここまでは単純計算の様だが、これに高校生(18歳以下)が含まれるとその分が500円に減額される。
30点の搬入に二点出品5点、その内高校生2人とするとだんだん頭が混乱すると言うものである。
計算は、30-2=28 が一般。2が高校生。
28-5=23人が一般の実出品者。
2,000×23=46,000円
1,000×5=5,000円
500×2=1,000円
こう言う計算をして、52,000円と言う事になる。
単純には、55,000円から差額3,000円を引くということになるが、こんなものが沢山あるとパニックになると言うものなのである。
実際の検算は前橋市側で、エクセルの金種計算表を出して検算することになっている。
数年前までは電卓で計算することもあったのだが、今では自前のパソコンを持ち込んで電卓を使わなくてもエクセルで計算できる様にしてある。
こんなふうにしても今年は事務処理完了まで4時を廻った結果となった。
●書と言えば未だに年賀状を思い浮かべるような時期である。なぜなら今頃になっても年賀状の返事が達筆な筆文字と共に舞い込んでくることもあるからである。
特に著名な書家の先生の返事だと‥‥将来お宝になりはしないかと「シメシメ」と大事にファイルに入れ込んだりしている。
しかし、そんなことになるのはいつの頃なのかははっきりしないし、後世の子孫がそんなものを取っておく保証もさらさらない。
常に物事の価値観が違って、こんなものは要らないガラクタと思っても実は価値があったりすると言うのは昨今の骨董ブームを見れば明らかである。
その一方で、今年は著名な書家の先生であっても「宛名書きから裏面の辰の絵柄文章まで」パソコン印字であると言うのも珍しくなかった。
事実宛名書きを手書きにしていた小生も、数年前からパソコン印字にしてしまった。
理由は雑事に追われて忙しくなったと言うことにつきる。
その昔は、11月から葉書の裏面に全て手書きで絵を描いていたこともあったくらいである。
だから年賀状というのも昔ほど「味」がなくなったと言う気がする。
今では「まだ生きています」「年賀状を出せるくらいの生活をしています」という存在確認であると言える。
逆に言えば、年賀状を出しても返事さえ来ない人物というのは余程何かあると言う気がしてならない。
●それにしてもこの年賀状の絡んで種々のブログを徘徊して見ると妙な「筆文字」にぶち当たることがある。小生などの様に毎日書道展の会員クラスにでもなれば、書を一目で見てある程度推察が出来る。
だから、年賀状の筆文字も「書家」か「筆文字が上手い人」かという区別は一目でわかるし、そうでなければ書の審査などが出来るはずがない。
それで先の「妙な筆文字」は、誰の作なのかはブログ管理人が丁寧に書いてしまっているから検索すると直ぐに出で来る。
近年のパフォーマンス書道には、世界的書家T大先生やNHKの龍馬伝の題字、パソコンソフト一太郎のロゴで有名な手島右卿賞受賞の大書家S女史の様な大仰な活字体が多い。この「筆文字」の作者もT先生やS女史の系譜と同じ「力こぶの入った」書き方で師匠は誰かと思ったら案の定書いていなかった。
どうも師匠筋から離れて独立したようでもあり、その中で読売書法展入選12回ということらしいのでT先生やS女史と比べれば基礎くらいは出来ているかもしれない。
しかし、読売書法展入選止まりの書家と読売新聞社賞、その他受賞の書家と比べれば雲泥の差というものである。
ブログの管理人が何に感動しようと勝手である。
しかし、「書」に限っては「評価に価する」見る目のあるなしが、その文章の書き手に対する評価の一因になることも考慮する必要がある気がする。