書道家Syuunの忘れ物

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全日本高校・大学生書道展の存在意義を問われる巨大偽装の実態

2010-08-17 22:09:09 | 世の中妙な??事ばかり
全日本高校・大学生書道展の存在意義を問われる巨大偽装の実態

「書道不正出品:私立大分高の全応募作品が失格に」(毎日新聞8月10日付Web)と言う記事で以前から話題になっていた展覧会の出品偽装。
2010/08/17の地方紙には「大分高、書道展で不正」、「人気漫画モデル校 出品作に同じ印影」と言う題で大分高が16日、記者会見をしたらしいことが書かれてあった。
これは共同通信(上毛新聞)の記事だと思うものの、主催者である読売新聞には一言も書かれていない。
しかもWebで載っているのは朝日新聞毎日新聞という体たらくである。
この記事による凄まじい偽装というか出品点数のテンプラの実態が明らかなのである。
そして偽装は、「今年と昨年分」も偽装したとなっている。
これは、出来心でやったと言うようなものではなく、長年の慣例として続けられてきたものだとどう考えても思われるものである。
そして、昨年の1,266点から倍増の2,487点というのは異常すぎる。そして、今年の出品状況が書かれているのが興味深い。
その出品の内訳は、
漢字‥‥‥940点
かな‥‥‥683点
調和体‥‥617点
篆刻‥‥‥247点‥‥‥…総点数2,487点。
このうち実態として明らかになっているのは、篆刻は40種類、40人分。(毎日新聞)
「実際に出品した書道部員や一般生徒は計273人」
「団体賞は出品点数に応じてポイントが加算する仕組みで、各部門への出品は一人1作品に制限」
この様に報道されてることから、単純に実出品点数の最大値を算定してみる。
単純に計算すると、273×3+40=859点という数字か最大点数である。
なんと1,628点が水増しなのである。
その実数を部門別に見てみると尚面白いことに気づく。
漢字‥‥940点-273(実人数)=667点多い。
かな‥‥683点-273(実人数)=410点多い
調和体…617点-273(実人数)=344点多い
篆刻‥‥247点-40(実数)=207点多い。
これは「書道部員らの試作品に別の生徒の名前を書いて出品していた」と書かれている。
高校生の書展というのは、臨書が多いために作品はほとんど同じものだから、単純に考えても初めの頃に書いた失敗作に他人の名前を入れて水増しするというのは容易に想像がつく。
そして、高校の規模というのはどんな高校でも全生徒数1,000人内外と言うより1,000人を超えないところが多い。
それで、940点というのはほぼ全校生徒が出品した計算になるから常識的に考えられない。その上、3部門出品者が6-7割と言うことであれば、まああり得ない話しだ。
又、昨年の1,266点も不正だというのだから、実態は800~900点が限度であって1校で1,000点以上というのは疑わしいのが実態ではないか。

こんな風に考えてくると、この問題は氷山の一角なのではないだろうか。
なぜなら、昨年の多数出品点数都府県を見ると優秀校が出でいる福岡県は1,173点。
多分そのまま一校分かもしれない。
こんな風に考えると、全日本高校・大学生書道展の出品方法や団体賞の与え方にも問題が生じる。
それで多量出品しても団体賞が来ないとなれば、出品する意味を持たないと考えるかも知れない。

いずれにせよ、主催者側は薄々知っていても確証がつかめなかったと言うのが実態だろう。臨書展なら、先ず見分けるのは至難の業であるからだ。
今回篆刻で足がついた、篆刻というのはやはり中々難しいものと再確認せざる終えない。
それなら、「同展の団体賞は、出品数10点で1ポイントが加算される。」と報道されているが篆刻はポイント3倍とか10倍にして奨励するのが良いのではないか。