goo blog サービス終了のお知らせ 

書道家Syuunの忘れ物

趣味のパソコンやカメラの実機レビュー、書道展の情報発信、CyberLink MVPなのでYouTube配信をしています。

再評価されつつある「リチャード・クー」氏の妄言

2008-10-25 23:52:03 | 日本の経済議論

再評価されつつある「リチャード・クー」氏の妄言


2008年10月25日付読売新聞朝刊13S一面に「市場大混乱・どう立ち向かう」と題して
リチャード・クー氏に経済部のS記者がインタビューしている。
小生などは、いつ最近までリチャード・クー氏は、眉唾の事しか言わない人物と見限っていた。
バブル崩壊の頃には、どう考えても米国の代理人としか写らなかった。
しかも本人は、米国籍であるから第一に米国の利益、次に日本の利益を考えて発言すると言ったときは、良くもぬけぬけとと思ったものだ。
しかし、ここ2-3年の著書言動を見ていると何やら変わってきたのか、又は心を入れ替えたのかと思うほど違っている。
『「陰」と「陽」の経済学』(東洋経済新報社、2007.1.14)実発売2006.12月-の著書は、それまで書いてきたことの大方集大成で、今の言動もこの本ぐらいに集約されている。
現に、日経新聞BizPlus・Koo理Koo論・第12回「『サブプライム』の次に来る『米住宅問題の本質』」(2008/10/07)‥‥FRBは「金融政策が効かない理由」を理解する必要 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/koo.cfm?i=20081003d8000d8&p=3
で、「私は『「陰」と「陽」の経済学』(2007年、東洋経済新報社)という本のなかで、『バーナンキのあの理論は間違っている。日本の経験から見れば、バブルが崩壊した後にいくら金利を下げても、誰もお金を借りに来ない。金融政策は空回りするだけだ』と書いた。」
‥‥ある。
又、「米国は今こそ日本の経験生かした政策を」
リチャード・クー氏が語る「転機のグローバル経済」~QUICK特別セミナー2008~
【執筆:QUICK】(掲載日:2008年9月17日)
http://money.quick.co.jp/column/quick/01_1.html
でも、
「バブルの処理が終わり、地道に歩んできた日本が見直される余地は大きいと思う。世界の投資先の中で、これまで日本が注目されなかったのは、日本以外の世界が好調すぎたからだ。日本はバブル崩壊後、バランスシートを健全化してきた。ここで政府が政策転換をして景気を回復させることができれば、世界中の投資家が「日本のやってきたことは正しかった」と評価し、世界の投資資金が日本株に集まってくるだろう。この場合、円相場は円高に向かうだろう。 」
と講演し、『「陰」と「陽」の経済学』の本の通り円高を予測している。
しかし、『「陰」と「陽」の経済学』の本を書いた頃の論調や経済通を自称する人達からは、結構笑いものにされていたことは、Webで探してみればいたる所にある。
但し、その笑いものにしていたのも精々2008/8月末程度までで、9月15日にリーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が破産した以降はあまり聞かれていない。
リチャード・クー氏の講釈を受けた麻生総理が言ったことに対して、日経新聞が「麻生太郎と小沢一郎の「ヤバい経済学」(2008/10/6)清水 真人 編集委員」が書いたぐらいである。
いろいろ探してみると、この日経新聞でも書く1997年4月の橋本龍太郎首相による消費税率を5%に上げに関し、リチャード・クー氏は失敗と述べているのに対し、自称経済通は、「木を見て森を見ず」の議論をしている。
「夏以降、アジア通貨危機に端を発した金融危機が襲う。秋が深まると三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などがよもやの連鎖的な経営破たんに見舞われ、日本経済は奈落の底へ落ちていった。 」
早い話、経済が減速に入ったのは、消費税率を5%に上げたからではなく、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などが潰れたからだという議論であった。
‥‥米国経済にかぶれるとそこまで頭が硬直するのかと情けないもの。
もっとも10月23日、米国議会証言でグリーンスパン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「欠陥があることを認識した」と敗北宣言をした後では、米国経済学信奉者はシュンとなってしまった感がある。

さて、読売新聞のリチャード・クー氏の説は、今までの円安は「円安バブル」と言い切り、そのために日本経済は外需に頼りすぎたと酷評。
そして、円はようやく再評価の過程に入った、今後は内需拡大が必要不可欠と述べる。
これは、至極妥当であると誰でも今なら思う。しかし、半年前いや一ヶ月前でさえ「円安」誘導と経済通入っていたはず。
そう言えば、中国景気が起こる直前のデフレ不況、建設不況の4-5年前は、リチャード・クー氏は米国経済学者と同じように‥‥異口同音に「円安」は日本の景気を回復すると主張していた。
確かに外需で一時出来に回復したと言え「円安」というより、中国景気だったというのは誰もが思うところだ。

そして、後半の貸し渋り対策の「銀行が保有する株」の一時的な買い上げは、夕刊で政府が実施する方向で検討していると報じている。

アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書」山岡 道男 (著), 淺野 忠克 (著) アスペクトISBNコード978-4-7572-1550-4 /1,785円/ 2008年10月
を読むと、今では笑えると言うところが沢山ある。
早く言えば、日本の現実経済と米国経済学で学ぶ経済との乖離がここのまで来てしまったのかとつくづく思うものである。
それにしても、「年利8%の複利で運用するなど」いつどこの話だ!!という事から本がはじまる事を見れば、その本の実態が暴露されるというものだ。
但し、日本のゼロ金利時代の定期預金年利0.04%であるなら、元々話は成立しないというあほらしさではある。

世界経済不況のガン・日本の低金利政策

2008-10-23 23:44:20 | 日本の経済議論
世界経済不況のガン・日本の低金利政策

「中国経済―世界を下支えできるか」とは2008/10/23の朝日新聞の社説の見出しである。中国を持ち出す当たり「朝日新聞」ならではかと言う思うところがある。
実は、書き出しで「中国の減速は世界にとっても痛い。」と書いて中国経済は「『少なくとも全治数年』との見方が広がる。」なのである。
‥‥と書きながら、「期待されるのがBRICsとよばれる新興国、とりわけ成長著しい中国だ。」とする。
誰だって2-3年又は5-6年先の事など誰も予想は出来ない。あのリーマン破綻に関しても1年前には予想もしなかったはず。だから、日本のメガバンクも昨年11月にリーマンの債権を買って、ほとんど欠損にしている。数年先の中国に期待するなど正に正気の沙汰ではない。

一方、同じ朝日新聞は「日本は人口減少社会に入り成長力に陰りが見えるため、日本に期待する声は少ない。」と切って捨てる。
この見方は、日本は経済破綻に近いと吹聴した「米国経済・鸚鵡経済学者」そのままの見解だ。それで、日本の国債の格付けは「Aa3(ムーディーズ2008年06月30日 )21段階中4番目」、2007年は「A1」‥「A1」は中国、チリなどと同じ水準。2006年は「A2」。
しかし、今回の金融不安を見てみれば、米国、欧州などの金融というのはほとんど投資銀行だったと言うことだ。
即ち、日本などの安い金利で借り入れ、それを元に積極的に海外投資、海外展開を推し進めてきた。
だから投資ファンドの信用不安となれば、債権は売られそれに従って株は換金される。
投資ファンドのビジネスモデルは崩れで、テコの原理で大きく投資してきたから一挙に元本割れ。結局、日本のように外国から借りずに自己の預金を持っていた日本の銀行は、強かったと言うことが証明されたわけだ。

(読売新聞)
アイスランドの金融収縮、「アイスランドの大手銀行カウプシング銀行が2006年10月に発行した円建て外債(サムライ債)で、利払いが遅延」と産経新聞が報じている。
しかし、朝日、読売新聞が「円建て外債」の影響を報じているのに不思議なこととに産経はほとんど触れていない。
人口約30万人のアイスランドは、投資銀行を中心として「金融立国」とし、
「主要銀行は、高利息で国内外から集めた資金を、融資や企業買収に運用して業務を拡大させ、国内銀行の総資産は国内総生産(GDP)の数倍規模まで膨らんだ。だが、欧米を襲った金融危機で資金繰り困難に陥り、政府管理下に置かれた銀行は今、大規模なリストラを進める。(2008年10月23日読売新聞)」
そして問題なのは、 アイスランドの住宅ローンや車のローンは日本円などの「外貨ローン」だったということだ。
その円などの外貨ローンでは約年4%。クローナだと15.5%。
今クローナが暴落して、「日本円の外貨ローン」は倍になったという。但し、このローンは米国の「プライムローン」とさほど変わらない。
いずれにせよ、日本の低金利は今年の春に「円キャリートレード」と批判されたまま、日銀は何も対処せず世界中に投資資金としてばらまかれた。
世界的な株高も所詮この投資資金によるものとなれば、実体経済とはかけ離れたハブルというものだろう。
はっきり言って、日本は速急に世界水準まで政策金利を上げる必要がある。
何と言ってもおかしいのは、経済大国、消費大国、輸入大国で本来強い円を持ちながら、超低金利と恐ろしく低く円安を誘導するということ。
これは、世界経済にとって何か疫病神の様なものだ。

ノーベル経済学賞・クルーグマン教授/日本の経済運営を批判する

2008-10-15 22:26:17 | 日本の経済議論

ノーベル経済学賞・クルーグマン教授/日本の経済運営を批判する

クルーグマン氏は、日本経済の失速を日銀による「ゼロ金利政策」「低金利政策」であると批判していたのは知られるところである。
そして、近年あの「野村総研主席研究員リチャード・クー」氏も日銀の「低金利政策」が「低迷する日本経済」のガンであると日経、産経新聞(【聖杯はどこに】(2008.10.13 03:01
)http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081013/biz0810130302000-n1.htm)で白状しつつある。
近年の米国金融危機に対する迅速「資本注入」に関連して、日本の宮沢政権時代の失敗を引いて、実は日本の当時の低金利政策を批判している。
それは、「金融システム不安が深刻化した平成9年、当時の橋本龍太郎政権‥‥消費税率を3%から5%に増税するなど無理に財政再建を進めた。」を指してのことである。
「過去十数年の日本で民間の資金需要はないどころか、巨額のマイナスになっていた。みんなゼロ金利下でも借金返済に邁進(まいしん)してしまい、お金を借りる人がいなくなったのである。そんな状況で、国が金を借りて使わなければ、経済はさらに萎縮(いしゅく)するのは火をみるより明らかだ。」
「当時の大蔵省は、日本の債務が国内総生産(GDP)比でイタリアを超えたことを理由に財政再建の必要性を訴えたが、当時のイタリアの国債利回りは14%。日本はたったの2・3%だった。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)も財政赤字の大きさだけを見て日本の財政再建を支持し、当時のマスコミも財政再建一色だった。
だが、その結果、日本経済は5期連続のマイナス成長に陥り、財政赤字は8年の22兆円から11年の38兆円まで7割も増えた。もしも9年当時、財政再建に走っていなければ今ごろ、日本の財政赤字はどのくらい少なかったか。その功罪はいまだ議論されていない。」

「大学で教えている経済学は、金利が低くなれば、民間は必ずお金を借りるということが前提で、過剰債務を抱えた民間がゼロ金利下でも借金返済に回る事態は想定していないからだ。」
「民間がみな借金返済に回っているとき、政府は民間と逆の行動を取る必要がある。ゼロ金利下でも家計が貯蓄し、企業が金を借りない状況を放置すると、毎年、家計の貯蓄と企業の借金返済分だけ総需要がなくなるからだ。」

以上のようなことは、クルーグマン教授が言っていることと同じようなことで、要するに日本は「流動性の罠」に陥っていると言うことである。
この場合、金利が低いと資金が回らず、しかも金利が低くても借りることはなく返済に廻すために市場に金が枯渇する。即ちデフレから脱出することは出来ない。
この場合、多少金利を上げて市場に「金」を流してやる必要がある。
現実問題起きていることは、低金利にもかかわらず貸し剥がし、黒字倒産が増えていることだ。
要するに、今の日本経済というものは従来の「経済学」に反することが起きている。
そして、日本銀行はかってクルーグマン教授に「日本は流動性の罠に陥っている」と言われても、「流動性の罠に陥っていない」と強弁して反論すら出来ていない。

今の、そして今までの日銀の行動について納得の行く理論が構築されない限り、日本には経済学など無いと言うものではないだろうか。
そして、平成9年の橋本政権下での財政再建の失敗に対して、「財政再建派」は実際の経済分析を無視して「失敗」ではなかったと強弁する。
そんな強弁したのが日経新聞「プロの視点」「麻生太郎と小沢一郎の「ヤバい経済学」(2008/10/6)清水 真人 経済解説部編集委員」であったことを忘れてはならないだろう。http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/index.html


経済学の基本を語らぬ不思議な経済学者達

2008-10-14 23:46:02 | 日本の経済議論
経済学の基本を語らぬ不思議な経済学者達

米国発金融危機を日本のバブル潰しと比較している論調がある。
それは、日本のバブルのハードランディングの失敗を見て、米国はソフトランディングを図って、バブルを放置したために金融危機が起きた述べていることである。
しかし、基本的に違っているのは、日本バブル潰しは日本国民の資産として大部分を占める不動産であるのに対して、米国で崩壊したのは「サププライム問題」に端を発した株、債権だと言うことだ。
ともに、日米の国民が持っている資産を直撃したからパニックになっている。
そして、日本では今株が下がったと言っても、庶民の意見、嘆きとして報道されているところによれば50万円損をしたと言う程度。
この連休、まつりで町内集まった話に、「ロス疑惑」の三浦氏の話は出でも、株の話は出なかった。当然、株で全財産?を失ったなどという話は聞かない。至って平静である。
日本人の資産は、およそ過半或いは7割を不動産で、後の2割を現金。
そして、株に投資するのは精々1割、2割程度だ。だから株が下がっても庶民はビクともしない。
一方、資産の過半を占める不動産を直撃した日本のハブル潰しは、日本国民をして資産の大半の価値を消失して、失われた10年を創出させた。

ところが、そう言う事実ではマズイと思っている人達がいるらしい。
そこで、米国のソフトランディング戦術を取り上げて「これも失敗」とのたまわった。

しかし、そこには策略があって米国で米金融制度理事会(FRB)議長が「住宅バブルを放置した」から「米国発金融危機」を招いたと飛躍して書き、ソフトランディングを批判している。
米国で「住宅バブルを放置した」?と言うが、米国の住宅バブルなどハブルの内に入らない。しかも、住宅事情も供給が過多になれば終焉する。事実、「住宅バブル」の崩壊は幾らも掛からなかった筈である。
又、単なる住宅バブルの崩壊で、「米国発金融危機」などは招くはずがない。

「サブプライム問題」‥‥要するに、住宅ローンを債権に組み込んで売却し、それを世界中にばら撒いたのが原因。
本来の不動産の価格などではなく、米国民を含めた世界中の人達に債権として持たせたことに依るものだ。
要するに、不動産ローンの債権化が問題だったわけだ。しかも、そのローンと来たら高金利。債権の価値はその高金利のローンを払う人がいて始めて、債権の高利回りが成立する。早い話詐欺みたいなものだ。
だから、「米住宅バブルで世界に回っているお金の総量は実体経済の約4倍。」と書くのは嘘。
元々低金利の日本の金を利用した「円キャリー取引」から端を発し、利回りの高い「サブプライム」を組み込んだ「AAA」の債権を買ったにすぎない。
買った債券が、不良で買い手がつかないから暴落してと言うものだろう。

ハブルの頃を考えてみれば、バブル崩壊直前、当時の(財)建設経済研究所常務理事・長谷川徳之輔氏(現・明海大学不動産学部教授)は、不動産価格が半減しても日本経済には何の影響も出ないと言い切った。
結果は見ての通りだが、彼ら元建設省の天下り官僚というのは不思議なことに日本人も米国人と同じように資産を株・債権で持っていると思っていたようだ。

日本の不動産バブルの様に、土地を供給しさえすれば、又不動産の取引税を下げさえすれば収束した。
ところが政府がやったのは、取引税を超短期としてその98%まで譲渡益を吸い上げ、土地の供給を押さえた。
役人がやることと言うのは、常に経済とは逆の規制をする。
そして、建築基準法厳格化に依る官製不況を見れば、不思議なことに規制強化と増税によって、日本の経済をガダガダにする伝統というのはいつも変わらないようだ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【野菊】バブル制御は「神業」
 2007年2月に公開された映画に「バブルへGO!!」がある。大蔵省(現財務省)が発動した不動産取引に対する融資規制を止めるため、広末涼子扮(ふん)する主人公が、ボディコンの女性らがディスコで踊っていた1990年にタイムマシンで戻る話である。

 その冒頭に、「バブルは崩壊して初めてバブルとわかる」という言葉が出てくる。米金融制度理事会(FRB)前議長のアラン・グリーンスパン氏の言葉である。そこから「じゃあ、崩壊させないようにしよう」と考えるか、「バブルはいつか破裂するから、小さいうちにはじけさせよう」と考えるか。日銀などの政策立案者らもなかなか断定できない研究テーマである。
 この映画の土台にあるのは前者の考え方で、銀行の不動産向け融資の伸び率を総融資額の伸び率以下に抑制するという大蔵省の融資規制をバブルつぶしの元凶として描いている。
 昨年春はまだ、米国の住宅バブルの崩壊が顕在化しておらず、前議長は18年以上にわたって米経済を安定成長させた立役者と評価されていた。だから、日本も、前議長のように、バブルが膨らんだら適度にしぼませたりして上手にコントロールすればよかったのに、という考えが底流にある映画だ。

 しかし、米国発金融危機が世界に伝播して恐慌寸前のいま、前議長の評価も「住宅バブルを放置した」罪で、「経済の神様」から失墜。バブルをでっかくしすぎたと、その評価が180度変わってしまった。 米住宅バブルで世界に回っているお金の総量は実体経済の約4倍。いまの金融危機を最終的に収束させるには、その実体経済に見合ったレベルまで損を出すという究極の選択もあるが、それはいくら何でも国民生活を犠牲にしすぎるから無理。ならば、有効需要を創出して実体経済全体を拡大させ、損をなるべく減らそうと世界中の政府と中央銀行が悩んでいる。
 賃金上昇を伴う緩やかなインフレでユーフォリア(根拠のない過度の幸福感)を演出してもらえれば、国民の大半はハッピーだ。だが、それを政策的に実現するのはまさに「神業」である。金融危機は改めてそのことを教えてくれる。
 (気仙英郎/SANKEI EXPRESS)


国民につけを廻す・日銀による低金利政策と犠牲者・大和生命

2008-10-10 21:52:29 | 日本の経済議論
国民につけを廻す・日銀による低金利政策と犠牲者・大和生命

中川昭一財務相兼金融担当相は、大和生命の破綻は、「金融システムの問題とは関係ない」。
と記者団と会見し、与謝野経済財政相(財務相兼金融相臨時代理)は「国内生保で一番規模が小さく、債務超過額も100億円超。世界の金融危機の波の中で起きた事件としてとらえるのではなく、特異な経営モデルが行き詰まったのではないか」と述べた。(朝日新聞)
大和生命の破綻は、「破綻につながった背景には、過度にリスクの高い資産運用や経営陣の内紛といった特殊な要因が大きい。」(日経)としいてる。
社長が証券会社出身に変わったため、資産の運用に対して、リスクの高い金融商品に手を出して2004~2006年までは5.36%の利回りで、他の生保9社の平均2.39%を上回っていたという。
しかし、2007年は2.06%で逆に生保9社の平均利回り2.36%を下回ったという。
それにしても、米国の公定歩合が5.0%(2006年は5.75%)だったのになんという低利回りだろうか。
これで、リスクの高い商品に投資したのだろうか。
この様な資産運用で確かヘッジファンドなどは楽々10%以上の利回りで運用していたはずではなかったろうか。
かって、大問題になった日銀の元福井総裁は、村上ファンドに1000万円預けて利益総額が1473万円という。(『ウィキペディア(Wikipedia)』)
凡そ8年間。単純計算年利18.41%。
ヘッジファンドなどは、たとえば3億円集めるとあと7億円借りて10億円で運用して10%利益が出ると、単純計算で33%の利益になる。その借りる金が日本などの低金利の銀行からでお笑いだが、今度は今の株の暴落になると‥‥
10%の損で逆に33%の損、大方半分から40%の損と言うことになる。
今のように、半値になればファンドは解消して精算と言うことになろうが、投資家は丸損、ファンドも大赤字というものだ。

いずれにせよ、日本の政策金利を少なくとも米国並みに維持していれば、大和生命の破綻もなかったであろうし、年金の運用で5兆円も損を出すこともなかった。
そして、今は年金運用でもっと損失が出ているかも知れないから、年金のために税金などいくら投入しても追いつかない。
そして、健康保険組合も今後期高齢者に対する保険負担で、続々解散している。
ここも、本来の利子が付くようであれば、解散などしなくても良かったはずだ。
そのために、またまた‥‥国民の税金から出さなければならない。
日銀は、景気のためと言いながら何の理由で低金利政策を続けてきたのか全く不明だ。
そして、とうとうその低金利政策のつけは国民に廻されたと言うものだろう。

日本沈没させる従来からの景気対策に陥る愚

2008-10-09 18:36:33 | 日本の経済議論

日本沈没させる従来からの景気対策に陥る愚

株下落で日本は景気対策に迫られることになった。
この株安というのは、日経新聞社説(2008/10/09)「東京市場で進んだ円高は、米欧中央銀行の利下げ観測が強まり、日本との金利差が縮小すると投資家が判断した要因が大きい。いわば消去法による円買いだ。輸出企業などの業績悪化を懸念した投資家が日本株を手放し、株価急落につながった。」と解説しているのは、小生が昨日述べたのと同じ。
しかし、資金調達という部分では「外資系銀行の調達金利(無担保コール翌日物金利)は0.6%前後、邦銀でも地方銀行などは0.5%台半ばと、日銀の誘導目標(0.5%程度)を上回った。」(産経)と言うように、世界一割安で日本は資金を提供している。

やはり日銀は、本来の相場に任せるべきなのではないだろうか。日銀の政策金利0.5%というのは、やはり余りにも安すぎる。
多分、この安すぎる政策金利の付けというのは、今年三月の「円キャリートレード」のようなものが来る。
実際その付けというのが、実は米国の資金不足を日本の金でまかなおうということだと、密かに噂されている。
事実、サブプライムローンが顕在化しなかった春先頃までは、米国の政策金利5%以上で確か平成18(2006)年3月には、「フェデラル・ファンド金利(FFレート)の目標水準を0.25%引き上げて4.75%に、また公定歩合を0.25%引き上げ、5.75%とする。」として、5.75%が5.0%に下がったのは2007/10/31と言う具合だった。
この金利ならば、日本のゼロ金利に等しい資金は米国に流れるし、出鱈目の格付け機関は米国の投資先としての格付けを最高のものとするから世界中から金が集まる。
結局、今回の株安、サブプライムローン禍(か)はEU諸国の投資家まで瀕死の重傷を負わせるまでになった。
報道に寄れば、サッカーの英国プレミアリーグは、30億ポンド(約5270億円)の巨額負債を抱えることになり、ビッククラブが破綻する可能性があるとしている。

そして、世界の経済研究機関の報告が如何に出鱈目であるか、別の見方をすれば国の政策などによってその実力が如何に歪められているかという事を端的に分かるものがある。
それは、SWISSの「世界経済フォーラム」が10月8日発表した2008年版「世界競争力報告」と言うものだろう。
それによれば、ランキングは1位米国、2位スイス、3位デンマーク、4位スウェーデン5位シンガポール、6位フィンランド、7位ドイツ、8位オランダ、9位日本。
これは、今年の4月までのデーターによるとしているが、既にサブプライムローンが春には明らかになっている時点、これだからあてにならないものだ。
そして、今や日本より上位の国に投資するという奇特な人はいないだろう。
確か、ドイツも銀行を国有化したものがあった筈。

さて、米国の株の値下がりは、売れるものは売って現金化しようとするために健全な日本株は売られた。どうせ買い戻しという事が起きるようだが金詰まりの信用収縮時はいつもそうだ。
そこで日本政府は、緊急経済対策として‥‥‥
「追加対策は、公明党が求めてきた定額減税のほか、〈1〉証券優遇税制拡充〈2〉企業の設備投資を促す減税〈3〉住宅ローン減税の延長・拡充――などが柱となる見通しだ。高速道路料金の引き下げや中小企業に対する債務保証枠の拡大なども検討する。」(読売新聞)と言うのが緊急対策のようだ。
しかし、ほとんど緊急的な景気対策には結びつかないのではないか。
従来型の景気対策しか思い浮かばない日本の現状すら知らない人達、官僚だから仕方がないとしてもお粗末すぎる。

まず、公明党の「定額減税」は、薄く広く金を配るもので、こんなものどこかに消えてしまうだろう。特に金を使わない、ものを買わない人達にとっては、毎日の生活で消えてしまう。
〈1〉証券優遇税制拡充 ‥‥といっても、あればよいが株が下がっているときには効果が薄い。
〈2〉企業の設備投資を促す減税‥‥景気が悪いときに設備投資する企業はない。
〈3〉住宅ローン減税の延長・拡充‥‥これは今までもやっていたこと、しかし、景気が悪くなれば住宅を買うなどという話はあるわけがない。
〈4〉高速道路料金の引き下げ‥‥高速道路を使わない人達には効果なし。
〈5〉中小企業に対する債務保証枠の拡大‥‥???

これを見ればよく分かるように、1-5に示す効果が有効になるにはある程度景気が上向いてきたからの話だ。
緊急に景気を上げて‥‥と言う場合には、全く無意味だ。
発想の転換が出来ないと言うのは、バブル崩壊後に景気循環の輪を切ってしまったのに、景気循環論にいつまでも固執した当時の経済企画庁と経済学者、評論家と同じだ。

景気対策というのは、なんと言っても緊急の「内需拡大」しかない。
なぜなら、米国が転けたら大消費国というのは日本しかないからだ。
実際のところ、日本のマスコミ経済人は、一様に日本は輸出国と言って「消費国」であることを無視している。
それは、「輸入国」であるという事も無視しているのであって、その立場はどう見ても日本人の感覚より、米国人経済学者の感覚に近いのではないかと思えるものである。
いつも言っている、鸚鵡(おうむ)経済学者のことなのだが‥‥

その内需拡大とは、消費減税でしかない。
特に高額なもの、住宅に対する消費税の減免や車を買うとき自動車取得税(物品税)、消費税の減免‥‥
その他家電でも金額の張るものは、減免する様なことをすれば消費は伸びるのではないか。米国でも、今度の改正で大統領、副大統領の出身州では、消費税(州税)を米国政府がもつとしているではないか。

ついでに言えば、道路特定財源の暫定税率ほ廃止すれば地方の人は助かるというものだ。しかし、無理だろうな‥‥
なぜなら、麻生政権というのは、福田内閣に続いて実は元の自民党政権に戻ったようなところがある政権だからだ。


日本利下げ圧力強まる・米国との金利差減少でより円高へ

2008-10-09 00:39:06 | 日本の経済議論
日本利下げ圧力強まる・米国との金利差減少でより円高へ

米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行など欧米6中央銀行は8日、0.5%の協調利下げをした。

結局、FRBは、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を現行の年2・0%から0・5%引き下げ、1・5%とした。
ECBもユーロ圏(15カ国)の主要政策金利である短期買いオペ金利を3・75%に0・5%引き下げた。
欧州は7月に0.25%上げて4.25%だったから、実質0.25%の利下げというものだった。
日銀の政策金利は0・5%と最低水準を更新中だったから下げなかったが、それでも0.5%というのは異常でしかあり得ない。
さて、ここで注目されるのは、米国との金利差が1.0%に縮まったと言うことだ。
米国との金利差は、最低2.0%以上日本が低く誘導するというのは、一種の秘密協定のような暗黙の了解で決まっていた。
その理由というのは、常に日本は米国に金を供給するというシステム作りである。
しかし、金利差が縮まるというのは、為替差損を考慮すれば米国への投資ほど危険なことになりかねない。
しかも、ここへ来ての円高は、多分農林中金7兆円(ファニーメイFNMA・フレディマックFHLMC)に対するの利子配当は吹っ飛んで、原価割れを起こしているに違いない。
米国株式を組み込んだファンドは当然暴落であるし、ここでは如何に早く米国市場から逃避するかと言うことが勝負の分かれ目だ。
そうであるならば、米国の株債権は売られ益々差損ともに円高が加速する。

良く新聞論調で、トヨタが1円円高になると何百億円損をするとかき立てるが、実はこれほど嘘はない。なぜなら、トヨタはいちいち米ドルを日本円両替しないからだ。
いちいち両替しているようなら、もっと円高になってもおかしくはない。
要は、円高を換算するとという欺瞞でしかない。
そして、実際の円ドルとして使う場合、先物というものを買ってリスクヘッジをしているのが常識というものだ。
ならばなぜ「円高」は悪というのだろうか。
簡単に言えば、その様に言う経済評論家、学者は、米国学オウム経済学者だからである。
はっきり言って、自分の頭で経済学を考えていない。
別の言い方をすれば、日本経済を米国経済の枠組として考える‥‥昔の帝国軍人の陸大・海大の応用の利かない秀才というヤツだ。

いずれ、この米国オウム経済学者は日銀に対して利下げを叫ぶようになるだろう。
なぜなら、金利差が減って、米国から資金が日本に環流するようになるからだ。

それにしても、日銀は何度も利上げの機会を逃してきた。
それも、日銀の不注意と優柔不断というものだ。
はっきり言えば、前例主義と前役職のやったことはそのままにという「馬鹿な事は進行」してはいまい。
日銀は、今にしてFRBの利下げを見て、今までやってきた事が間違いだったと気づかないのだろうか。
なぜなら、かっての日本ならゼロ金利政策だけでなく、量的緩和を幅広く進め、一時期は「金を借りると」儲かるという事態なったことがあった。
しかし、FRBは経済が悪化してやっと2.0%そして、更に利下げしたとしても1.5%で日本のゼロ金利政策は取っていない。
はっきり言って、日本のゼロ金利政策というものは失敗だったという事が証明されたようなものだ。
なぜなら、日本はゼロ金利政策、低金利を続けながらデブレは解消していないし、逆に流動資金を絞り上げ、デフレ進行を許したからである。
はっきり言って、「流動性の罠」に嵌っているのに、そう言われると金融の失敗を指摘されるものだから、日銀は逃げ回ってしらを切っていると言うもである。

景気後退・消費税増税遠のくが、増税詭弁まかり通る

2008-10-07 18:54:38 | 日本の経済議論

米国の株安を受けて、当然のことのように日本の株は連動して下がった。
しかし、日本の銀行はドイツなどEU諸国の政府による預金全面保護、金融不安をよそに米国の金融機関を買収する‥‥と言うことを欧州のマスコミが評価した。
そのためかどうか知らないが、何とか最終で10000円割れはなかったようだ。
日本の金融機関は、投資銀行を傘下に入れる様なことになり、Caesarが言った「Rubicon川を渡った」と発言したらしい。
投資銀行というのは、自己資金を持たずに他から金を借りてきて、それを上手く投資して利ざやを稼ぐという「博打打ち」のようなものだ。
しかも現状での投資銀行のビジネスモデルは実のところ、日本の低金利に寄っているという馬鹿な事がある。
だから、一端日本が利上げに転じた途端に金が廻らなくなり、資金が干上がってしまうという事もあり得ると言うわけだ。よくよく見てみれば、米国というのは物は生産していなくて、米ドルという紙幣を生産しているところなのである。

日経新聞NETアイ「プロの視点」2008/10/6)清水 真人 編集委員に「麻生太郎と小沢一郎の『ヤバい経済学』」と称して1997年橋本内閣で消費税が3%から5%に増税したとき事が書かれている。
ここで、「計9兆円の増収を見込んで、結果は前年度比で4兆円減だった。差し引き13兆円も読み間違えた。予想屋としては最悪。あれから学習しないのは愚かだ」という麻生首相のことを批判している。
この年、「秋が深まると三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などがよもやの連鎖的な経営破たんに見舞われ、日本経済は奈落の底へ落ちていった。」と書かれているとおり、日本経済は失速して二段底に落ち込んだ年だった。
いずれにせよ、散々公共事業によって金を注ぎ込み、上向きかけた景気を消費税導入が先折れさせ、夏場のボーナス商戦でさえ閑古鳥の鳴く状態だったのは誰も否定しないだろう。
結局電気屋などは、値下がりを予測して消費税増税分の値引きで対応した。

この時、この様な景気の先折れを予測していたのは、マスコミ関係では「竹村健一氏が米国での過去の事例を引いて警告した」のみだった。
多分、日経新聞など今消費税増税賛成にまわっているように、当時も賛成だったはず。

そして、「プロの視点」での論点は、「97年度の一般会計税収は決算ベースで前年度より約1兆9000億円増えている。」として、麻生首相の発言を問題発言としている。
・俗に言う「9兆円の負担増」‥‥「税制では消費税率アップで5.2兆円、減税廃止で2.0兆円の増収を想定した。年金、医療の保険料引き上げが0.6兆円、病院の窓口での患者負担増も0.8兆円あり、国民負担増の合計は8.6兆円となっていた。」
そして、ここからが詭弁なのだが、政府は「前年度当初比で見込んだ増収額は約6兆5000億円」という。
普通、増税するとそれに見合う節税効果があるので減収になるからなのだが、減収になると思われるのは消費税値上げ分のみであって、確実に3.7兆円の増は間違いないだろう。
なぜなら、減税廃止は確実に2.0兆円であるし、その他の保険料引き上げなども節税効果はあるはずがない。
そうであるならば、最低でも確実に1兆8000億円は減っている。
そして、消費税分の予測としての5兆2000億円はどこへ行ったというものだろう。

「プロの視点」では、「『4兆円の減収』に似た数字を探せば、この97年度の当初見積もりと決算を比べた落ち込みしかない。正確に言えば『前年度当初予算比では6.5兆円増と見積もったが、前年度決算比では1.9兆円の増収にとどまった。97年度の当初と決算を見比べると3.9兆円の読み違いがあった』となる。」と白状するのだが、それでは引っ込んでいない。
そして‥‥
「『4兆円の減収』も『13兆円の読み違い』もなかった。税収が予想をかなり下回ったのは確かだが、前年度に比べれば増えており、増税したのに減収になったわけではない。麻生は総裁選中から討論会などでこの『13兆円』説を繰り返し披露していた。他の総裁候補の1人は『明らかな事実誤認と見て、突っ込もうかとも思ったが……』と言葉を濁す。」

これを詭弁と言わずして何というのかと言うものだ。
なぜなら、景気は上向いて成長が見込まれるから消費税を上げても景気の先折れ、失速は起きないとして値上げしているのであって、「景気の先折れ、二段底」になると分かって増税するバカはいない。
だから、最低でも6.5兆円増と見積もったものが、本来のものではないか。
景気が先折れして、二段底になっても、前年度決算比では1.9兆円の増収だから、増税は間違っていないと言わんばかりなのである。
実際は、大幅増税したのに景気、消費が落ち込み、お陰で企業倒産、企業業績が悪くなって税収が伸びなかったという大失敗の増税例だろう。
それだけでなく、景気が上向いて何とか立ち直りかけていた三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などが息切れして、国民は大損をした。
当然、小生のその一人なのだが、その後金融機関に資金注入という税金を投入せざる終えなくなり、赤字国債の山を高くしたのは間違いない事実だ。

結局、この日経新聞の記事論調に寄れば、金がないから増税、消費税値上げ‥‥といって、大増税したら景気が悪くなって税収が伸びなかったとしても増税によって税収が増えたから正しいと言うのだろう。
しかし、それによって企業倒産や失業者が溢れ、国内が混乱しても「我関せず」なのではないか。
なぜなら、それを実行した財務省官僚や大新聞である日経の論説委員氏などは、倒産もなければ、給料の減額もない。
余生は、天下りか、子会社で‥と言うのが落ちだろう。
考えてみれば、バブル潰しに奔走した当時の大蔵省銀行局長は順調に天下りし、橋本龍太郎大蔵大臣は、なんと総理大臣になってバブル経済の二段底を作った。

結局、そんなことをやる連中というのは、自分がした事によってどのようなことが起きようと責任も取らず、のうのうと暮らす連中だと言う事だ。
しかし、これでは民主主義ではないだろう。


金融不安が迫る・戦略なき日本政治の憂鬱

2008-10-06 12:49:24 | 日本の経済議論


戦略なき日本政治の憂鬱

今日は、朝から選挙の宣伝カーがうるさい。それも8時から少しの間。
なぜなら、文教地区でそれ以降になると小学校やら、役所がはじまるからだ。
日本はバブル崩壊以降どう考えても知識人と言われる指導者、学者、官僚、政治家が呆然自若して、何も考えられなくなった様に思う。
はっきり言えば土地の所有者は悪い、土地の値上がりするのは悪い、そしてどんなに土地が下がろうとも日本経済には良いことはあるとしても、何の影響もない。土地所有は悪だ。‥‥と言うような事を当時の建設省外郭団体の建設経済研究所・常務理事、長谷川某氏は言い放った。
その上、NHKが2-3時間の特番をやりこの長谷川某氏も出演して、土地取引をどうしたら止めさせるかと言う議論になった。
結局、当時の大蔵大臣橋本氏に進言した銀行局長の「総量規制(通達)」に、橋本大臣は驚喜したと言うのだから今から考えればおぞましいことだろう。
結果は、現在の失われた‥‥‥年の見ての通りだが、当時の意見を見てみると「社会主義国日本」という構図がはっきり見えてくる。
「失われた10年」というのは、ソ連崩壊と共に日本の指導者たる政治家、官僚の「知的崩壊」を意味する。
あたかも、旧帝国陸海軍が戦局が思わしくなくなって「呆然自若」したのに「うり二つ」だった。 彼らの特徴というのは、学校で教わったこと以外何も出来ない、応用できないという学校秀才の典型ではないか。
こと経済に関しては、オウム経済学者といって米国経済丸写し、評論するときも米国経済学者の論文を丸写し。
実際こういう連中が未だに日本の国の経済政策を握っているとなると、結局日本は米国に金を貢ぐだけ貢いで、経済破綻と言うことになりかねない。
今日銀は、国際通貨としての米ドルを守るという意味合いで大方20兆円も米国につぎ込んでいる。
その金というものは、別に日銀が持っているというものではなく、日本国民が持つ金というものだ。
バブル前夜には、国際通貨として日本円もという視野があったが、これは米国に潰される結果に終わった。
本来国際通貨は、一番栄えた国のものが用いられた。
戦前、戦後の国際通貨としてポンドからドルに代わったように本来日本円も国際通貨として通用するはずだったのだが、米ドルに対して安いまま。
だから、今やまともな国際通貨はユーロだけになってしまった。

日本の戦略というのは、本来米国に経済も軍事を余り依存せず独自の経済圏などを作って行くことではないだろうか。
そして、消費国としての米国が脱落、北京オリンピック後の中国の不都合な現実による不況、ロシアのグルジア侵攻によって生じさせられられた経済不安。
どう考えても米国一辺倒では日本は危ういとしか思えない。
しかし、小沢民主党代表のように国連中心主義とは、戦後の発展途上国日本の思想から抜けていないと言うことを露呈するものだ。
よくよく見てみれば、国連軍が組織されたのは朝鮮戦争の時だけであり、今の国連常任理事国共産中国は義勇軍と称して国連軍と戦った。
その後、湾岸戦争、イラク戦争など国連での宣言はあったかもしれないが国連軍は組織されていない。
しかも、ロシアのグルジア侵攻に経っては、国連非難決議さえも拒否権の発動で出来ない始末である。
歴史を紐解いてみれば、国際連盟の常任理事国だった日本が満州事変を起こし、その後国際連盟を脱退したことを投影すれば、国連はロシアを国際連合から脱退する事すらさせられないという機能不全だ。(国連事務次長職は、ロシアの指定席)
これで、なにが国連中心主義だというのか、憲法の前文に毒されていると言うのがそうだろう。

経済に関して言えば、米国より低金利にして強制的に米国に金をつぎ込ませるのはよしたらよいのではないかと言うことだ。
その米国に金を注ぎ込んでいるお陰で、米国経済の変動で日本の株価、金融不安が動いてしまう。株価などは米国から独立して日本経済ほ反映させない限り明日はないだろう。
しかも、その変動させている金の大本は日本からの資金であると言うことになれば、日本というのは余程自虐趣味が好きな国と言う事になるのではないか。


米国不良債権を日本に買わせる・日本大不況の瀬戸際

2008-10-03 16:03:17 | 日本の経済議論

米国不良債権を日本に買わせる・日本大不況

2008年10月3日東京株式市場は売りが先行し、日経平均株価は1万1000円前後でもみ合う展開が続いている。
相も変わらず、日本の景気に関係なく米国の株式市場に連動して株価が動くというのは阻止しなければならないと言い続けてきた。
しかし、即日で供給する緊急の公開市場操作(Open Market Operation)を見るといささか心配しなければならない。
なぜなら、日銀は今まで約20兆円ほども米ドルを供給したからだ。
要するに、「買いオペレーション」だ。
これが何を意味しているかと言えば、米国債やそれに相当する米国債権を金融機関から買い上げて現金化していると言うことである。
だから、当然円安になるとしても、その債権はどうするのだというものだ。
確か、米ドルと日本円を直接交換するという異例の事もやったはず。
日本ではそんなときにゼロ金利にしてその上、資金供給したではなかったか。
米国では、2.0%の公定歩合をぴくりとも動かしていない。
いつも思うようだが、米国より未だマシな景気の日本が、未だに0.5%という公定歩合を保っているのは、何か別の意図があると思うのは確かだろう。

はっきり言って、日銀は膨大な米国への債権を抱え込んだ。
その空手形のような債権とて所詮精算されなければならない。その付けは必ず国民に跳ね返る。
米国というのは、物作りに負けて金融で金を回す国になった。しかもその金は単に紙幣をするだけという信用取引だというものだ。
その信用がなくなれば、米国紙幣などただの紙切れだが、その信用を支えているのが債権という借金である。
借金である以上返すのが当たり前だが、金利が高いと言う理由で日本から膨大なカネが流れるというのが構図になっている。
それで、日本からカネが消えて、貸し渋りが増え上場企業の不動産会社が毎月のように倒産する。それどころか、建設関連、製造業など引きも切らない。
それは、銀行が延命措置を止めたというもあるが、貸し出せないという方が多い。
これは何かに似ていないか、そうバブル崩壊の時の貸し渋りにそっくりなのである。
低金利時代の貸し渋りというのは、本当に悪夢というものだろう。
なぜなら、借りなければ悪夢、借りても悪夢だからだ。
高金利時代というのは、インフレであり高金利で借りでも実は低金利だった。
しかし、低金利時代というのは、デフレで当然金利そのままがのし掛かると言うより、デフレで実質より高い金利負担となるからだ。
本来、日本はデフレ対様として超低金利を維持して、貸し渋り対策をしてきた筈だ。
読売新聞2008/10/03社説日銀短観 日本経済を覆う「内憂外患」には、「景気が悪いと融資判断は弱気になる。金融機関の貸し出し態度の厳しさを示す指数は、中小企業で4年ぶりにマイナスになった。」
「日銀による金融市場への大量の資金供給など、信用不安を和らげる措置を当面続けねばならない。資金繰りに苦しむ中小企業を助ける融資枠の拡大など、総合経済対策の早期実施も欠かせない。」と書かれている。
しかし、「景気が悪い」理由に円安による物価上昇が抑えられないとは書いていないし、日銀は低金利でいながら資金を絞ってきたのが真実だ。
要するに、日銀はアクセルとブレーキを一緒に踏んでいるのである。
そして、その共通項は市場の資金供給を減らすインフレ対策というものだ。

そして、今現在の銀行は、「三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの「3メガバンク」グループが、米国発の金融危機という逆風下にもかかわらず、しっかりした値動きを続けている。」とあるように、日本に投資せず外国に投資すると言う事をしている。
外国に金を持ち出せば、新BIS規制によって国内融資は抑えざる終えず、貸し渋りが起きているというのは以前から言われていることである。

結局、金融に関してはわざと低金利にして、国内産業を潰してまで米国に金を貢ぐという構図に行き着く。
日本を再生する時間は一刻一刻と遠ざかっているとしか思わざる終えない。