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書道家Syuunの忘れ物

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無責任体制の政治・「円高」加速予想の妙なシナリオ

2008-12-22 21:35:04 | 日本の経済議論
無責任体制の政治・「円高」加速予想の妙なシナリオ

近年、自動車関連の派遣社員、期間従業員の雇用危機が報道されている。
その他で言えばキャノンとか最近主力工場を日本に移したような企業などもある。
確かに、キャノンなどのデジカメ製品は日本製かと言うと、ほとんどが海外製。
小生が11月の値上がりと性能の低下を見越して買った、スズキのスクーター(アドレスV125G)は完全に台湾製。
富士フイルムなどは、日本にほとんど工場を持たないからデジカメなどは中国製。
こう考えてみると、日本で作っているものというのは相当付加価値の高いものしかない様な気がする。
はっきり言って、最近身近なもので国産品を見ることも少なくなった。そうえば、昨年買ったオーストリアメーカーのスキーは中国製だった。
そして、この年末になって税金も何も安くならないから、車を新車に買い換えようなとどいう人はほとんどいない。
増税は迫っているし、それに連れての大不況の波が見えているようなものだ。
まして、政府が住宅ローン減税の拡充を景気対策の一つに取り上げるとしても、ローンを楽々かけられる人は公務員か安定した大企業の従業員しかいない雰囲気だ。
その上、10年かけて無駄な支出を絞ってきた政府予算は従来型のばらまきで、「Too Little Too Late」、逐次投入の戦法だから国民としてはうんざりというものだ。

さて、最近妙に感じているのはトヨタにしろ日産にしろ車関係のリストラが早すぎないかと言うこと。
そして、国内で作っている車というのは、ほとんど国内で消費されるものの筈なのだが、国内で売れないと言うのなら、もっと早くに対処していたはず。
国内分を海外へ‥‥と言うのも実は余り聞かない話だ。‥‥報道されない間かもしれないが。
一方、米国やヨーロッパその他のトヨタ、日産の工場のリストラという話は報道されていない。米国でのリストラの話は金融関係だったり、特殊な工場だったりだ。
そして、カナダに工場建設をしようとしていた会社は、工場の増設を中止したのかどうか忘れたが、確かリストラはしないらしかった。
車関係と言えば、ビックスリーの従業員のリストラの強要の話ぐらいだ。
もし、米国など又は、海外の自動車工場のリストラをしなかったとしたら、日本の工場のリストラは妙であり、早すぎる。
米国は、日本と違って預金、貯金をしない国であるから金利が下がれば直ぐに経済にプラスに聞いてくるかもしれない。その上、米ドル札は際限もなく増刷となれば、確実にインフレになる。
国が大借金をしたらインフレにするというのは、手っ取り早い返済方法であることは昔からの常識だ。
そうすれば直ぐに借金が価値のないものになる。その上預金者も少ないから被害を被ることもない。
結果は、「円高」として現れ際限もなくなり高止まりになる。当然その狙いもあって、日本が米国に注ぎ込んでいる米ドルというものが、限りなくゼロに近づくと言う事になる。
だから、あの農林中金が注ぎ込んでいる7兆円は、単に7円に近づくと言う事だ。
一方、中国の元は米ドルにリンクしていた筈なので、米ドルと共に下がり中国から米国へいつも通りの価格で流れる。それで、実際の消費物価は大して上がらないかもしれない。
これが、日本パッシングの米国民主党の基本だとすれば多いにあり得る。
かって、円安にすれば日本の景気が良くなると米国、日本の経済人は大合唱だった。
ところが、過度の円安になっても別に景気が上がったわけではなかった。
ここ数年の景気の上昇は中国のオリンピック景気だったり、米国の金融バブルだった。

デブレが続いている日本では、今後益々「円高」になるのは間違いないことである。
これには異論はあるまい。その時、トヨタ、日産、ホンダなどどうするのだろうか。
間違いなく、海外生産した車を日本に持ち込むはずだ。
もしそうであれば、日本で作られている車などは邪魔者に過ぎないと言う事だろう。
但し、問題はその時の国民に車を買う予定があるかと言うことだ。
何と言っても消費税10%、益々膨れあがる税金だ。
福祉国家の条件は、政府が国民に信頼されていることという。
相続税の値上げと共に親から子へ所得の移動が出来ない世の中になれば、本当に日本は崩壊する。かっての共産圏の様にである。
そして、その責任は誰も取らない無責任体制というのはどうしたことか。
なぜなら、再三言うようにバブル潰しの責任、失われた10年を創出させた責任は誰も取っていないし、責任逃れでNHKですら検証をしていない。

正に暗澹たる気持ちは続くのである。

日銀政策金利を年0.3%から0.1%に利下げ、日本再び沈没

2008-12-19 23:08:07 | 日本の経済議論
日銀政策金利を年0.3%から0.1%に利下げ

………日本再び沈没


「日銀は19日の金融政策決定会合で、政策金利を年0.3%から0.1%に引き下げることを決め、即日実施した。(日経2008年12月19日)」
日銀が19日米国の利下げを受けて、案の定0.1%に利下げした。米国追従の日本政府だから、来年早々にはゼロ金利政策に逆戻りだろう。
それで、ゼロ金利政策で何が得られるのか、どういう目的なのか聞いて見たい。
なぜなら、ゼロ金利、低金利政策の「負の拡大」というのが大きくなっているのに、一切考慮していないと言うことになるからだ。
金融バブルの時、政府は「貯蓄から投資へ」と推進した。
そして、ゼロ金利、低金利政策で日本の貯蓄という金融市場を無価値にして、益々促進。
その思惑に乗った人達は、この金融バブル崩壊で投資した資産の半分を失ったと言うものだ。
投資環境が悪化すれば、経済評論家諸氏は一転して「老後の貯蓄へ」と方向転換する。
2008/12/19の読売新聞の荻原博子氏の論評でも、「気を落ち着けて貯蓄を」という始末だ。
ところが、いざ貯蓄となってみると「0.1%に利下げ」。
これでは定期預金はまたまたゼロコンマ以下の利息ということになる。
これでは、投資はダメ、貯蓄もゼロ金利同然となれば、どうすればよいのだと言うものだ。
日経ネットプラスで 熊野英生(第一生命経済研究所主席エコノミスト)氏は、
「今回の0.2%の利下げによって、家計の金利収入は年5000億円減ると推計している。一方、大きな負債項目である住宅ローンの負担減は同3000億円程度だ。」
と利下げによって、市中の金が減りデフレがより進行するということを暗に暗示している。

日銀は、ゼロ金利政策を行っても景気はあがらなかったということをもう忘れてしまったのであろうか。
一方、円高を押さえるために、日本は利下げをして日本の金融市場を再び魅力的でないものにして、「円売りドル買い」をさせようとしているように見える。
しかし、米国が一方的にドル札を増刷して米国の企業を救済するのであるから、必然的にドルが下がるというのは押さえようがない。
熊野氏は「日米金利差の縮小を考えると海外から日本にマネーが流れる動きは止めづらい。」と円高を止める要因はないとしている。

トヨタが赤字だとしているも円高による差損は、日本円に換算すればのことで換算しなければ差損など関係ない。為替差損を入れて「赤字」とすれば実は法人税を払わなくて良い。
その上、その損は繰り延べか効くから結構税金を払わない時期が長引くわけだ。

日本の経済失敗に学ばない米国FRBゼロ金利政策

2008-12-17 20:06:29 | 日本の経済議論

日本の経済失敗に学ばない米国FRBゼロ金利政策

  「米連邦準備理事会(FRB)は16日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現在の年1.0%から大幅に引き下げ、年0.0―0.25%にすることを全会一致で決定、即日実施した。(日経新聞)」

これは、米FRBが事実上のゼロ金利に移行したという報道なのだが、ゼロ金利政策で上手く行くのかという疑問は抱かなかったのだろうか。
その良い例が日本の低金利政策によるデフレ不況であることは間違いないが、低金利による弊害は日本でも不思議と無視する傾向にある。
正確には、弊害を無視するのではなく「見ないようにする」という欺瞞の限りなのだが、指摘する人はごくわずかだ。
今回、米国のゼロ金利政策というのは実際どのような効果があるのか多分不透明だ。
文藝春秋2009年1月号に「【緊急提言】2009 逆転の日本興国論 /宮崎哲弥編」と言うのがあった。この中で、‥「投資よりも貯蓄」が老後を救う‥というものがある。
金融バブルの時は、政府は米国の「日本は貯蓄しすぎる」との指摘を受けて「貯蓄よりも投資」を推進した。その言葉に載って「投資」に乗った国民はこの「リーマンショック」によって、投資資金は少なくとも半分になった。
その文藝春秋中で、小宮氏は「貯蓄」と言ってもゼロ金利に近い政策は問題としている。
要するに、今の日本は老後の資金として「貯金・預金」を持っているお年寄りにも厳しいと言うものだ。
ならば、「働かざる者食うべからず」なのか‥‥そんな働き場所などある筈がないのは今の不況。
そして、デフレ不況が継続してきた本当の理由というのは、自らの政策も自身で決められないという日本の政治の欠陥だ。
一方、米国は投資会社の元役員などが米国政府の要人になって「米国の企業に」都合の良いことを推進させたりする。
正に日本から金を吸い上げるホースの役目をしたのが日本政府、金融当局である。
それで、米国が転けたらあたふたとして何も政策が打てないと言うていたらくだ。

日本がやった低金利政策を米国がそのまま行おうとする感覚というものは、やはり日本経済を推進した人達というのは米国経済の「感覚」だったことが改めてよく分かる。
そして、米国の株価は反発したようだが、日本円への影響は「円高」と言う方向へ移行した。
米国が紙幣を際限もなく発行し、低金利政策を続けるのなら米ドルが基軸通貨としての価値を放棄したと言って間違いない。
より円高になれば、米国に投資している農林中金の7兆円(ファニーメイFNMA・フレディマックFHLMC)は、利子どころではなく確実にゼロの方へ近づく。
早い話、米国FRBゼロ金利政策は新たな信用不安を引き起こす事は間違いない。

さて、ここのところ強気のフランスのサルコジ大統領なのだが、この大不況に対しては、新車を買うには約12万円の補助金を出し、しかもローンはゼロ金利だという。
ところが日本ではどうだ。
あれだけ自動車産業の期間労働者や派遣社員が雇用先を失っているのに、「車を売れるようにしたか?」などとは全く聞こえない。
第一、日本では車は贅沢品で、新車を買えば車両重量税やら取得税やらがかかる上に継続車検は、2年おきで車両重量税を取る。
これで、日本で新車に代えようとは誰も思わない。
もし、日本でも10年を超えるような車は安く買い換えるようにしたら、国内需要が増して、自動車産業の期間工やら派遣社員が呼び戻されるかもしれない。
万が一そうなったら効果のない、要らぬばらまき?景気対策など不要というものだ。
しかし、そんな資本主義国並みの政策など日本社会主義国はするはずはない。

車にも乗らない中央官庁のお役人という政策担当者氏は、今もタクーチケットを貰って通勤しているのだろうか。
もっとも、タクーチケットで帰るという人物は下っ端で、上のお役人は官舎が近いから歩いて帰ると言うものかもしれない。


政治感覚が欠如した経済対策の愚作

2008-12-13 23:59:13 | 日本の経済議論
政治感覚が欠如した経済対策の愚作

「与党税制大綱 減税だけで不安は消えぬ(12月13日付・読売社説)」と社説で述べている新聞は多いが、直感的に見て何を減税するのか国民にアピールする要素が欠落している。
過去最大の住宅ローン減税といっても、そもそもローンが組めない人や住宅を買う予定のない人達には関係がない。人口が減り、一人っ子が多くなれば核家族化しために、両親の家住んでいた家が子供のものになる。
その一人っ子同士が結婚すれば、一つの家が不要になるはず。
要するに、時代が経るごとに家が余る。それで住宅を買わせるのかといっても限界がある。
少なくとも、今現在の雇用不安の中では「過去最大の住宅ローン減税」の恩恵を被るのは、大企業の従業員か公務員くらいしかない。
だから、今年9月以降地方のマンション売れ行きはバッタリと止まってしまった。
なぜなら、雇用不安と不況の深刻さというのは東京より地方の方が大きいからだ。
はっきり言って、未だに「住宅ローン減税」で土地建物を買ってくれると思っている、不動産神話など古くさいものだ。
何と言っても、「住宅ローン減税」というのは、中身の間違いがあるにせよ長年続いた制度だから、あるのが当然と思っているのが心理である。
そして、減税されたからその分消費が拡大するなどと言うことはあり得ない。

ハイブリッド車の減税措置も今までやられてきた。そして、自動車重量税と取得税はゼロになるといっても元が高価だし地方の山間部で有効であるとは限らない。
特に降雪地域で、ハイブリッド車などは大型高級車しか役に立ちまい。
だから、実際地方で実際必要とする車というのは少しも安くならないと言うものだ。
所詮ハイブリッド車というのは、都市部の人間の乗り物。‥‥とはいうものの東京などでは車など必要ない。
今、地方に住んでいる住民は、一家に家族分車が必要であって、今や10年を越えて車に乗り続けている。
車の性能が良くなったばかりでなく、新車購入に経費が掛かりすぎるからだ。その上、未だに継続車検は2年ごと。

その上、近い将来消費税値上げなら、その直前に車を買い換えるという考えも。
その時は日本経済が崩壊するときであるかも知れない。

なぜなら、今の与党税制大綱は景気対策ではなく、単なる社会主義思想による砂に水を撒くような「公共福祉」にすぎないからだ。
そして、国民には複雑すぎない、説明しすぎない、単純な「景気対策メッセージ」が必要だろう。
一口で言えない減税など、単なる「逐次投入」の第一歩でしかないというのは自明の理だろう。

ソニー大量リストラ・技術軽視、ソフト重視のツケ

2008-12-11 19:24:06 | 日本の経済議論

ソニー大量リストラ・技術軽視、ソフト重視のツケ

2008年12月11日の新聞各紙社説では、産経新聞「ソニー人員削減 雇用安定に官民で知恵を」、毎日新聞「社説:ソニー大リストラ 雇用への北風が吹きすさぶ」、朝日新聞「ソニー人員削減―日本型経営の意地見せよ」とソニーの「世界全体で1万6000人削減する大規模なリストラ策」に対して懸念を示している。
そうは言うものの、ソニーは随分前から技術革新を軽視して、ソフト路線。すなわち、金融方面にシフトしたのではなかったか。その時にソニー銀行やらファイナンス、生保損保などの保険事業に参入したのではなかったろうか。
そして、創業者の井深大、盛田昭夫氏が亡くなると共に技術軽視と新しい技術、革新製品と言うものが生まれなくなった気がする。
なぜかと言えば、社長が技術者ではなくて「音楽家」になったからではないだろうか。
少なくとも、盛田昭夫氏が健在なときはハードとソフトの両面をもって最良だったように思える。
しかし、大賀典雄社長になった頃からどう見てもおかしい。
続いて、社長になった出井伸之社長(CEO)も経済学部出身で技術屋ではない。
そして驚くことに、ハワード・ストリンガーCEOも技術屋ではなくてTV映像屋だったりする。
この様に、SONYはここ10年技術軽視の傾向が強くなって、パソコンのVAIOは元々台湾のOEM。液晶は後れを取ってSamsonの液晶を導入し、オマケにSamsonにソニーの技術を横取りされる始末(?)
パソコンを作っていないから、アップルiPODでマックに後れを取り、今ソニーにどんな新技術があるのか?
又ヒット商品も何であるのか、さっぱり聞こえてこない。
最近読んだ週刊誌には、そのソニーの技術軽視体質による基礎研究の廃止が取りざたされていた。その研究の担当者は、スタッフも何も取り上げられて単なる窓際に置かれたというのであった。
こういう、本来の最新技術のソニーからの営業重視の体質になってしまったソニーには、生き残る道は少ないのではないか。
そして、パソコン関係ではSONY製というのは、低性能の象徴だった。
VAIOは、インプレスなどに提灯記事を載せて、販売戦略重視で売りまくるものの、設計の未熟さから熱暴走などでクレーム殺到だった。
かって、DVDのピックアップがサンヨー製からSONYになった途端、書込品質が落ちたことがあった。(最近は克服されているが)
いずれにせよ、ソニードライブの古いものは使い物にならなかった。
そして、最近は敢えてソニー製の商品を買わなければならないという事もなくなった。
今やパソコンのVAIOなど持っていれば恥さらしだし、他にどんなものがあるのか‥‥
但し、コニカミノルタから買ったデジタル一眼レフ事業は、SONYではないから結構良いものを作るし、ユーザーでもある。
この点から言えば、SONYが危なくなってデジタル一眼レフ事業から撤退して貰っては困ると言うのが偽りざる心境である。


自らの官製不況と悟らぬ無能な経済政策で沈没する日本

2008-12-04 23:38:04 | 日本の経済議論
自らの官製不況と悟らぬ無能な経済政策で沈没する日本

 失われた10年の実験で失敗した経済政策堅持の日本社会主義

昨今の新聞を見ると、「09年1月までに1500人の派遣労働者を削減する(日産自動車)」、「キヤノンと東芝が、九州の工場の派遣・期間従業員など計約1600人を削減することが4日、分かった。」‥‥カメラを生産する子会社の大分キヤノン。‥‥プリンター用カートリッジを生産する大分キヤノンマテリアル‥‥「東芝も、液晶テレビ向けなどの半導体を生産する大分工場(大分市)と北九州工場(北九州市小倉北区)で、来年3月末までに派遣社員と期間従業員計約480人を削減する。」
「電機業界では、シャープが年内にも福山工場(広島県福山市)で約300人、三洋電機も来年3月までに半導体レーザーを製造する事業部(鳥取市)の派遣社員約100人の削減を予定している。」(毎日新聞)
というふうに、自動車産業だけでなく今や耐久物資や素材産業にまで及んでいる。
この様になって今日本政府は何をやっているだろうか。
見て見てれば、道路特定財源は維持すると単なる不必要な公共事業に邁進しそうである。しかし、公共事業による景気対策は「失われた10年の実験」で散々試してみて上手く行かなかった手法ではなかったか。
しかも、作って経済的効果が見込まれる公共事業というのは粗方やってしまって、何年か前には公共事業で直す道路も施設もなくなってしまった。
一時期流行った「箱物行政」は「私の仕事館」を見てみれば赤字の垂れ流し、無駄遣いの典型例になった。

雑誌、新聞などの経済評論を見てみると、ついこの間まで「ゼロ金利政策」へというのがある程度オンパレードだった。
その理由は、日本経済に対して投資対象にしないように、魅力のない投資先にして国外から海外へ金を流出させ、又日本円を売らせて円安にするという理由だった。
なぜなら、円安ならば輸出が伸びる、円ドル換算による名目上の売り上げが伸びるというものだった。
ところが、米国経済の回復が長引くと共に、世界経済が萎縮し投げ売りしようとしても「売れない」ということになれば、「円安」は無意味であるだけでなく「害毒」だ。
それなら、いっそのこと「円高誘導」して、日本国内に安い輸入品を導入すれば、金が無くて困っている、「デフレ状態」の日本を救うと考えないのだろうか。
その方法は、単に少し「高金利にする」というだけである。
米国より多少高くなれば、資金は一挙に日本に流れ込み、又多少の利子という「金の流れ」が国内を潤す。
はっきり言って、「失われた10年の実験で失敗した経済政策」の逆をやるというものだ。一般人の常識は、ある手法で失敗したらその逆をやるというものだ。
ところが、経済人、自称経済専門家というマスコミ、評論家は一斉に反対するだろう。
しかし、彼らが推進してきたことで経済が上向かないのであれば、その「説」は間違いであると言うことではないか。
逆に言えば、「責任を取れ」なのである。
しかし、昭和期以降の政治家で責任を取ったのは、岸元首相ぐらいなもので、戦前の帝国陸海軍の指導者、又官僚で責任を取った人物は知らない。
卑近な事例なら、バブル崩壊を主導した人達のだれ一人責任を取っていない。

しかも、リーマンショック以前において、日本では官製不況という従来の行政改革による官僚権限の削減に対する反撃が起きた。
国民の代表者ではない官僚による支配から離れで、民間で出できることは民間にとの、自由化、自己責任に移行する最中、些細な事象から強大な「規制」を発動して新たな権限を拡大した。
それの代表が、例の「確認申請厳格化」であり、建築基準法、建築士法などの改正である。耐震偽装は重大事件‥‥とは言うものの、あらゆる建築士が全て行っているものではない。ことは、個別の案件として処罰すればよいのであって、事実ヒューザー他建築会社、設計事務所などは破産の上、資格を没収された。
ところが、そのほんの一部の人達が行った事に対して、全体責任を課して規制という権限を回復したのが「確認申請厳格化」であり、その結果起きた官製不況である。

そして、ここに来て多分又「官製不況」、「労働者派遣法」による官製不況が起きてくることは間違いない。
なぜなら、労働問題として有名な「2009年問題」があるからである。
‥‥「労働者派遣法」(平成16年3月1日)により契約期限は3年間と定められているため、2006年に派遣契約を結んだ労働者は2009年で契約満了となる。‥‥
ここで、問題なのは「 自動車関連メーカーをはじめとする製造業は06年3月以降、雇用契約を請負から派遣へと切り替えた。」
それは、キャノンの以下のような事柄からも良く分かる。

「3年を超えて働いてもらいたければ、派遣先企業は、正社員として採用する必要があり、キャノンは、一般業務で働く派遣社員を、3年を超えながら、なおも派遣労働者として使い続けたとして、行政指導を受けた経緯があった。(2005年12月)」
そして、実は「労働者派遣法により、3年間の契約満了後、3か月は同じ労働者を受け入れられない。裏を返せば、3か月と1日経過していれば、継続して派遣契約を結んでもいい、となる。この3か月は『クーリング期間』と呼ばれ、同期間を経て再度契約を結ぶということも行われていた。」
ところが、2008年9月26日厚生労働省はこれを違法だとする通達を出した。
「いわゆる「2009 年問題」への対応について(厚生労働省職業安定局長)」
職発第0 9 2 6 0 0 1 号
‥‥‥「また、継続して労働者派遣の役務の提供を受けているかどうかについては、労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、提供を受けていた労働者派遣の終了と新たな労働者派遣の開始の間の期間(以下「クーリング期間」という。)が3か月を超えているかどうかによって判断しているところであるが、単に3か月を超える期間が経過すれば、
新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは、労働者派遣法の
趣旨に反するものであること。」
「なお、本取扱いにより、直接雇用への切替えによる対応が違法な労働者供給事業と
して判断される場合には、その期間が3 か月を超えている場合でも、当該期間が違法
であることから、クーリング期間が適正に3か月を超えているとは判断できないこと。」

結局、これで派遣労働者は合法的にゼロになるわけだ。

今の日本政府のやることは、全て裏目裏目に出る。
それはなぜなのかといえば、社会主義政策だからだ。
以前から言われているように、日本は資本主義社会、消費社会という現状に社会主義手法を適用させようとしている。
それが失敗だったのは、先ほど述べた「失われた10年の実験」で経済が回復しなかったことで証明されている。
そして、日本はサブプライム問題では軽微だったと法螺を吹いたものの、実は単に不況で何もしていなかったにすぎなかったのは、輸出が転けて惨状呈した現状を見れば明らかだ。

素人の博打のババを引かされた日本経済の憂鬱

2008-11-28 23:42:17 | 日本の経済議論

素人の博打のババを引かされた日本経済の憂鬱


産経新聞は、農林中金の平成20年9月中間決算で「保有有価証券の含み損が3月末の4306億円から1兆5737億円へと拡大。」と報じている。
思えば、昨年「証券化商品への投資残高を7兆円まで拡大」と広言していたとブログ
「低金利。日本金融機関・米国への資金提供の入れ込(2008.7.20)」
で既にエントリーしている。
プログでは触れいてないが、実はサブプライム問題が顕在化して「割安になった証券化商品を買いあさった(読売新聞)」。それも為替リスクを無視してのことだったはず。
又、その後の後追いブログ
「3000億円増資報道・解体か存続か事実上の破綻に近い?農林中金(2008.10.28)」
「3000億円増資報道・事実上の破綻に近い?農林中金 その2(2008.10.29)」
である程度その農林中金という農水省の天下り機関である実態を書いている。
そして今回は、
「財務基盤を強化するため、各地の農協などへ出資を求め年度内に1兆円超の増資計画も正式発表した。」
「上野理事長は、当面は海外重視の運用を見直すが、『グローバル化の流れは変わらない』と述べ、市況が回復すれば再び海外で積極投資する考えだ。」
と報道され、さすが元官僚の無責任体制というものを思い知らされるものである。
なぜなら、今後損失は拡大する傾向にありしかも、安易な海外投資に対する反省がない。
その上、「公的資金に頼るつもりはない」と逃げを打っている。
それは、もし金融機能強化法によって「資本注入」されるとするならば、例え「旧法で注入の条件としていた再編促進や経営責任の追求」が求められなくとも「道義的責任」から理事長の引責辞任は当然だろう。
しかも退職金なしで。
2008/11/27報道各社が「田母神前空幕長に退職金手続き 防衛省」と7000万円弱の退職金が支払われると非難している。
しかし、大損失した農林中金の(天下り)理事長の年俸が約4100万円だと聞かされれば、田母神前空幕長の退職金など安いものではないか。
ここで、理事長はこの大損失にも係わらず、「海外で積極投資」をうたっているからその責任など当然取るはずがない。管理職が責任を取らないから担当者もお咎めなしだろう。
なんとも無責任体制とはこのことだ。

一方、「サイゼリヤ・140億円のデリバティブ損失で連続ストップ安、見えぬ底」ともある。これは、「円相場が豪ドルに対して円安に振れれば支払金額が軽減されるスワップ取引を証券会社と結んでいた。ところが、実際には大幅な円高となり、その評価損は他通貨を含めて140億円に達しているという。」という円安が当分続くと思い込んだ誤りに基づくものだ。
同じ様なものが、「駒沢大、155億円損失」‥「「スワップ取引」と呼ばれる3つのデリバティブ(金融派生商品)契約。‥‥問題のデリバティブ取引は、主に金利などを交換する「金利スワップ」と「通貨スワップ」の2種で、昨年度、外資系金融機関2社と契約」
その他にもいろいろ報道されたが、探すのも面倒なのでこれのでとするが、どうして日本円は円安のままで推移すると考えたのか実に不思議だ。
少なくとも1年前の段階ではサププライム問題が顕在化して早晩金融バブルは弾けると想像出来たはずではないか‥‥今から見れば結果論だが。
実は、あのFXで巨額脱税の主婦は、脱税の摘発もあって7月にFXを手仕舞いし、又あの秋葉原のビルをキャッシュで一棟買いした「誤発注で大儲けした個人投資家」も株安を見越してそれなりに手を打ったに違いない。
機関投資家という一応プロが痛い損失を被る中、一部のセミプロ(?)投資家は上手に売り抜ける。
この人から考えれば、「機関投資家というプロ」が素人で「セミプロ個人投資家」が玄人ということになる。

さて、2008/11/28の読売新聞朝刊に日本銀行が発表した「10月の金融政策決定会合」の議事要旨が掲載されていた。読売新聞の見出しでは「『市場との対話』懸念残る」と批判的に書かれている。今のマスコミ経済人の論調は、「ゼロ金利政策」への回帰要望なので予想されたことではある。

産経新聞では「田村編集委員」が
イ)「日銀は日本の好機をつぶすのか」(11/22 20:53)
ロ)「円高を加速させる『ゼロ金利回避』」(11/23 09:37)
で日銀政策を批判しているが、世界経済の潮流を無視した事実誤認を繰り返している。
以下 イ)の論調から
1)日銀のかたくなな政策が国際的な金融政策の潮流変化についていけず、円高を加速させているためだ。
‥‥‥はっきり言って、今の円高が日本が「ゼロ金利政策」にせず、日本経済を魅力的にしなかったからと批判しているようだが、誰が見ても「円キャリートレード」の解消だくらいのことは素人でも分かる。
そして、ドル札を過大に発行すればドルの価値が下がるのは経済の常識というものだ。
2)急激な円高は株価の急落を誘い、大手金融機関を資本不足に追い込み、企業の収益力を奪う。                   
‥‥‥株価の急落は円高の影響ではなく、投資銀行などのファンドの解約による換金売りというのは同じく常識で、本来円安になるはずがそれよりも円買いの圧力が強いことを意味している。それだけドルが弱いということだ。
そして、企業の収益力を奪うというが、米国経済が失速して購買力もローンの組めない状態であれば、消費社会の米国へ売り込むという長年の「ビジネスモデル」が崩壊したということで、トヨタやソニーが減益になっても円高というより販売不振である。

そして、トヨタ自動車は欧米に対して、「ゼロ金利ローン」で車を販売するという暴挙に出そうな情報がある。それが出来るならは日本でやるのかといえばやらないだろう。
それだけ、日本で儲けて諸外国で安く車を売るというビジネスモデルは限界だと言うことだ。
3)「日銀が円資金を市場に出し渋るのは、ゼロ金利を避けるためだ」と市場関係者の多くがみている。「ゼロ金利」になると、短期金融市場機能での日銀の影響力は大幅にそがれ、金融調節の妙味がなくなる。日銀のエゴがゼロ金利を拒む。
‥‥‥とやっと、本音が出た。
ところが「ちょっと待てよ」なのだ。
なぜかといえば、日本が「ゼロ金利政策」を実施して、果たして景気は良くなったのかということだ。
事実は、過去ブログでエントリーしたとおり、企業は高金利時代に借りた資金の返済に追われ、「ゼロ金利政策」が終わる頃には持っていた資金を使い果たして倒産の憂き目を見るか体力を消耗した。
銀行は、金を借りる優良企業が減り、又金融庁が債権を厳しく査定して企業から貸し剥がしを促進した。
貸すリスクを取るならば、海外の投資ファンドに安い金利で貸し込んだのが「円キャリートレード」。
事実は、「ゼロ金利政策」というのは、「デフレ脱却の触れ込みながら」国内から資金流出を招き日本経済のデフレを促進したにすぎなかった。
論者は、そんなことを無視して尚も日銀批判を続けるのだが、もし今「ゼロ金利政策」に回帰したとしても、世界経済を見れば景気が上がるとはだれ一人思わない。
そして、まだ日本から米国へ資金をつぎ込めと主張して止まない。
それはこのくだり‥‥
「1987年10月19日の株価大暴落「暗黒の月曜日」以降は日米金利差を縮小させないために利上げできず、結局超金融緩和の中で株と不動産のバブルが膨張した。」
「『為替相場』と『日米金利差』は日銀にとって禁句だ。」

以前から言うように、日本の金を米国に注ぎ込むことによって、米国は返す予定もない借金の上にドル高好景気となり、日本は自身の金を貸した「おこぼれ」をもらうという自虐。
結果、日本から資金が無くなりデフレスパイラルに陥ったということである。
そして、この論者というのは日本は「デフレ不況」に陥っていなかったと思っている節がある。
「金融危機が世界的デフレ不況に転化し、日本も巻き込みつつある現在と、その恐れが皆無だった20年前とは状況が完全に異なる。」
冗談ではないぜ、日本は世界がデフレ不況に転化する前から「デフレ不況」だ。
好景気なら、とっくの昔に政策金利はサププライム問題以前の米国並みの5%にはなっている。
そして、日銀がもし再び「ゼロ金利政策」をして景気が上がらなかったとき、この「論者」はかっての帝国陸軍参謀殿のように「なぜだ!オカシイ」「経済が間違っている」と言うのだろうか。
ロ)の論調で、「日米の逆金利差はさらに広がりそうだ。円高は一層加速しよう。」と金利差一本やりで、米国のサププライム問題による不良債権処理とその過程によるドル札増刷を全く無視している。
そして、不思議なことに「円キャリートレード」の不合理さ、金融バブルの発生の原因の一つということを全く無視している。
無視するのは、「円キャリートレード」問題を出されると、「ゼロ金利政策」回帰という論調が根底から崩れる事につきる。
その上、論調の冒頭「円高に歯止めがかからない。原因は、ヘッジファンドなどの円買い戻しにあるといわれているが、実は現象に過ぎない。」と述べいるのにもかかわらず、
「ヘッジファンドも日本の金融機関から借り入れた円資金を『巻き戻す』。国内外で円売り、ドル買いを仕掛ける勢力はいなくなり、一方的に円買い・ドル売りが進む。」と逆のことを言っている。

はっきり言って、自分の論理が実体経済と合わないのに認めようとしないで自説を力説する。
しかも、過去の経済政策を顧みようとしない。
本当に何度も言うように、帝国軍人の戦略のなさと戦術の稚拙さを思い起こさせるものだ。
あの愚劣な作戦、インパール作戦は、現地の司令官が反対したために、更迭までして参謀本部が敢行した、単なる後ろに回り込む作戦。
日本の経済政策があの「インパール作戦」とならないように望むだけというのが僅かな願いというものではある。
イ)論文
【円ドル人民元】日銀は日本の好機をつぶすのか
11/22 20:53
世界金融危機はつい最近まで「日本の好機」のはずだったが、一挙に危うくなってきた。日銀のかたくなな政策が国際的な金融政策の潮流変化についていけず、円高を加速させているためだ。

 米低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)危機による打撃が比較的軽いとみられてきた日本の金融機関も大手企業も財務体質が良好だった。だが、急激な円高は株価の急落を誘い、大手金融機関を資本不足に追い込み、企業の収益力を奪う。

 現在の円高・ドル安の実相は金融現象である。ドル金利よりも円金利が高くなる日米の金利差逆転で、円の魅力が実力以上に増したからだ。日銀は政策金利を10月末に0・2%引き下げたあと、0・3%の水準を維持しようとして市場への資金供給を増やさない。これに対し、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融危機に対応するために巨額のドル札を刷っては短期金融市場に流し込んでいる。FRBの市場誘導金利は年1%で、日銀の政策金利0・3%より高いが、為替相場に影響する市場金利は今月に入って米国で0・3%を下回るケースが増えている。米国は欧州とともにデフレ不況の深刻化を防ぐために、一段の利下げと量的緩和に踏み切る見通しで、日米の逆金利差はさらに広がりそうだ。そうなると、円高は一層加速しよう。

 「日銀が円資金を市場に出し渋るのは、ゼロ金利を避けるためだ」と市場関係者の多くがみている。「ゼロ金利」になると、短期金融市場機能での日銀の影響力は大幅にそがれ、金融調節の妙味がなくなる。日銀のエゴがゼロ金利を拒む。

 不可解なことに、日銀にとって円相場と株価は考慮外のようだ。金利据え置きを決めた21日の政策決定会合は「経済・物価の見通しとその蓋然(がいぜん)性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、適切に金融政策運営を行っていく」とした。物価と景気動向に注意するというのは、昔からの日銀の常套(じょうとう)句である。危機対応しなければならないというのに、まるで平時モードそのものである。

 日銀が国際的な協調行動を警戒する背景には、1985年9月の「プラザ合意」の後の苦い経験がある。円高・ドル安進行阻止のために何度も米国との協調利下げに追い込まれた。1987年10月19日の株価大暴落「暗黒の月曜日」以降は日米金利差を縮小させないために利上げできず、結局超金融緩和の中で株と不動産のバブルが膨張した。日銀内の異論は封じ込められ、金融引き締めのタイミングを失した。以来、「為替相場」と「日米金利差」は日銀にとって禁句だ。

 金融危機が世界的デフレ不況に転化し、日本も巻き込みつつある現在と、その恐れが皆無だった20年前とは状況が完全に異なる。日銀が「独立性」を生かすために、国際協調に背を向け、日本経済が死に瀕するようなら、本末転倒もはなはだしい。(編集委員 田村秀男)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ロ)論文
【国際政治経済学入門】円高を加速させる日銀「ゼロ金利回避」
配信元:SANKEI EXPRESS 11/23 09:37
 円高に歯止めがかからない。原因は、ヘッジファンドなどの円買い戻しにあるといわれているが、実は現象に過ぎない。真因は急ピッチの日米金利差縮小にある。最近は米金利が日本より低くなる金利差の逆転が起きている。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融危機に対応するため、巨額のドル資金を刷っては短期金融市場に流し込む量的緩和に伴って、短期市場金利が大幅に低下している。対照的に日銀は円資金の供給量を抑えて市場金利が政策金利(年0.3%)を下回らないように金利操作している。米国や欧州はデフレ不況突入を防ぐために、さらに利下げに踏み切る見通しで、日米の逆金利差はさらに広がりそうだ。円高は一層加速しよう。

 ■相場左右する日米金利差
 米国の高い金利と日本の低金利という日米金利差が円ドル相場にどう響くは、グラフをみれば一目瞭然(りょうぜん)である。日米金利差は日銀が「ゼロ金利政策」を打ち切った2006年7月をピークに縮小し始めた。金利差の縮小がはっきりした07年6月から円高方向に振れ出した。米国発グローバル金融危機の発端は07年8月の米低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)危機勃発(ぼっぱつ)だが、円はその2カ月前に円安の底を打っていた。

 日米金利差が円ドル相場を左右する傾向は1980年代後半から一貫している。機関投資家やヘッジファンドなど投資ファンドが比較的低い円資金を日本で調達して円を売りドルを買って、より高金利のドル資産で運用して収益を稼ごうとする。それは「キャリートレード」と呼ばれる。

 ■「ミセス・ワタナベ」
 数年前からは、海外で「ミセス・ワタナベ」と総称される日本の個人投資家が「外国為替証拠金取引(FX)」に参入するようになった。最大で手持ち資金(証拠金)の200倍ものドルを買い、円安・ドル高と日米金利差で収益を容易に稼ぐことができた。これも一種のキャリートレードである。FX取引仲介業界によれば、FX取引が盛んなときには1日で3兆円分もの円売り・ドル買い介入効果が見込めたという。

 「ミセス・ワタナベ」と海外の市場関係者から呼ばれたのは、家庭の主婦までが手を染めるまでFX取引が一般化したことが背景にある。日本人の姓に多い「渡辺」を引用したわけだ。実際には5割以上が会社員で、多くはインターネットを駆使してFX取引している。読者のなかにはそんな「FXプロ」もいらっしゃるだろう。

 ところが、ここへきての急激な金利差縮小と円高で、FX取引で痛手を受けている個人投資家も多いようだ。特に金利差が開いている間は、多少の円高になっても金利差益で損失をカバーできたが、今はその逆である。日米金利差は解消、逆転したからだ。個人を中心としたFX投資家はこうして退場を迫られている。ヘッジファンドも日本の金融機関から借り入れた円資金を「巻き戻す」。国内外で円売り、ドル買いを仕掛ける勢力はいなくなり、一方的に円買い・ドル売りが進む。

 ■忘れられた本来の使命
 現在、米国の短期市場誘導金利は年1%で、日本の政策金利0.3%とはまだ差がある。ところが実際の市場金利は今月に入って米国で0.3%を下回るケースが増えている。日銀は10月末に0.2%利下げしたあとも0.3%の水準を維持しようとして市場への資金供給を増やしていない。米FRBは欧州とともに近く一層の金融緩和に踏み切る情勢で、日銀が現行の金融政策を続ける限り、日米金利差逆転が定着しそうだ。その結果、円高・ドル安にはずみがつくのは必至だ。

 現在の円高・ドル安は日米の金融政策のずれから生じた金融現象なのである。日本の金融機関や産業界は、世界金融危機による直接の打撃は米欧に比べて少ないとみられてきたが、円高に伴う企業収益の大幅減と株価の急落で、金融機関は株式の含み益を喪失、企業の資産も損なわれている。

 日銀はゼロ金利回避により金融市場への影響力を保持しようとしているが、日本経済の安定という本来の使命を後回しにしている。その結果、健全だったはずの日本の金融・産業界が金融危機に引きずり込まれ、死屍累々(ししるいるい)という最悪の事態になりかねない。
 (特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)

日本経済が回復しない訳・「納得する」仕組みの脳構造の欠陥

2008-11-20 22:45:22 | 日本の経済議論
日本経済が回復しない訳・「納得する」仕組みの脳構造の欠陥

2007/02/03産経新聞・【正論】東京大学教授・松井孝典「納得する」仕組みをどう作るか
‥‥という論説があった。
その要約は‥‥‥


科学というのは、このような「分かる」という認識の世界である。
信じるのはこの意味で「納得する」の分かりやすい例である。



とのことで分かるとおりである。
その「納得する」仕組みとは、当時の小生のブログでは「『分かる』と『納得する』の定義をし、その上で確立された事柄はそのまま信じろと『衆愚』を主張している」と書いた。ここでは、この「納得する」仕組みを別の言い方で解き明かしてみたい。
この松井先生が言う「納得する」仕組みとは、教科書に書いてある事、又は「政府見解」などの件は、国民の英知を集めて説いたものだからそのまま「信じろ」と言うことである。
だから、その教科書や「政府見解・方針」の中身は詮索せず、そのまま受け入れろと言うことでもある。
ところが、昨今のサブプライム問題に端を発した世界同時不況は、正にその「納得する仕組み」の破綻であると言える。
なぜなら、サブプライム関連の住宅証券は、格付会社がAAAの評価をしたから「安全確実」と誰もが信じて投資したのだが、その中身は誰も知らなかった。
これは、それこそ「納得する仕組み」では身の破滅である事を表している。
一方、日本経済を見てみれば、欧米に留学して欧米流の経済学のスペシャリストになった学者は、その経済学理論に対して一切の疑問を挟まない。
すなわち、教科書の中身は疑わない。そうは言うものの、その教科書に書かれているものは「例外」なのかもしれないと言うことだ。
かって、遺伝の教科書として1865年に発表されたメンデルの法則というものを習った。しかし、そのメンデルの法則の例というものは「例外の特殊例」であることも一緒に習ったのを記憶する。普通一般に自然現象などを数式等に表すことがある。しかし、その数式に当てはまるのは、その数式が生まれた環境によるもので、環境が違えば意味がない。
ところが、「教科書」に誤りがないと錯覚するとそんな原則も無視する。
なぜなら、「分かる」というその教科書に書いてある事を疑うのを嫌うからだ。

そして、「納得する」という「教科書」をしっかりと身につけ学歴社会という階段を上り詰めたのが「中央官庁の官僚」や「経済学者」ということになる。
昔で言えば、幼年学校、士官学校、陸大と卒業して参謀本部入りの軍人官僚である。
当然その教科書に書いてあること以外では何をやって良いのか分からない。
だから、もし日本に本当の経済学者がいるならばあの「失われた10年」から学んで新しい「経済学」を構築しているはず。
現在そんな経済学が出来たとは聞き及んでいない。彼ら経済学者は自らが学んだ「教科書」から離れられず、今社会現象を説明できずにいる。

この松井先生は、その「正論」の最後で、


「今、日本で必要なことは、したがって『分かって』もらうための仕組みではなく、『納得して』もらうための仕組みを考えることなのである。その納得する仕組みは、風土と歴史によって異なる。
わが国独自の、その様な仕組みをどう構築するかが問われているといってもよい。」



と実に曖昧なことを言っている。
ところが、そこでよく考えてみれば、実は「納得する」というのは、本来狩猟民族の理解であり、「分かる」というのは自然を相手にする農耕民族の思考回路であることが分かる。そう言う農耕民族的の「分かる」世界に、「納得する」という観念の指導者が出る場合、非常に問題が多い。
何故なら、その様な「分かる」世界では「失敗したときの」フィードバックがないからだ。そして、狩猟民族は、「納得する」という一致団結した統制を取ると共に、失敗したらその指導者を交代させ、「失敗の理由」をフィードバックする新陳代謝がある。

 週刊新潮 [ 2008年11月27日号]
あとの祭り/なぜ、田母神論文が生まれたか・渡辺淳一
を見てみると、日本占領下の戦後教育の成果というものが良く出ていることが示されている。
何故なら、渡辺淳一氏は、典型的な「納得する」教育を受けている。
それでいて、その認識がないままに、自分の「体験」すら物事を分析出来ず、誰かに言われた短絡した思考・評価でしか「体験」を説明出来ないという欠陥に陥っている。

その他のことは、前回のブログ
「産経・正論「分かる」と「納得する」の言い回しの理解」
http://pub.ne.jp/Indianinkworld/?entry_id=530782
に譲るとして、今いる自分の環境も経済も分析出来ずに日本はどうしたものか。
考えてみれば、麻生総理がG20に行って言ったことは、「1000億ドル(10兆円)」をIMFに供与すると言ったのみで、何をどうするのかは全くの人任せ。
そして、今日本にも世界同時不況が押し寄せてきても、なすすべもない日本経済ということを見れば、既に「納得する」世界の脳構造は崩壊したといって間違いない。

どどのつまり、「失われた10年」を経験しても何の成果も理論も上げられなかった経済学者、政治家達というのは、もはや日本を託すのには適しないと言わざる終えない。


文藝春秋2008 12月号立ち読み「世界同時不況 日本は甦(よみが)えるか」

2008-11-16 23:59:47 | 日本の経済議論
文藝春秋2008 12月号立ち読み「世界同時不況 日本は甦(よみが)えるか」

‥‥暗澹たる気持ち‥‥‥

文藝春秋で「世界同時不況 日本は甦えるか」と題して高橋洋一/榊原英資/竹森俊平/渡辺喜美/水野和夫/田村秀男/宮崎哲弥(司会)が話し合っている。
1-「失われた十年」再び来たる 2-株安・円高地獄の脱出策は? 3-「アメリカ金融帝国」没落す 4- GMがトヨタに買われる日
と大上段に振りかざして、「未曾有の経済危機の核心を七人のエキスパートがえぐる」としているのだが、はっきり言って従来の経済談義の枠から出るものではなかった。
特に、高橋洋一氏など小泉内閣の総理秘書官で、いわゆる米国式な視点で日本経済を作り直そうとした意見は、どうもしっくりゆかない。
はっきり言えば今の現状に合わないというか、悪いことを言えば「旧帝国陸海軍の参謀殿」というかって応用の利かない戦術しか提示出来なかった、経済議論でしかない。
しかし、同じ様な米国経済ベッタリの竹森俊平氏(慶応大学教授)や水野和夫(三菱UFJ証券)、ベッタリでもないとしても同じ傾向のある田村秀男(産経新聞論説委員)氏は意見が合うようだ。
違うのは、経済はド素人という渡辺喜美と、榊原英資(元財務官)。
そして、特に突出して話を主導しているのが高橋洋一なのであるが、榊原英資が持論を展開するとほとんど理解出来ないと言うか、頭が受け付けない様子が見て取れる。
榊原英資の持論というと、以前エントリーしたのを再掲してみると‥‥

地方紙に「にっぽん診断」というコラムがあった。
「円安バブルの崩壊」「個人投資家にツケ回る」としてあの榊原英資(元財務官・早稲田大学教授)が述べている。
「‥‥ 極端な円安が今、崩壊した訳だ。長く続いたゼロ金利、低金利の異常さが今になってやっと認識され始めたのだ。『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利継続を主張した小泉・竹中路線とそれにそこそこ付き合ってきた日本銀行の誤りのツケを、‥‥円安バブル崩壊のコストは極めて重く日本経済にのしかかることになろう。」

この文藝春秋誌上では、ゼロ金利政策、低金利政策を早く止めて政策金利を2.0%程度にしておけば、利下げ余地もあって日本経済にとって良かったと述べいているに留まる。
一方、高橋洋一氏は、今後「ゼロ金利政策」に移行し、且つ「量的緩和」を推し進めれば景気は回復すると広言して止まない。
そして、「ゼロ金利政策」は効果がなかったではないかと反論すると、「量的緩和」をしても翌日には「金」を引き上げたと日銀の政策を批判する。
しかし、実際は「量的緩和」をして金融機関に「金」を積み上げても、借りる企業はなく単に金融機関のみに金が集まって、市場には流れなかった。
そして、逆に企業は持てる資金、資産を食い潰して「高金利時代」の借入金の返済に充てたわけで、市中の「金」マネーサプライは減少したはず。
実際データーを見てみると(日銀・量的金融指標(市場規模・残高等)/通貨・マネーサプライ (1998年4月から2008年4月まで))
「ゼロ金利政策」を実施した1999年2月から半年以上経った1999年12月から一般企業で急速に資金力が減り、事実上のゼロ金利政策が解除される年の2006年の3月頃には最低値を記録して以後多少の微増がある程度である。
(但し、何の指標で見るかで異なるが)
こんな風に、「ゼロ金利政策」というのは経済に関して意味がなかったし、水野和夫の様に、例え高金利にしても「金を借りている人」にしか影響が出ないと単純に考えている人物もいるから‥…といっても水野和夫氏は、中国経済信奉者だから日本経済はどうするのだと言うものであるが‥‥

最後の方になると、高橋洋一氏などが主張する「マクロ経済」ではなくて、これからは「ミクロ経済」だと榊原英資氏に言われると、その内容も少々雑であったが、やはり頭が全然受け付けない様子であった。

景気を良くする、経済を良くするというのは、国民に「金を持たせる」か「国民の資産」を公平に増やすと言うことにつきる。
その典型例が日本のバブル経済だったのだか、その簡単な原理が分からないのが、ここに参加した「七人のエキスパート」という人達の大半の様だ。
国民の7割が資産(?)として所有している不動産の値上がりは、心理的に国民に「小金持ち」の感覚を与えたし、事実土地を売れば一生食えるというにわか土地成金も出現した。それが回り回って株、債権になってきた。
それを潰したのが、いわゆる米国経済至上主義者であり、マスコミ、官僚達の共産主義思想による「土地所有」アレルギーだった。
そしてもう一つ米国にやり玉に挙げられたのが、「マル優」と日本の貯蓄信奉。
批判されるや税金を取りたい国税は率先して「マル優」を廃止、国は機関投資家に毎月米国国債を幾ら買ったか報告させた。
その米国国債は、やはり米国の差し金によってのその後円高による為替差損で大損をして、証券、生保の破綻の遠因になった。
そして、その手が使えなくなれば、低金利として米国債権へ投資させた。

要するに、日本の国内から金が消えて無くなるというのは、デフレ不況。
今の日本政府の遅い対応、物事の本質を理解していない経済対応は、益々日本経済を混迷させるとしてか思えない。

「良い円高」と「悪い円高」との議論を文藝春秋ではしていたが、実際は「良い円高」しかあり得ない。
何故なら、円高は輸入大国でもある日本では直接国民のふところ具合に影響する。
それに対し、輸出企業のトヨタ、ホンダ、ソニーというのは、ドルを円換算しての話であって、日本企業というより世界に工場を持つ世界企業。
幅広く、国民の隅々まで「円安」の影響は及ばないのは常識ではないか。
米国が「強いドル」を主張したのと同じように、日本も「強い円」を必要とするというのは当然ではないか。
しかし、旧帝国軍人の海大、陸大出の参謀殿が考え方の転換が出来なかったように、欧米に留学して博士号まで取って、頭が日本経済から離れてしまった人物には、もう日本経済を論じて欲しくない思いがする。
戦前の参謀殿の失敗は、もうゴメンであるというのが、偽らざる意見である

社会主義的経済対策しか思いつかない日本の憂鬱

2008-11-10 17:54:00 | 日本の経済議論


社会主義的経済対策しか思いつかない日本の憂鬱

景気と金利水準には、極大・極小がある。

日本の景気対策というと「生活支援定額給付金」などという単に金を国民にばらまくという「社会主義的景気対策」ばかり出ている。
一時期では、同じように「公共事業」というやはり「社会主義的景気対策」だったが、必要なところは大方やり終わってしまった。
だから、今や「公共事業」という土木作業は、やるところを探して「不要」「不急」と言うところしか投資するところがなくなってしまった。
この公共事業というのが、道路特定財源そのものと言って良い。そして、「不要」「不急」であるからこそ、余ってしまうと言うことになる。
さて、景気対策というのは日本だけではなく、EUなどの欧州も考えるようになった。
「欧州景気の悪化を裏付ける経済指標が相次ぎ、域内の政策当局が景気テコ入れへ目の色を変えている。欧州内の中央銀行は6日、一斉に政策金利引き下げを決めた。ドイツやフランスは財政支出や減税も駆使した景気対策を打ち出した。」(日経新聞2008/11/9社説)

ここで、欧州は金利を引き下げる余地が残されていたから余裕を持って引き下げることが出来た。
一方、日本は超低金利であるためにその余地がなく、0.2%引き下げたことに対して、「経済マスコミ」からは非難囂々(ひなんごうごう)だった。
そこで考えられるのは、批判することの何を持って批判するのかと言う事ではないか。
批判は、金利を下げて低金利にすれば、貸出金利が下がると主張するのだが、実際にこれが何を意味しているのか理解しているのだろうかと訝るものである。
いわゆる経済学で言えば、低金利にしてその低金利のために貸し出しが増え、市中に金が出回ると言うことで景気を刺激すると言うのが目標の筈。
ところが、不思議なことに「景気を刺激する」事ではなく、「利下げ」を目標にしてその結果どういう事になっているかは無頓着のように見える。
「景気循環論」で言えば、金融機関からの融資が多い不動産業が「利下げ」に一番反応して動き、それに連れられて建設業が動きと言う具合に裾野の広い産業からじわりと景気循環する。ところが、その「金利」に一番敏感な不動産と言うところを「攻撃・貸渋り」で止めてしまったのがあのバブル以降の景気対策の失敗たった。

そうでないとしても、利子というものには限界がある。
なぜなら誰でもタダで金を貸すわけではないと言うことであり、リスクを取るという事であれば、精々貸し出しは3%程度が限度というものかもしれない。
それが、日本の金融機関が米国などの投資銀行に金を貸したのは、リスクゼロという事が前提で低金利で金を貸したのであって、低金利だからといって日本国内に1%以下で貸したわけではない。
地方紙に「にっぽん診断」というコラムがあった。
「円安バブルの崩壊」「個人投資家にツケ回る」としてあの榊原英資(元財務官・早稲田大学教授)が述べている。
「‥‥極端な円安が今、崩壊した訳だ。長く続いたゼロ金利、低金利の異常さが今になってやっと認識され始めたのだ。『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利継続を主張した小泉・竹中路線とそれにそこそこ付き合ってきた日本銀行の誤りのツケを、‥‥円安バブル崩壊のコストは極めて重く日本経済にのしかかることになろう。」

‥‥と榊原英資氏は無意味だった『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利・低金利継続政策を批判している。
榊原英資氏は書いていないが、景気刺激のためには市場・市中にいかに金が流通しているかという事を金利との関係で考える必要がある。
高金利になれば、誰も金を使わずに銀行に預け、マネーサプライは減少すると思われているのは当然だが、逆にゼロ金利・低金利政策でもマネーサプライは減少するというのは、日本経済の「失われた10年」実験から明らかになったはず。
要するに、マネーサプライはある金利水準で極大又は、極小になりそれ以外ではマネーサプライは減少すると言うことだ。
だから、好景気を維持するにはある程度の金利水準が必要である。
それが、どのくらいなのかは研究してみないと分からないが、直感で見ると欧州では多分3
%前後程度なのではないかと思う。
なぜなら、ユーロ圏の実質経済成長率がマイナス0.5%、英国がマイナス1.3%になったとしても金利は3%に止めている。
一方、米国は2%程度なのかもしれない。
この差というものは、国民の貯蓄率に関係してる様に思うが、多分日本は4-5%程度と高い可能性がある。

もしそうであるならば、日銀は早めに政策金利を上げて少なくとも欧州並みにしておくべきであり、逆に言えばこれ以上の「利下げ」は日本の景気低迷を長引かせる可能性がある。
そして、日本政府は日本の潜在的な消費行動を見誤っているのは間違いない。
なぜなら、2008/11/9原宿にオープンしたH&Mに2000人も若者が並び、一人10万円、20万円もの買い物をしている事が報道されているからだ。

要するに、ものを買わないような人達に「金」を配っても何の意味がないと言うことだ。そして、ドイツでは車が売れなくなったから
「ドイツは設備投資や新車購入を促進する政策減税など6兆円規模の成長・雇用促進策を決めた。」(同)
‥‥と言うように、「新車購入を促進する政策減税」という内需拡大に力を入れ始めている。
日本の社会主義的な手法によって、経済を破壊し、同じ社会主義的な手法によって、効果もない政策で経済を立て直そうというのは、国民にとって憂鬱な日々でしかない。