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日本のマイナス成長の本質を語らぬ新聞社説

2009-05-21 22:42:37 | 日本の経済議論
日本のマイナス成長の本質を語らぬ新聞社説

2009/05/21の新聞各社の社説は、
日経「戦後最悪の急落後の反転探る日本経済」、
産経「マイナス成長 本格回復につなぐ戦略を」、
朝日「最悪GDP―怖いデフレと失業の連鎖」、
毎日「最悪GDP 家計を元気付ける時だ」、
読売「GDP急減『戦後最悪』を乗り切るには」という見出しを書いているのだが、内容は大なり小なりほとんど同じようなことである。
要するに単なる現状認識だとか、対症療法、日経新聞に至っては、「その大きなカギを握るのは米国経済の動向だ。米国でも最近は明るい経済指標も出始めているが、危機で傷んだ金融機能の回復は道半ばだ。米国向けの輸出が危機前の水準にすぐに戻るとは考えにくい。」と未だに「米国という消費国の藁」にもすがる思いと言うところなのだが、米国は直ぐに頼りにならない。
結局行き着くところは、「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきたが、今後も景気動向に応じて機動的に効果のある政策を打ち出すべきだ。」
と日銀の政策を未だに指示するしか思いついていない。

又、読売社説は「海外需要に過度に依存する経済の弱さは今回の世界危機でも経験した。企業設備も外需向けで高い伸びを続けてきた。こうしたことが夢と消えたいま、内需の柱である家計を元気付けること以外に、本質的な経済再生策はない。」
と内需を期待するのだが、今まで内需を喚起できなかった、しなかった理由というものを述べていない。

今回のGDPの落ち込み企業業績の落ち込みに対して大きな要素を持っているのは、依然「金融」であると言うことだろう。損保会社も例の保証証券やらの金融商品を持っていたために一社1,000億円単位の損失を被っている。
一般企業でも本来製造業であるはずのSONYは創業者が引退した後、文系の社長が続いたために技術を軽視して金融に傾倒した。
そのために製造業としてはあり得ないような損失を計上している。
トヨタもトヨタ銀行と言われるような金融と言う側面を持つ。そして製造業としては、ほとんど米国向けと思われる製品志向のものばかり作っていたのではないだろうか。

要するに、バブル崩壊後の日本経済と言うものは、米国のバブル消費を当て込んで、日本の国内で売れるような物ではなかったのではないか。
液晶テレビも大型テレビなどは日本のウサギ小屋だか、鶏小屋には大きすぎる。
そして、トヨタは日本でそこそこの値段で売っていた車種をレクサスブランドに衣替えして値段を高額につり上げた車を売っていた。
本来これは、米国の金融・消費バブルに乗ったものだったはず。

ところがよく見てみれば、最近銀座には欧州のブランドショップや格安衣料品の店ばかりが並んだ。
要するに、日本は未だに米国に次ぐ大消費国であり、且つ高額商品を買える国だと言うことだ。それがなぜ消費低迷なのか。
はっきり言えば、国民の資産が減り続けているからである。
日経社説が書く「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきた」と言うものの、バブル以降景気が上がったという認識はない。
リーマンショック以前の一部輸出企業、金融の好景気というものは、「米国の金融バブル」だったことは誰もが認めるところ。
これを持って、「金融政策が功を奏して」一時的に景気が回復したと言う事も言うこともないだろう。
それが「斎藤精一郎氏(NTTデータ経営研究所所長・社会経済学者)」が言う「牛(米国)に引かれての好景気」である。
これが何を示しているのかというと、「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきた」と言う非伝統的な手法は失敗し続けていると言う事ではないか。そして最近言う「非伝統的な手法」とは、経済学で想定していないやり方であると言う事だ。即ち、米国経済学を手本にして勉強してきた日銀はいわゆる「思いつき」で行ってしまった経済手法であると言うことだ。
あの「ゼロ金利政策」自体思いつき、未経験だったはずだ。
それでも、日経社説では「帝国軍人参謀」同様、その「日銀のやり方しかない」としか主張する頭がない。
お陰で、日本は米国、EU諸国でさえ発生していないデフレに入ってしまった。

なぜ日本だけがデフレなのか。
誰も経済学者は答えていない。
理由が言えないのか、言っては困るのか‥‥

EUがデフレに陥らないのは、EUは消費国家ではないと言う事が大きな原因であるからであり、その上に日本にない不況も関係ない、消費税もかからない輸出品があるからである。
その輸出品の件に関しては、例えばスウェーデン経済を述べるとき必ず言わず、日本経済、福祉社会の欠陥を主張する。
EUの経済というのは、金融、武器輸出(死の商人)、贅沢ブランド品からなっている。
よくよく見れば、米国も全く同じ構造で金融、武器である。
そして、ほんの少し前は全て高金利だった国々。

日本のように、ゼロ金利、低金利政策による「円輸出」と景気に左右される「民生品」だけを輸出している国は日本くらいしかない。

今後どうするべきか、原因が分かれば何とかなりそうというものだが、それに踏み込めないというのは、政策官僚が既に「社会主義」に傾倒していること。
そして、未だに55年体制を引きずっている政治家の新陳代謝が行われていないという老人政府の体質、老害にある。

「心理経済学」を理解しない学者、経済官僚達の無情

2009-04-12 23:42:27 | 日本の経済議論

「心理経済学」を理解しない

学者、経済官僚達の無情


2009/04/12読売新聞朝刊「けいざい百景」・不況でも売れる謎(論説委員・安部順一)というコラムがあった。
この「不況でも売れる謎」ではTDL、TDS(ディズニーランド)の好景気と任天堂の「Wii」の売れ方を分析して、「個人消費は経済学の論理で動くように見えますが、実は心理学の要素も強いのです。消費者をどう虜にするか、作り手の腕の見せ所です。」と結んでいる。

この意見というのは、以前から小生などが言っている通り、内需拡大・個人消費と言うものは、「お金を使ってもよい心理」にさせることが重要だと言う事である。
しかし、過去官僚である与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は、

「熊本県天草市内で講演し、政府・与党がまとめた追加経済対策に、消費税引き上げに道筋を付ける『中期プログラム』の改定方針が明記されたことについて、『改定すると書かないのは無責任だ。今は日本の経済が駄目になるからということで(景気対策に)お金を使うことが許されているが、借金をほったらかしていいというわけにはいかない』と述べた。」(産経新聞)
と報道されている通り、消費税値上げを又連呼してしまった。
この様に、いずれ増税すると言えば消費者は身構えるというのが心理というもの。
そして、今のように長年ほぼゼロ金利政策が続いているようであれば、「余裕の金」があるという心理も湧かない。
今の内需が活発でないというのは、この心理に基づくものである。

産経新聞「【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 デフレは死に至る病」では、
「デフレがどれだけ、世の中を暗くするのか。自殺者数、倒産件数とデフレの統計をグラフにして重ね合わせてみた。自殺者が急増したのは消費税増税で消費が一挙に冷え込んだ1998年である。翌年(1999)からデフレが始まり、自殺者数は高止まりし、毎年三万数千人にも上る。」と書かれているだか‥‥、
実は1999年「1999年2月、日本銀行は短期金利の指標である無担保コール翌日物金利を史上最低の0.15%に誘導することが決定(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)」と超低金利に突入した途端にデフレになる。(2000年よりゼロ金利政策)(産経新聞提供の図参照)


(産経新聞より・青線の加筆)

編集委員・田村秀男氏は、「景気は事実、2001年から多少なりとも回復していたのに、デフレは続き、暗い世相が広がるばかりだ。」と書いているのに金利とデフレとの関係には一切触れていない。

心理経済学と名前をつけるとすれば、この低金利政策によって消費者の消費マインドが崩れ、内需が停滞したと考える。事実この時期は建設不況で住宅、事務所建築などが総崩れの状態だった。
この不況から多少なりとも回復したのが、米国の金融バブルに乗って拡大した中国生産による中国輸出特需だった。
その時、日本からリサイクル用ペットボトルや古紙が消え、不要電化製品を買い取る業者が全国を回った。
その金融バブルが弾けて、元の姿に戻った以上に日本から「金」が消えてデフレが進行するというのが今の状況だ。
田村論説委員氏は「デフレである以上、モノの価値は下がる。たとえ預金金利がゼロ同然になろうとも、おカネを消費に回さずにためたり、たんすの引き出しに置きっぱなしにしている方がよいというわけでおカネは世の中に回らない。」
と書くが、ゼロ金利だから元金を減らさないように金は使わず、又金利が付かないのなら「タンス預金」でも困らないと言うのが本当だ。
以前から言うように、低金利、ゼロ金利では「金」は動かない。
そして、消費も特別な場合以外はしないというのが「心理経済学」の基本だ。
その特別な場合というのが、子供を連れて家族で楽しむディズニーランド、ディズニーシーであると言うことだ。
今小市民が考えることはかっての猛烈社員とは打って変わって、マイホーム主義。
ワークシェアリングが叫ばれているとき、時間はたっぷりある。
家を買ったり車を買う金はないが、「子供の思い出作り」に便乗して憂さ晴らしで、親も何も忘れて一時楽しむ非日常性。
こういう事が理解出来ない経済学者、経済官僚達というのは、田村論説委員氏が言うように小出しの見せかけだけの経済政策を実行する。
しかも、実行効果は無いとわかっているのではないかと思わせる節もある。

まいど言う様に、帝国陸軍のインパール作戦の突撃の様な無駄な命令だ。
無駄とわかっているにの実行するというのは、日本の官僚主義の典型だ。なぜなら彼らは安全圏にいて絶対に被害に遭わないからだ。

「政府紙幣を発行して需要喚起の財源とすべきだという案である。例えば、定額給付金を1人当たり1万2000円とはせず、時間もかける。10万円という単位で政府紙幣を消費者に配る。需要が増加し、物価が上昇し始めるまで続ける。」(前出)をしょうこにもなく述べ続ける。
勝手に政府紙幣を発行すれば、円の価値は下がり猛烈な円安となって家計を直撃する。
即ちデフレ経済下の物価高で、その内にインフレになる
それだけでない。
本来インフレになれば、預金金利は上昇に転ずるはずなのだが、ほぼゼロ金利政策でほとんど預金は増えないのに、預金は相対的に目減りする。
これはお年寄りを直撃する。
結局、政府紙幣を発行など言うのは無理な相談だと言うことだ。

G20・不毛の経済学ゆえに日本だけがデフレ墜落の惨状

2009-04-04 21:27:31 | 日本の経済議論
G20・

不毛の経済学ゆえに日本だけがデフレ墜落の惨状


第2回金融サミットG20が開催され、新聞各社の社説として3、4日で述べられている。しかし、こんなに多くの国々、しかも経済状況が違いすぎる国々で協議して何が得られるのかと初めから分かっていたようなものだ。
日本は、単に金を出すだけ。
そして、11の新興経済諸国などは、例外を除いてほとんど経済援助を期待せざる終えない様な立場になった。
あとの意見というのは、米国とEU諸国の意見だけであり、正にその通りであった。
だから、泰山鳴動もせず、鼠一匹も出ずという結果に終わった。
米国が「各国に積極的な財政出動を求めた。国内総生産(GDP)比で2%以上を念頭に置いた。(読売新聞Web)」と財政出動求めたのに大して、EU諸国「ドイツやフランスは追加策は不要(同)」とした。
それは当たり前の話なのに、不思議とそのわけを新聞各紙は論説していない。
米国は、それなりにデフレに陥ってきているが、まだ完全にデフレに陥っているわけではない。
陥ったままなのは日本ただ一人という状況だ、と言うことを認識していないのは首相官邸だけかも知れない。
但し、日本に金がないわけでないのは誰でも知っていることだし、政府の口車を信用して積極的に株式投資や、海外投資した人は大損をして首が回らない。
それもババをつかんだのが、素人だけと言うのが本当の話だ。
金融機関だから機関投資家だから「プロ」と言えないのがこの世界で、「プロの様な素人」だから野村證券が潰れたリーマンの一部を買ったりしている。
お陰で、野村證券は大赤字に転落したのだが、こんな見通しのきかない「株屋」に投資を任せていたら間違いなく大損だ。
元々、野村證券というのは、株価操縦紛いなことをして手数料稼ぎをしていた証券会社だ。その手先として、最後に損をさせる投資家を抱え込んでいたのが当時の国際証券。
今では、野村系から離れて分離合併を繰り返して三菱UFJ証券となってしまったが、過去には、随分と損をさせてもらった。
いずれにせよ、確認しなくてはならないのは、EU諸国というのはデフレにもなっていないことである。なぜなら、消費国家でないから。
生活必需品以外買わず、耐久消費財は買わないからデフレが起きようもない。
良く日本の消費税は安いと増税を促す指標にEU諸国の間接税を示すことが多い。
本来耐久諸費材の輸出国でも消費国ではないから比べるのが異常である。
ならば何で国を運営しているのかと言えば、金融と武器輸出だ。
日本に輸出されている車、ボルボ(フォード)も潰れてしまったサーブ(GM)、オペル(GM)も米国ビックスリーの傘下だった。
要するに、EU諸国は「金融」だけを立て直せば足り、武器輸出は‥‥イギリス(2位15%)、フランス(3位13%)、ロシア(4位10%)ドイツ(5位5%)(スウェーデン10位)は、別に「経済危機の国を支援する国際通貨基金(IMF)の融資枠を拡大する点でも一致(同)」すれば困るものではない。
強いて言えば、米国に端を発する「ヘッジファンド」の規制ぐらいなものである。
そして、米国は日本の「失われた10年から学ぼう」と日本の経済の実験を分析しまくっている。
元々、「失われた10年から学ぼう」は、バブル経済をハードランディングさせようと米国の突き上げによって「総量規制」を行い。
その上に同じく米国から突き上げられて「不良債権処理」、「不良債権が増大する」との名目を持って、今で言えば大して大きくない「不良債権」を持つ「住専」を破綻させた事による。
米国経済学には資産として「不動産」は考慮されず実際問題含まれていないから、その膨れあがった債権バブルを潰すというのは大きな問題ではなかった。
結果、「失われた10年」どころか20年、25年になろうとしている。
しかも未だに、根本的なデフレ経済から抜け出でいない。

平成5年頃、「不動産鑑定士」の資格を持つある講演会に行って、2,000年(平成12年)には、不動産バブルが来ると予言した。
但し、その条件として公定歩合(現・基準割引率および基準貸付利率)5%前後とした。
しかし、2.5%だった公定歩合は、2000年には0.5%になり「不動産バブル」など夢の又夢だった。
実際の地価暴落は、それから約3年後。2003~4年だったのは皮肉だろう。

4月1日エイプリルフールに見る経済学者の高笑い

2009-04-01 23:30:25 | 日本の経済議論
4月1日エイプリルフールに見る経済学者の高笑い

時は春、
日は朝(あした)、
朝は七時
片丘に露みちて、あげひばり名のりいで、
かたつむり、枝に 這 ( は ) い、
神、空にしろしめす
すべて世は、こともなし  (ブローニング)
こんな詩を思い出そうという2009年4月1日。
大昔、春の日差し高い良い天気の日、エイプリルフールで欺されて朝早く起きる羽目になった事いつもも思い出す。
ところがどうだ、今日は風はまだ冷たく、昼過ぎには土砂降りの雨が降り始めた。
桜は、まだ蕾が見えただけ。
地球温暖化、それならもっと早く暖かくなって良いだろう。
少なくとも昔の方が、暖かい、そして天気の良い春だった。

4月1日になって何が変わったかと言えば、単に日が変わっただけではなく「年度」がかわった。それによって、収入が激減する様なことにもなりかねない。
クレジット会社からの引き落としは、なんでこんな金額になったのかと恨めしく思うものの、精査してみれば皆必要なものばかり。
昨年の今頃は、多少忙しかったが活気があった。
しかし、今年の4月1日は何か静まりかえった「休日」の様だ。

昼過ぎ、コーヒーに入れるミルクが無くなったのでイトーヨーカドーへ行ったら、「下取りセール」と言うものをやっていて、衣料品、住まいの品合計3,000円を買うと不要品1点「500円」で下取るという。
3月27日までは、20%分現金還元だったから事実上15%引きになったようなものだった。
26日に寄ったら車が入りきれなくて、ほうほうの体で引き上げてきた。
とはいうものの、めぼしいものは既に売り切れた後で、要らない物を買っても仕方がないと言うものではある。
男物の背広は元々20%引きだったのが、現金20%還元のお陰でめぼしいものは売り切ってしまった様に閑散としていた。
前に、一瞬買うかと思ったが、そう言えばまだ着ていない背広があった。

「日銀企業短期経済観測調査(短観)で業況判断指数が過去最悪を更新」とあるのだが、一方で「ただ3カ月先の見通しについては約3年ぶりに景況感が改善した。」と訳の分からない説明。

日経ネットPlusでは、「日銀短観『改善見通し』は本物か」という無意味な議論をしている。

○輸出バブル崩壊で景気底ばい続く
では、「日本の輸出ブームは米国の消費バブルと2007年ごろまでの超円安がもたらしたものだ。これも一種のバブルだったといえる。」
「輸出ブームがバブルであった以上、従来型の輸出主導での急速な景気回復は難しい。」

○楽観ムードは一時的
(米国経済の回復がカギ)
「外需依存型の日本経済が上向くには、米国経済の本格的な回復が不可欠だ。しかし、借入金に依存した米国の過剰消費構造は改善していない。」

○内需の下振れ懸念強く
「最も楽観的なシナリオとして『米国や中国の景気対策が功を奏し、新興国の一部に明るさが見え始め、日本経済の底入れは7-9月となる』との見方がある。」

高給取りのエコノミストがこんなレベルの見通し、予測しかできないというのはあきれたものだ。そして、日本の内需と言う事をほとんど述べず、未だに米国頼り。
米国の購買力、内需に頼るというのは未だに「輸出依存型」日本経済感覚から脱出していない感覚だ。

「竹中平蔵教授のオフィスアワー」「異様な姿の日本経済」では、「日本がなぜ低成長なのかという理由‥‥改革停滞によって成長期待が低下し、内需の伸び悩みと外需依存を招いたまさにそのときに、世界的な同時不況が襲ってきたからに他ならない。」
‥‥というのはある意味そうかと思わせるものの、
「欧州の場合は金融政策を重視している。イングランド銀行(英中央銀行)は昨年9月から累計4.5%政策金利を引き下げ、欧州中央銀行(ECB)も同期間に 2.75%下げた。日本を見れば、0.4%の引き下げにとどまっている。つまり日本は、財政政策も金融政策も小幅なのである。」
と日本のほぼゼロ金利政策をまだ引き下げが足りないと言うあたり、いわゆる典型的な「試験秀才・学校秀才」の部類の思考停止状態なのだと言うことが分かる。
たまには、先生から教わった以外の経済理論でも示せと言いたいが、米国という先生の「模範解答」がでない限り、思考停止は続くのだろう。

但し、「改革停滞によって成長期待が低下」はある意味正しいだろう。
改革とは戦後永遠と続いてきた官僚組織との戦いの元、無駄な規制を緩和して民間に出来ることは民間へという事は、ここ二年間の内に一挙に遠のいた感がある。
要するに、現政権の麻生氏と言うのは、官僚組織との戦いによる規制緩和による景気改善も、野党の「防衛アレルギー」というアキレス腱をも解っていない。
事実、「防衛」という面を強く押し出せば「野党は馬脚」を表し、「社民党」に至っては、野党でさえ苦笑する有様だ。

そして、この様に経済学者が分かっていないのは、景気低迷が続く事による国民感情の低迷だ。まだ、国民感情が冷え切らない内に早めの景気対策、内需喚起が急がれる。
正直言って、今選挙だなどと言ってはいられない。
出来るだけ早くの景気対策、内需対策をしなければ、消費は益々低迷するばかりだ。
そんなとき、自らの給料には困らない高給取りのアナリスト、論説委員氏と言うのは、日本経済を見て、他人事のように悪い冗談だとエイプリルフールを満喫するのみだろう。

未だに「日銀の量的緩和政策とゼロ金利政策」を待望する無策の経済論

2009-03-31 22:09:53 | 日本の経済議論
未だに日銀の量的緩和政策とゼロ金利政策

を待望する無策の経済論


近年日本にも再び不況風が吹くようになって、日本の政策はこれで良かったのかと「失われた10年」以降の経済対策について分析がなされている。
「『100年に1度』の経済災禍」が起きると、円安バブルが弾けて輸出産業は大打撃を受けた。それで経済人は円安誘導を主張し、円高が悪いという論調も多かった。
しかし、その円高とは無理な円安に揺れた、揺れ戻しであることが判った。
又、金融収縮によって円安にして輸出したところで物は売れないと言う事があきらかになり「円高」是正の論調も下火である。
もっとも、経済評論によって、今まで長く続いた「円安」というのは日本が低金利政策を続け世界に「金」を供給することによる「円安バブル」だったと言う事が明白になったのは随分前のことである。

円は世界中が高金利政策を取っている時に、日本独自の低金利によるために、例えば、あの金融バブルで崩壊状態になったアイスランドでは、円のローンを組むのが常識だったほどだ。

斎藤精一郎氏・(日経BizPlusコラム)第83回「経済政策の『万能神話』を斬る――L型の長期不況に真っ正面から備えよ!」(2009/03/30)
‥‥で、斎藤先生は、
「日本経済は02年2月から07年10月まで戦後最長の景気回復を実現したが、それは95年9月以降の日銀の長いゼロ%台金利政策の効果でも、02年以降の不良債権処理スキームの効果でもない。この回復の最大の要因は、本コラムで過去何度も指摘する、03~07年の『牛(=米国)に引かれた世界同時好況』による目覚ましい外需拡大だった。」
と結論づけている。
だから、金融バブルが弾けると「外需依存型」日本経済は「『本物の内発的な回復力』に乏しいことが露呈されてしまった。」
日本のバブル崩壊による日本の経済対策というのは、逐次投入による財政政策であって、欧米諸国は、「日本の轍を踏まず」と日本の失敗を鏡としているのだが、「大々的に未知な政策が繰り出されていけば、経済を本来向かうべき方向から逸脱させるリスクも大きい。」と警告している。
そして、いわゆる「学校秀才」が習った経済理論から逸脱した政策をした場合、その効果に関して彼らは予想も付かない。
その例として、「長期のゼロ金利政策や量的緩和策は、過剰な円安を惹起(じゃっき)させ、日本の企業を過度な輸出依存症に陥らせるリスクを伴う。現に非伝統的な金融政策が日本経済を過度の輸出依存体質にし、その結果、今次危機で日本経済は過剰な衝撃を受けているではないか。」と述べている。

日本のバブル崩壊のための経済対策として行われた‥‥
ゼロ金利政策、量的緩和策、財政出動による公共事業などは、無意味だった。
無意味な経済実験と言う事である。
それで、日本政府のエコノミストは無意味だった「ゼロ金利政策、量的緩和策、財政出動による公共事業」をどうするのかと言う点で事実上の思考停止をしている。
産経新聞2009.3.28 「【主張】21年度予算成立 「デフレ」脱却をゴールに」では、
「金融がグローバル化した今日、円資金の国際的影響力は想像を絶するほど大きい。円資金は2,001年から米住宅金融の呼び水となった半面、その供給を絞った2,006年から米住宅市況が崩壊し始めたことはデータの上で証明されている。」
‥‥と低金利政策による円安と資金供給が米国の金融バブルの遠因になっていることを明かしながら、以下のような矛盾した論調を繰り返している。

「米国の金融危機対策と連動させ、日銀が量的緩和政策とゼロ金利政策に転換すれば、米金融市場の回復を早めよう。」

「日銀の量的緩和政策とゼロ金利政策」は、過度の円安バブルとその円安に便乗した「日本の企業を過度な輸出依存症」に陥らせたのは間違いなく、これが「内需主導」への転換を遅らせている原因でもある。
先の社説によると、
「デフレ病だと自己診断すれば、初めて有効な処方箋(せん)が書ける。個人消費を中心とした需要の回復である。中途半端で小出し、ごく一部の層だけが受益する対策では意味がない。たとえば国民1人当たり100万円の還付金、あるいは大型減税といった大胆で満遍ない消費刺激策を一気呵成(かせい)に実行してはどうだろうか。」

と書くのだが、そんなことなら金利を上げて「金」をばらまけとなぜ言わないのか。
今や金利は、金の貸し借りとは関係ないところにきている。
多分、こういうのはケインズ理論に合わないのだろうが、既に「日銀の量的緩和政策とゼロ金利政策」は、ケインズ理論の埒(らち)外にあると言う事を肝に銘ずる必要があるのではないか。

50年遅れた経済学で景気浮揚を試みる日本の惨状

2009-03-21 00:11:50 | 日本の経済議論
50年遅れた経済学で景気浮揚を試みる日本の惨状



米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、今後半年間に中長期の国債を最大3000億ドル(約29兆円)を買い取るとともに、現在0-0・25%に設定しているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を据え置き、事実上の「ゼロ金利政策」を維持することを決めた。(産経新聞Web)

米国は、なぜか「ゼロ金利政策」を続ける様なのだが、どう見てもこの政策の効果がない。
なぜなら、「ゼロ金利政策」の実行に関して米国の経済学者は経験も又、学校で習ったこともないはずだからだ。
それで日本と言う「米国経済学の実験場」での「ゼロ金利政策」を手本として、日本流なら何とかなると思っているのかも知れない。
ところが、日本のバブルは「不動産」という実体のある金融資産を元にしたものなのに、米国は「債権」という実は紙に印刷されたものでもなく単に、パソコンに数字が並ぶようなものだ。
要するに実態がない。だから「ゼロ」と言うこともあり得る。
一方、実態がある不動産は、例え価格が極めて安くなっても原野商法でもない限り「ゼロ」にはならないし、山林は兎も角もしかるべき土地なら利用も出来る。

それでも日本は、高値の不動産を差し押さえ競売で叩き売って、損失を処理した。
その不良債権の処理というのは、地方の零細不動産屋にまで及び、バブル時代に大儲けしたような不動産屋はとっくの昔に丸裸にされて破綻し、破産した。
競売、任意売買、整理で結果として、安い不動産がで廻ったためにそれに連れて土地が下がり、下がる土地は誰も買わないから益々下落。
資産デフレに陥ったままと言うのが今の現状だ。
だから日本は不良債権を精算するにあたり、「ゼロ金利政策」で国民に払われるべき利子が銀行救済として金融機関に流れた。
その額は、10年間で凡そ600兆円から1000兆円と言う額だ。
今でも「低金利政策」が続くのだから今は1000兆円を優に超えているはずだ。
これだけの資金を国債ではなく国民の金で償却に廻したと言うことは、米国でFRBが「米国債29兆円購入」と言っても焼け石に水。
完全に処理するためには、日本のように1000兆円以上必要だ。しかし、これを米国債で賄う事は出来ない。
結局、米国ではAIGやGM、シティくらい潰して世界中に負債を背負って貰わなければ立ち直れない。
米国というのは、日本経済の実験をつぶさに見ているはずなのだが、見ているのは「債権」だけで米国経済の指標にない「不動産」、「預金金利」と言う視点を全く無視している。
日本の様な失敗を恐れて、支援を続けているAIGやGM、シティだか、遠からず限界に来る。
米国も「試験秀才」の経済学者が思考停止してしまったためにこんなことになってしまったが、日本の惨状は更に酷い。

その酷い認識というものは、日本と言うのは「貿易輸出国」であると言う認識だ。そこに抜けているのは日本は米国に次ぐ第二の消費国という視点である。
米国がダメなら日本へといつこの間には、H&Mが、そして同じく衣装品通信販売会社が日本進出をした。
車だって、ドイツのVWが「欧州車、本気の日本攻め VWが新『シロッコ』発売(産経)」
「欧州の自動車各社が日本市場に相次いで新型車を投入し、冷え込みが続く需要を積極的に掘り起こす戦略を本格化する。」
「メルセデス・ベンツやBMW、アウディが相次いで新型車を発表。5月にはプジョーの新型車「308CC」が投入される。」
「ウディは、今後、都市圏の店舗を増やしていく計画だ。世界的な自動車の販売不振を背景に、販売網のリストラを進めるメーカーもあるなか、アウディの日本法人は『多くの顧客層を取り込むチャンスを広げていく戦略をとる』と明快だ。」

諸外国から見れば、有望なのは日本しかないのは間違いない。
何と言っても、日本人は金の支払いがよいから信用があるというものだ。
しかし、日本政府は日本経済の内需拡大を模索していない。
未だに「景気循環論」でも考えている愚かな経済学者はいないだろうが、バブル経済崩壊の時は、当時の経済企画庁では「景気循環論」で固まっていた。
長官は故高原須美子氏だったと思うが、退官後の講演会では唖然とする「耳学問」の不見識さで驚いたものだった。
なぜなら、不動産が低迷して不景気になっているのに「総量規制」には賛成という立場であり、「不動産は価値が無くなればよい」という意見だった。
これは当時の建設経済研究所常務理事・長谷川某氏と同じ考え方なのだが、今なら「冗談」のような話だ。

日本経済を巡っては、この様に日本の経済学者、シンクタンク共に日本経済の根幹について認識していなかった。
今の現状を見れば、未だに「米国の模範解答」を待っているという状態だと想像が付く。
なぜなら、「ゼロ金利政策」で景気浮揚出来なかったのに、未だに「ゼロ金利政策」を続けようとしていることだ。そして、米国も古い経済観念をもって「ゼロ金利政策」に突入している。
経済というものは「ゼロ金利政策」や「量的緩和によるマネーサプライの増減」と言うのでは全く意味がない、と言うことに気がついていない。

日本に金融資産が1500兆円あると言うのなら、好景気にするには単に利上げしてやればよいことだ。
3%で45兆円。その内9兆円が税金としての取り分だ。
世の中に、35兆円の金がばらまかれ税として9兆円の税収があれば、消費税をゼロ、相続税をゼロとしてやって行ける。
当然、円高で安い商品が日本中に溢れ、消費税ゼロだから安くなる商品に殺到する心理の日本人なら、景気は回復する。
そして、景気が回復すれば、企業も多少高い利子でも充分支払えるというものだ。

但し、金利を上げて好景気にするには早期にする必要がある。
なぜなら、景気低迷が長引くと消費経済という国民の意識が戻らない。
国民無視の政治を繰り返している、今の官僚資本主義国日本には無理な相談なのかも知れない。

公明党景気対策・アナログテレビを2万円国が買い取る案一夜で撤回

2009-03-17 23:26:47 | 日本の経済議論
公明党景気対策・アナログテレビを2万円国が買い取る案一夜で撤回

「第2の定額給付金」と言われた買い取り案は、いわゆる公明党の「結果の平等」主義に葬り去られた。
本当のところ、あの「定額給付金」より初めからこちらの「買い取り策」の方が経費がかからず景気対策になったろう。
やり方だって、カメラ製品(たとえばSONY http://www.sony.jp/dslr/cb/index.html)が良くやる「キャシュバックキャンペーン」のやり方を利用すれば大して経費はかからないはずだ。
家では地デジ液晶TVを買ってしまったというのなら、他の電気製品なら良いとすれば不公平感はなくなる。
そうすると、「地デジ対応テレビを購入済みの人との公平性の問題や、買い取り策の実施まで消費者が買い控えて年度末の商戦を冷え込ませる懸念があると指摘した。(山口那津男政務調査会長)・産経新聞」と指摘するが、期間を遡って適用すればよいこと。
手続き上はどうにでもなる。
再三言う様に、耐久消費財を買わない人達に金を配っても景気対策にならないと言うのは分かりきった事だ。
家でも、VHSビデオが壊れたからDVDレコーダーを買う??
ここで、2万円の「買い取り策」があるのならいっそのこと液晶テレビもと思ったが、一晩で取り下げたから、何とか使えた古いVHSビデオに入れ替えるだけにした。

日本の景気対策というのは、何やら何の役にも立たないことばかりだ。
高速道路の割引きと言っても、ガソリン税を安くすれば済むこと。
日曜日の渋滞の中わざわざ遠くへ行く人もいないだろう。省エネ、地球温暖化など叫んでいるのに車を使わせようというのだから矛盾している。
省エネ、地球温暖対策ならドイツの様に古い車を新しい車に買い換えることを支援しても良い。しかし、そんな話は出で来ない。
車を買い換えるというのは、単に新たな税負担を背負うから国は事実上の税を直接払うということはない。
いずれにせよ、国民一律に金をばらまくと言うほど非効率な事はない。
こんな非効率な発想こそが、元々何も自分では消費しない中央官庁の「官僚」と言う人達が考えることだ。
よって、官僚のメシの種の「税金」の減額、減税による景気対策と言うことは一切出で来ない。
減税せず取り立てた金をばらまくというのは、バラマキには「バラマキ」の方にメリットがあるからだろう。

それにしてもEUなども最近利下げに移った。
利下げすれば景気が上がる?と言う神話は、とうの昔に潰えているのに利下げに走るというのは、「米国のマネ」をするというのが世界の金融担当者の常であることを暴露してしまった。
しかし、彼らはゼロ金利政策下の経済というもの検証していない筈、少なくとも誰も学校で習っていないはずだ。
学校で習っていないことは、お手本となる誰かのマネをする。
経済の先生の「米国のマネ」をするというのは、日本でも同じことだ。

日本がゼロ金利政策を行ったために、長期デフレから抜け出せないだけでなく国民から過大な資産が消えて亡くなったと言うことを誰も検証していないのだろうか。
デフレになったり、景気が悪くなると言うのは単純には流通している金が、又は国民の資産が目減りしたということに尽きる。

日本の景気対策の見窄(みすぼ)らしい有様

2009-03-05 15:43:58 | 日本の経済議論

日本の景気対策の見窄(みすぼ)らしい有様

例の定額給付金の財源関連法案が衆議院で再議決され「国民1人あたり1万2000円が順次、各自治体から支給されることになった。」
こんな「定額給付金」で景気対策になるというのは無意味だというのは世論では常識になっているところである。
まして、税金も払わない、定住もしていない所謂ホームレスにまで支払われるとなると、景気対策ではなく単なる「生活補助」と言うもの。
国を作っているものの基本は「税」である以上税を払う人に還元と共に、「金」を使って貰うと言うのが(景気対策として)正しいのではないだろうか。

車が売れないと言うので、自動車会社で色々な特典を提示しているが精々100,000円止まり。ドイツの様に「スクラップ奨励金」と言って、「1月末から、旧式車を最新の排ガス規制対応車に買い替えた場合、2500ユーロ(約30万円)の補助金支給を開始。」という大胆なことを政府がやるような感じはない。
フランスでも給付があったようなのだが、日本では「よい子ブリッコして」ハイブリッド車などの高価な車にだけは多少安くするという程度。
ところが、このハイブリッド車が廃棄されるときの多分高額な処分費などはそのままの感じなのである。
実際、電池がどのくらい持つのかと言うと実際の耐用年数から見て新車で買って5年か。古くなれば電送系統から漏電するのでどこまで使えるのか不明。
そして、月に1000km乗らない人にはハイブリッド車などは無用の長物だろう。
だから実際東京のサンデードライバーなど必要ない。
EU諸国では、日本のように自動車重量税などかかったりしないから現金支給と言う事になろうが、日本なら自動車重量税、自動車取得税、そして消費税くらい負けてやれば大した手続きなしで景気対策になる。
車‥‥例えばトヨタのVitz RSだと1,638,000円だが、今流行のナビ、ETCその他を入れてやれば361,200円にもなって総額1,999,200円。これに税金保険料他233,970円で‥‥…
なんと2,266,170円。
これは、多少高すぎる車設定とオプションと値引きなしだから、実際は200万円ぐらいというものだろう。
ここで、自動車重量税、自動車取得税の合計が126,900円。
 消費税が95,200円。
合計で、222,100円と言うわけだ。
それに、地方によっては100,000円の補助金がついてやっとドイツ並み。
日本の景気対策というのはお寒い限りだ。
「定額給付金」ではなく10,000円以上で使える消費税無料券でも配って、家電、地デジなどでも消費して貰えば良いと思うのだが、減税というのは官僚の大嫌いだ。
なぜなら、車関係の税金を減税してしまえば、車にかかる税金がこれだけ高いと言うことが実感として国民に浸透する。
次回、元に戻すという増税するときに国民から反発が出ると言うのを恐れると言うものだ。

それにしても、国内消費拡大が第一の優先課題であったはずなのに、昨年から消費税値上げばかり言っていたのは、どういうのだろう。
消費税値上げは、消費を冷えさせて景気の足を引っ張る筈なのだから不思議なものだ。
それは、間違いなく、政府は「景気判断を間違えていた」というのは紛れもない事実。
新聞マスコミも「消費税値上げ」を明言するのがよいとしていたが、もしそうなったら新聞マスコミでさえも、購読中止やCMの引き上げなどは避けられないことは分かっていなかったのだろうかと不思議に思う。
但し、いつも言うように新聞各社論説委員氏は、高給取りで我々庶民とは住む世界が違う。
彼らが住む高層ビルの天界から下界を覗いて物を言っているようなのは、常々感じることだ。


内需主導と言いながら、円高を嫌う経済評論家

2009-02-27 00:00:29 | 日本の経済議論
内需主導と言いながら、円高を嫌う経済評論家

輸出中心のビジネスモデルの
日本企業の危うさ 3


最近の新聞の特集は、投資ということから一転して「貯蓄」に変化した。
デフレの時は「現金」というのは常識だから貯蓄なのだ。
しかし、少し前の「金融バブル」では、貯蓄から「投資」へと日本経済がデフレから脱却していない中で宣伝され、実際それに乗って虎の子を失った学校法人なども多い。
考えてみれば、日本がゼロ金利政策を実施したのに景気が上がらず、高金利だった米国その他の国の景気が良かったと言うのが不思議な現象だった。
本来経済学ということの根本を理解した人物なら、それだけで日本の低金利政策というものが誤りであることに気づく。
見るところ、低金利政策が誤りだと言った経済評論家はいない。
それどころが日経新聞論説委員氏は以前述べたように0.25%の利上げでも間違いだったと今でも主張する。
もっとも、日本の学者というものは「需要と供給」の原理も利子がお金の廻る潤滑剤であることも分からないようなので経済原理以前の問題だ。

読売新聞2009年2月26日朝刊(13版)に‥‥論点‥‥「内需主導の経済志向を」の大見出しの上に、「不況下の春闘」と言うものがあった。
論じているのは経済評論家・横溝雅夫氏(元・経済企画庁)。
ここで、今の金融危機において「自動車や電機産業の労働組合は、4,000~4,500円の賃上げ要求を行った。」と書く。
ここでくどくど賃上げ要求の理由を書くのだが、日本政府の考え方と同じように「戦後最長の景気拡大期」とリーマンショックまでの景気を高く評価する。
しかし、それは「かげろう景気」と与謝野氏によって名付けられたように、一部の輸出産業のみが景気が良かった「金融バブル」だった。
この「かげろう景気」をゼロ金利政策を擁護するために、その賜と言ってしまう経済評論家もいることを見ると、日本の経済学者というのは相当に「帝国軍人参謀」化している。拡大解釈をすれば「円キャリートレード」による金の環流とも言えるが、それは「負」の解釈、低金利政策の失敗をも意味する。
もとの「論点」に戻ると横溝氏は「中長期的には、‥‥、消費など内需が主導する構造に改めることが、強く求められていると考える。」という。
ここで、「中長期的には」と言うことは、「消費など内需が主導する構造に改めることが、強く求められていると考える。」が今現在はしないと言うこと。
輸出主導をあくまでも推し進めるという考えだと言うことである。
なぜ即刻出来ないのかという「論点」になると、「市場原理主義」を廃止又は修正しない限り出来ないと言いきってしまう。
その上、「市場原理主義が先進国で跳梁(ちょうりょう)した結果が、今回の世界同時不況なのではないか」と「坊主憎くけりゃ袈裟まで憎い」という言いがかりをつけている。
ここで内需主導にするにはどうすべきか、一般人なら直ぐに思いつくことが「経済評論家」氏には思いつかないのはどういう事なのだろうか。
内需主導というのは、停滞しているところを庶民の手が届きやすいように減税し、しかも金利をある程度上げて国民の間に金を流してやるしかない。
金利が上がれば、預金、貯金のあるお年寄りは助かるだけでなく、孫に小遣いでもやれる余裕も出来る。
要するに、日本経済が動くと言うことだ。
読売新聞の論点では、最後には社会主義的政策に言及し、国民生活向上に直結する円高を避けて「国民生活重視の路線が国際競争力を阻害する懸念に関しては、過度の円高を避けるる配慮が常に必要である。」と又元の外需頼りに立ち戻る。
はっきり言えば良く分からない論点なのだが、「過度の円安バブル」に言及しなかったところを見ると、未だに「円安になれば景気が良くなる」という考えの持ち主かも知れない。

今のデフレ経済と言うのは、利子という国民へ渡す金を金融機関の「不良債権」処理のために使ったことによるものである。
そして、その金は12年間で少なくとも概算500兆円ほど消えたことになる。
そんなにも国民から金がなくなれば、デフレになるというのは当たり前だろう。
今、日銀がしていることと言えば、民間企業が出している社債を買い取る直接金融をしている。
要するに、政策金利というものは有名無実化していると言うことだ。

官僚ならぬ民僚が跋扈する日本の危機

2009-02-26 00:52:55 | 日本の経済議論
官僚ならぬ民僚が跋扈する日本の危機

輸出中心のビジネスモデルの

日本企業の危うさ 2


2009年2月25日の朝の報道番組では、「阿久根市長 市職員年収をHPで公開」した事に対しての特集をやっていた。
鹿児島県阿久根市というのは黒字の市だと言うことだが、税収20億円なのに対して「給与と手当だけで17億3千万円」+α(さるさる日記http://www5.diary.ne.jp/user/521727/)なのだそうだ。
そして、市の一般的な企業の会社員の給与が年収200万(TV報道)で、「さるさる日記」に寄れば「社員200名を抱える企業の取締役経理部長」の給料が「私の給与は月30万 年収で360万です。 ボーナスもないしもちろん残業 休日出勤手当てもありません。」という。
そこで阿久根市の職員の給与は「年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨しているのだ。(さるさる日記)」
こんな状況から見る限り、この市では住民サービスというのはほとんどやっていないのだろうと推定が付く。
ところがテレビ局が阿久根市の住民に尋ねてみると、お年寄りほど「お役人様」という感じなのである。日本には、未だに住民本位の民主主義が根付いていないところもある。
実際のところ、住民は只気がついていないということだけなのかも知れないが。
それで、市長は給与削減で、「教育費」に金を使いたいと言うこと足そうな。
この発言で、その市の実情が良く分かると言うものだ。
日本テレビ「スッキリ!!」では、テリー伊藤氏が「市職員年収をHPで公開」するのを大賛成としていたが、別のコメンテーター(ヤメ検との話)は何故か批判していた。

公務員というのは、ハブルの時には景気が良かったから相対的に給与が下がり、不景気の時には逆に上がるもの。実際はそれだけではなくバブルの好景気後に、給与待遇が悪いというので給与水準が上がった様に記憶する。しかも例の人事院勧告で毎年のように給与が上がった。
そこで本当はカラクリがあって、公務員は倒産というリスクも少なく、年金という部分では退職した年から貰えるような特典があった。
それを単なる給与という部分だに焦点を当てて、しかも大企業水準で人事院勧告を行ってきたというのは大きな誤りだったろう。
今考えてみれば、給与が高かった大企業はリストラ、配置転換で安穏とその地位を保つことさえ難しい。

それでは日本の景気対策はと言うと、この半年何をやってきたのかと思えば何も政府はやっていない。その上、景気対策と言えば公共事業だ例の「定額給付金」だというほとんど効果がないと分かっている従来型の景気対策しか無い。
そして、例の「整備新幹線」という無用の長物が浮上している。
この整備新幹線を作り続けると言うことは、第二の国鉄を作ることであり、あの「四四架橋」の問題点を何も考慮しないと言うことに過ぎない。
過去の失敗を考慮しないで、成り行き任せで「失敗」を繰り返すというのは、先の戦争での大日本帝国軍人の行為であった筈。
今の中央官庁の役人は、軍人、自衛隊嫌いの様だが、自分たちがやっていることが軍人官僚がやっていることと同じというのはどう思っているのだろうか。

報道では、「1月の自動車国内生産、40%減…4社が下落率最大」(読売新聞)という。
以前から言っている通り、日本だけが車関係に関して政府として対策を打っていない。
地方では、地域の工場の会社の車を買えば10万円を補助するとか、公用車をその会社のものにするとかということをしているが、正に「焼け石に水」。
又、ハイブリッド車への助成をしていると東京や政府はいう。
しかし、ホンダが安いハイブリッド車を発売したとしても、今や必需品のカーナビ、ETCをつければ楽々200万円を超える。
実際の乗りだしで、プリウスならフル装備で計算したら¥3,437,520(消費税抜き ¥3,287,790)だった。(優遇税制込み)
こんな車をおいそれと買えるわけがない。
庶民が買うのは、込み込みで200万円以下というのは当たり前の話。軽なら150万円以下だ。その上もこんなハイブリッド車は、山間部が多い日本では使いにくい。
雪が降る場所では気温によるバッテリーの能力低下、降雪による動力性能の不足。
こんな車が売れると思うのは、自動車免許も持たず、当然都心に住む車に乗らない「官僚・役人」ぐらいなものだろう。
何と言っても、先に述べたように庶民民間に比べて「高給取り」だし。
そして、政府が国内需要を掘り起こすと言うことをする気がない。
ここで政府と言うが「麻生政権」というのは単に役人が「麻生氏」という被り物を被って、政治をやっているようなものだからろくなことにならない。
あの「田母神俊雄・前航空幕僚長問題」のでくの坊の防衛大臣の体たらくを見れば、操り人形の「糸」が見えるようなのである。
結局、麻生政権というのは「役人の手法」であるために、必ず後追いの「対処方法」、「既定の概念・事例主義」。
そして、酷いのか何もしないと言うことである。
日本企業というのは、なぜ大消費国日本という国内を無視して、未だに米国を中心とする海外へ輸出に依存しようとするのか、実は妙なのである。
そして、自動車のトヨタにしろ、液晶テレビにしろどう考えても日本では消費出来ないようなものを作る。
トヨタのレクサスなど元々米国の富裕層向けの車だ。
経済に関して、いままでどの様にしたらよいのか何も研究せず、米国から指示させるか教えてもらうしか何も出来ない日本の経済学者、為政者。
この人達は本来日本の指導的立場から去るべきだろう。
しかし、誰も不景気の責任を取って止めた人物はいない。
丁度、マッカーサーの占領政策を自らの地位を守るために擁護推進し、占領後に全て頬被りした学者、政治家と全く同じである。

創造することが出来ず、先生が教えたことしかできないのが日本の「経済学者」というのは、日本の教育の大欠陥なのだろう。