10月20日(月)朝、家を出るときは曇り空でした。
11時半過ぎの特急サンダーバード、
京都を出てから車窓に雨が当たりだしました。
これから三日間、雨の「北陸路を往く」、旅の始まりでした。
降り立った小松駅西口広場は本降りの雨でした。
駅前の風景は、私の記憶に無い立派な駅に変わっていました。
と言うのも、この駅には深い思い出があります。
終戦の年、当時、中学校1年生だった私は、縁故疎開でたどり着いた
山代温泉から、この小松市内にあった県立小松工業学校へ約2年間、
下駄履き姿で汽車にかじりついて通っていました。
当時の駅の面影が無いのは、年月の経過による、
当然のことかもしれません
この日は、知人の老舗和菓子店のご主人の出迎えを受け、車でお宅へ伺いました。
隣の家を買い取られたご主人は、和菓子店のほかに、隣のスペースも
焼き物や絵画の愛好家の展示場にされていました。
そして、私が通った工業学校の跡地へ案内してもらいました。
場所は、市内の中央部、「向野地方(じかた)2-29」。
現在は、「桜木町」という地名になり、大きな石碑が立っていました。
終戦を迎えたのもこの土地でした。
小松の駅からは徒歩で、2キロ弱の距離でしょうか、
もう、校舎は、ありません。
約70年も前の思い出の土地です。
当時の記憶は、薄れてはいますが、ここへ通っていたのです。
雨は止むことも無く、降り続いています。
それにしても、人口11万弱の小松市内は、
道路の道巾が広く、よく、整備されているのには驚きました。
小松市内から加賀市勅使にある、お寺、「洗心寺」に寄って、
雨の中を粟津温泉へ向かいました。