8月3日、突然、私の携帯にかかってきた電話は、いちばん上の孫からでした。
「今、茨城空港、これから中国に向かって出発する」という、
いささか要領の得ない内容でした。
聞いていくうちに次のことがわかってきました。
これから1ヵ月以上をかけて、西への旅に出る。
スケジュールは、パソコンでわかるようにする。
帰国は、多分、9月に入るだろう。
とのことでした。
その彼が、9月6日の午後1時、入院して手術を受けたばかりの
私の携帯へ、また突然、電話をかけてきました。
今、関西空港に帰ってきた。
これから、そちらの家へ行きたいが、いいだろうか。
との問い合わせでした。
もちろん、「否や」はありません。
横にいた家内と話をさせ、家内は、自宅へとんで帰りました。
退院後わかったことですが、21歳の若者は、11キロを越えるリュックを背負い、
ゴムぞーり姿で、自分の英語の力がどこまで通用するか試すため、35日間の一人旅に
挑戦したのです。
リュックの中には、デジカメ、スマートホン、パソコン、キンドルという電子ブック。それに磁石、自転車の盗難防止チェーン、トイレットペーパー、洗濯バサミから、洗濯物を吊るす紐まで、
なかなか用心のよい世帯道具が入っていたそうです。
そして、撮ってきた写真が約500枚。
旅のつれづれの写真ですから内容はともかく、私の一存で、よさそうな写真を数枚ずつ、
彼がたどった道を追ってみたいとおもいます。
まずは、最初の目的地、上海です。
(つづく)