遠く欧州の北の街。南欧では熱波が続いているのにも関わらず、ここは天候が不安定。最高気温21℃、最低気温14℃、突然激しい雨が降ったりする。
朝7時45分より実験を始める。テクニシャンのAさんはもう実験を始めている。彼女は私とほぼ同年代だと推定される。とても親切で、困った時は相談にのってくれる。
朝一番で実験を仕掛けて、少し早めに昼食。実験室に戻り、再開。細かいステップの多い実験で、気が抜けない。
午後には、実験室に学生のBさんやテクニシャンのCさんも加わり、賑やかに。さらに、ラジオのスイッチを入れるBさん。「キシマ先生の静かな時間」を好む私にとっては別世界のようではあるが、「郷にいれば郷に従え」かな。
研究を始めたばかりのBさん。その姿が札幌の院生達と重なる。
時間が流れ、遅めの午後になると、ラジオから聞き覚えのある女性の声が聴こえてきた。声の主は、アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所の所長。彼女は、どうやらバービー人形のモデルになったらしい。社会で活躍する女性のロールモデルと言うことらしい。
アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所(AWI)は、ドイツ・ブレーメン州ブレーマーハーフェンにある研究所で、大陸移動説のアルフレッド・ウェゲナーの名を冠している。1,000人を越える職員数とのことで、巨大な研究組織を束ねるのは容易ではないであろう。




低温科学研究所は、アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所との間で部局間交流協定を締結しており、創立80周年記念式典の際はAWIから砕氷船Polarsternの写真集が贈られた。AWIは、低温研の研究分野と重なっており、今後更なる連携が期待されている。

夕方、激しい雨が止み、空が明るくなる。本日の実験結果を眺める。うーむ、微妙である。Jさんと相談し、明日の実験の方針を立てる。ふと、ミヒャエル・エンデの「ネバー・エンディング・ストーリー」(原題「Die unendliche Geschiche」)が頭をよぎる。
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