福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

たいしょく防止

2023-07-01 02:09:37 | 研究室紹介
蛍光色素で染色した微生物細胞を落斜蛍光顕微鏡で観察。その際、励起光を照てた色素からの微弱な蛍光の減衰を、いかに遅くさせるかが観察のコツ。20年前までは、CITI Fluorをスライドカラス上の試料に封入剤として添加し、カバーガラスをのせて観察していた。

その後、マックスプランク海洋微生物学研究所に留学していた石井浩介さんから、「VECTASHIELD(ベクタシールド)」をCITI Fluorに混ぜて使うと、蛍光色素の退色防止に良いですよと教えていただいた。

Kousuke Ishii, Marc Mussmann, Barbara MacGregor and Rudolf Amann. An improved fluorescence in situ hybridization protocol for the identification of bacteria and archaea in marine sediments. FEMS Microbiology Ecology 50: 203-213. 2004. https://doi.org/10.1016/j.femsec.2004.06.015

それ以来VECTASHIELD(ベクタシールド)を使っているのだが、10 mlで40,000円。高価な試薬である。



今日の実験は、あまり上手くいかなかった。諦めるか、それとも、粘り強く立ち向かうか? もちろん不断の努力を続ける。「たいしょく」防止効果バツグン?