ロンドンの高級住宅街に住む女性実業家Andrea Devernは、夜8時ごろ帰宅するが夫も娘も帰宅していないことに気づく。2人で買い物にでも出かけたかと考えている時、携帯電話に娘を誘拐したという電話がかかってくる。パニックに陥った彼女に誘拐犯は、48時間後、身代金50万ポンドと引き換えに娘を返すと話し 、警察には連絡するなと警告する。すぐに夫に緊急事態を告げようとするが何度かけても留守電になるため、彼女は彼もまた事件に巻き込まれている可能性を疑う。1人で誘拐犯と取り引きすることに不安を感じた彼女は思い悩んだすえ、十数年前に不倫関係にあった男に連絡をすることを決断する。Jimmy Galanteという男は武装強盗と麻薬取引で 生計を立てる暴力的な男だったが、その容姿で女性を惹きつける能力を持っていた。今、スペインに逃亡している彼は、最初、彼女の救助の要請に冷淡だったが、誘拐された娘は彼の娘であるという告白を受けて、共に誘拐犯に対処することに同意する。
Jimmyは一人で来るように要求されている身代金の受け渡しに同行することを主張する。万が一、彼らが身代金だけを受け取って娘を返さない場合に備えて身代金の行方を監視すると言って。そして、身代金引き渡しの時、事態は最悪に向かう。誘拐犯は身代金を奪うと共にJimmyを殺害、約束を破ったとしてさらに50万ポンドを要求する。事態にパニックに陥った彼女は交通事故を起こし警官に職務質問されて、誘拐事件について話す。
SOCA所属の刑事Mike Boltは9月の金曜日の早朝、、誘拐事件発生の知らせを受ける。事情聴取に望んだ彼はその女性がかって彼が愛した女性であることに気づく。心の動揺を隠して尋問を終え2人になった時、彼は彼女も彼に気づいたことを知る。そして、誘拐犯からの電話を受けた場合の対応を整えるべき、二人で打ち合わせをしている時、彼女は彼に衝撃的な告白をする。警察は誘拐犯がすでに人質を殺している場合や身代金を受け取ったら人質を殺してしまう可能性を考えて、人質を無事に取り戻すという言質を被害者の両親に与えることを規則で禁止しているにもかかわらず、彼はその告白を受けて、警察官としての一線を超え、彼女に娘を無事連れ戻すとことを誓い捜査に全力をあげる決意をする。
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誘拐を扱ったストーリーは、人質がどうなるのか?救出までのタイムリミット。身代金の受け渡しの方法・・・ここで捕まっては物語が盛り上がらないから・・・どうやって警察の目を逃れて金を奪うのか?などに引き込まれて一気に読める。
この本はTinaのシリーズの一冊になっているが。誘拐された少女の母親が10数年前に彼が恋に落ちた女性だと知り、普段通り の捜査が出来ず、刑事と私人との間で悩み、当惑する彼女の上司Mike Boltがメインのストーリー。
またAndreaのキャラが魅力的だった、娘を救うためにあらゆる手立てを尽くす母親としての姿、強さに驚嘆した。
誘拐犯がなかなかわからず、いろいろこちらも推理したけれど、こちらの予想外の展開で最後の最後まで冷や冷やさせてくれた。
E-book(Kindle版) ★★★★ 490ページ 2008年4月出版 500円(2016年購入)
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