気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

All I Did Was Shoot My Man by Walter Mosley

2013-08-11 09:12:37 | 読書感想

昔、俺はParole officeに勤める元彼女のGertと組んでマフィアやプロの犯罪者の依頼を受けて、文書を偽造したり、証拠を捏造したりして、Gertが選んだ犯罪者を彼らが犯した犯罪の犯人にでっち上げていた。そのGertが 俺たちが犯人と仕立てあげた男の娘によって殺されてから、俺は その仕事から手を引き、まっとうな探偵として女房、子供のために働いている。

しかし、俺は今、そのころ犯人に仕立てあげた女が8年の刑期を経て、刑務所から出てくるのを待っていた。
今から9年前、Rutgers保険会社を強盗が襲い、5千8百万ドルを奪う事件が起きた。ガードマンの一人Clay Thornが内通者と分かったが 彼はその場で射殺されており、他の犯人の行方と金の行方は分からないままだ。
そしてその直後、相棒のGertのところにStumpy Brownという男が現れた。そいつは強奪された金の一部を持ってきて、犯人をでっち上げて欲しいと俺たちに依頼した。
そのでっち上げた女が 今、俺が待っているZella Grishamだった。強奪事件の6日後、Zellaは 彼女の夫が彼女の親友Minnieと浮気している現場に出くわし、夫に向けて銃を発射し、怪我させたことで逮捕された。世論は彼女に同情的だった・・俺たちが彼女を強奪犯の一人とでっち上げるまでは。

彼女が妊娠中であることを知り、俺は彼女を犯人にする事に良心の呵責を感じたが Gertの頼みに逆らえず、Stumpyが持ってきた金をZellaの保管庫に入れてから 警察に匿名の電話をかけた。ただ、俺たちがでっち上げに成功した後、Stumpyは俺たちを殺そうとするのではと不信を持っていた俺は 密かにStumpyが用意していた札束に付いていたClay Thornの血痕を第三者の血痕に換えておいた。

警察の雑な捜査のおかげでZellaは強奪犯の一人と見なされ共犯者の名前を言うように尋問される。 彼女は自分は夫を撃っただけで強奪事件とは関係ないと主張したが、強奪された金が彼女の保管庫にあったことから16年の刑を宣告されてしまった。
数年後、このことに関して後味が悪い思いをしていた俺は友人であり、弁護士でもあるBreland Lewisにすべてを話した。Lewisは彼女に会いに行き、自分を彼女の弁護士に指名させ、8年の刑期を過ごした彼女を釈放させるよう判事に請求した。そして、俺は彼女が釈放されて出てくるのを待っていた。

しかし、Zellaは出迎えた俺に非友好的だった。彼女は 突然接近してきたLewisが、彼女が強盗事件の実行犯であり数千万ドルの金をどこかに隠していると思って弁護を引き受けたという不信感をもっていた。夫の浮気から始まった彼女の身の上に起こった一連の不運の出来事を考えると彼女の態度も無理もないと思い、俺は LewisがZellaのために用意した部屋の地図と当座の資金、そして俺の名刺を渡して Zellaが去るのを見守っていた。
しかし、その夜遅くZellaは俺に会いたいと電話してきた。俺とLewisの好意に不信を抱きながらも、彼女が頼れる人間はこの地球上に俺以外いなかった。彼女は昼間の俺に対する無礼を詫び、入所中に彼女の頭を離れなかった二つのことを俺に依頼する。一つは、生まれたときに養子に出した子供の行方、もうひとつは謝罪するために元恋人を探すこと。

彼女が釈放されたことで 強奪された会社の調査員、警察などが動き出した。俺の過去の経歴を知っている調査員や警察は俺が彼女を釈放させたことで 事件に俺が関与しているのではと疑っていた。
周囲の喧噪など気にせず 俺は彼女の裁判をやり直しさせるべく強盗事件の調査を開始する。

この事件を調査しようと考えたとき 俺は裏社会ではNo1の強盗のプロとして知られるBingo Hamanが頭に浮かんだ。しかし、彼は3ヶ月前に何者かによって銃殺されていた。彼が実行犯かどうかは 俺たちに金を持ってきたStumpyに聞けば分かると考え、俺は情報屋に1000ドル払い奴の居所を聞き出し、そこに向かうが、すでに奴は殺されていた。奴の体には拷問の後が残っていた。
Stumpyを拷問した男たちの目的は 金の隠し場所を聴くためか、それとも強奪実行犯が、彼らにつながる糸口を絶とうと考え、Zella をスケープゴートに仕立てあげたのは誰か問いただすためか。 Bingoが拷問されずに殺されたことから考えてどうも後者の可能性が高い。そしてGertがいない今、どうも、俺が殺しの次の標的になりそうだ。

*********************************************************************

最後はあっけなかった。盛り上がりがちょっと足りなかった。
登場人物が多すぎて誰がだれだか混乱する。強盗に関係する人物、息子の初仕事にもなる金持ちの息子の素行調査に関する人物、家族に関係する人物。

今時の探偵にしては珍しく車を運転して調査を行うのではなくタクシーや電車を利用して目的地に向かうのはユニークだった。

主人公のキャラクターはかなりユニーク。素手で相手を殺すほどの凄腕の黒人探偵、依頼人も今は弁護士だが、数年前まではマフィアなどの犯罪のプロ、そのため今でも裏社会に幅広い人脈を持っているというかなりユニークなキャラクターで興味深く読んでいける。

★★★ Kindle 881円


コメントを投稿