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The Girl with the Dragon Tattoo

2009-05-25 18:53:49 | 読書感想

The Girl with the Dragon Tattoo by Stieg  Larsson

経済雑誌『Millennium』の共同経営者で主筆であるMikael Blomkvistは スウェーデン国内で有数の企業を経営するHans-Erik Wennerstromを誹謗中傷した記事を書いたとして有罪判決を受ける。
自分が主筆に留まることが 雑誌の信頼度に影響することを心配した彼は 共同経営者のErika Bergerにしばらく職を辞することを伝える。

失意のそこにあったBlomkvistは 大企業Vangerグループの元社長だったHenrik Vangerから 奇妙な仕事の依頼を受ける。
表向き(pretext)はVanger家の年代記を書いて欲しいということだが、実際は、彼が実の娘のように可愛がっていた長兄の孫Harrietが40年前行方不明になった事件の真相を探って欲しいという依頼だった。Henrikは Harrietは一族の誰かによって殺されたと考えていて、Blomkvistにその犯人をつきとめることを求めていた。

Blomkvistは 40年前の事件を調べるのは不可能だと依頼を断ろうとするが 破格の報酬とWennerstromの反社会的行為について有力な情報を教えるというHenrikの言葉に彼は一年間、Vanger一族が住むHedestadという町に住むことを決意する。

Blomkvistは 終日 家に閉じこもって 当時の警察の捜査資料や新聞記事などを調査して 疑問に思ったことをHenrikにたずねながら、当日のHarrietの行動や目撃情報を精査していく。やがて、彼は当日撮られたHarrietの写真や 彼女の日記に書かれたメモから衝撃的な事実を発見する。
Blomkvistは その事実を確認するための優秀な調査員の必要性を感じ、Henrikの弁護士Dirch Frodeに心当たりを尋ねる。

Frodeは 彼らがBlomkvistに仕事を依頼する前に彼についての調査を依頼した女性調査員Lisbeth Salanderを推薦する。
自分が調査されていたことにショックをうけながらも その調査内容を見たBlomkvistは 彼の仕事関係ばかりではなく 女性関係や学生時代のバンド活動まで 彼以外知らないと思われることまで記述されていることに驚愕し、彼女をアシスタントとして雇うことを決断する。

顔にピアスをし、体中に刺青をしている少女としか見えない小柄なSalanderだが、外見とはうらはらに 天才的なハッカーであり 一度見たものを瞬時に記憶することができる才能をもっていた。

二人は それぞれ仕事を分担して 40年前にHarrietに起こった事件の真相に迫っていく。
そして、それに危機感を抱いた犯人が 40年間の沈黙を破って彼らの命を狙い始める。

*** 感想 ***

前半は ながながとVanger一族の家族関係などが描かれていて退屈だった。
中盤から 当時の事実が明るみになってきてからは おもしろくなってきてどんどん読み進んでいける。特に 手がかりとなるプロットはおもしろい。
しかし、最後のほうは まただらだらという感じで蛇足という感じがした。山場がどこだという感じをもってしまう。

我慢して読み進めたのは Salanderの魅力かな。子供時代から喧嘩などのトラブルが絶えず、問題児だった彼女、24歳になった今でも 保護観察処分を受けていて、自分の収入を受託管財人(trustee)の承認がないと自由に使えない。その管財人から レイプされても 彼女の言い分と管財人の言い分を比べると 警察が自分の言い分を信用してくれないと考えて訴えることができない。自分の感情を表さず、友達もいないことにあきらめの念をもっている。

そんな 彼女がBlomkvistに会っていきいきと仕事をするのを読むと ホッとする。Blomkvistを好きになり性的関係をもつが 年の差がありすぎるとBlomkvistは彼女の愛を受け付けない。
やっと 心を許せる人が彼女にできたなぁと思うのだが。 Blomkvistとの関係 友達どまりでいいと思うのだけど・・。

各章ごとの冒頭に スウェーデン国内の男性による女性に対する虐待の統計が載せられている。著者は スウェーデン国内で 女性の性的虐待被害がいかに多いかを書きたかったようだ。


 


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