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気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Wanted(Elvis Cole#17) by Robert Crais

2018-01-07 11:34:23 | 読書感想

カリフォルニア州ロスアンゼルス,白人中流階級が多くを占めるサンタモニカ山脈の北部に位置するEncino地区に住むDevon Connorは私立探偵のElvis Coleに息子Tysonの素行調査を依頼する。最近、彼が購入することができるはずのない高級な時計や衣服を身に着け始めたことに気づき、Tysonの部屋をチェックした彼女は多額の現金が隠されているのを発見し、彼がドラッグなどの何らかの犯罪に関わっていることを懸念する。そして彼女はTysonが犯罪に関与していても警察には通報しないことをColeに頼む。Coleは殺人などの重大な犯罪でない限り依頼人の秘密は守ることを約束する。

ColeはTysonが所有していた高級時計の登録ナンバーを知り合いの時計商に照会し所有者を調べてほしいと依頼する。彼は時計商の情報から時計が盗品であること、さらにTysonは多数の大金持ちから被害届が出されている窃盗犯罪に関与していることを知る。また盗難品を照会したことから盗難を捜査している刑事Cassettが彼に会いに来るが、彼は協力を拒否する。

Coleは息子が犯罪者であることに落胆しているDevonに、彼が留守宅を狙って犯行を重ねていることや初犯であること、まだ警察が彼らを実行犯と特定していないことから自首すればTysonは刑務所に行かないで済むと助言し、彼女も彼を自首させることを誓う。しかし、事件はこれで終わったと思った翌日、Devonから息子が失踪したと電話があり、Coleは彼女からTysonの行方を突き止めてほしいと依頼される。

ColeはDevonから情報を得て、Tysonの友人Carlに会いに行き、彼からTysonと窃盗仲間のAmberAlecが映っている写真を得る、そして彼らがフリーマーケットで盗品を売りさばいていることを教えられ、手掛かりをもとめてその場に赴く。彼はフリーマーケットの管理人から二人組の刑事が彼らについて聴きこみに来たことやフリーマーケット常連のLouise Augustが若者達と話していたという証言を得る。彼はLouiseに会って手掛かりを得ようとするが、彼女は先週、何者かによって殺害されていた。そして、彼は彼女が殺される前に二人の刑事らしき男たちが彼女を訪ねてきたことを突き止める。

再度管理事務所を訪れた彼は、Louiseを訪ねてきた二人組がフリーマーケットの管理事務所に聴きこみに来た二人組であることを確認する。また彼は、フリーマーケット管理会社の若い受付女性から有力な情報を得る。彼女は自称俳優というAlecから彼の自宅のパーティーに誘われたことがあると言い、彼にAlecの住所を教える。早速その住所を訪ねたColeはAlecが昨夜、路上で殺されたことを知る。そして、Louiseの家にやってきた刑事と名乗る二人組が彼の住いにやってきて自宅を捜索していることを発見する。彼らはAlecのルームメイトにAmberとTysonについて尋問していた。ColeはCassettに電話して、彼女がまだ3人組の名前を突き止めていないことを発見、彼は自分が重大な事実誤認をしていることに気が付く。彼は自分や警察以外に、刑事と偽り殺人を繰り返しながら、盗品の回収を目的としてTysonらの行方を追っている二人組の殺し屋の存在に気づき、彼らの無事を心配し始める。そして、二人組がAlecから押収したものによって、Tysonの家をつきとめてDevonを襲撃することを懸念したColeは相棒のJoe Pikeに電話する。

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Tysonと彼のガールフレンドAmberの2人をColeと二人組の殺し屋どちらが先に見つけるのか?一方は盗難品が売られたフリーマーケットから、もう一方はTysonの友人の情報から彼等に迫っていく。警察が彼らと盗難事件との結びつきを特定しないうちに3人組を見つけ出さなければいけないという、誘拐事件と同じように時間との競争で面白かった。単なる窃盗事件ではないことが徐々に明らかになっていくストーリー展開、当然そうなるとこちらも期待しているけど、それでも事件が大きくなっていく過程はワクワクさせてくれる。

キャラも個性的で面白かった、殺し屋の二人組、冷静に現状を分析して慌てない、粗暴な殺し屋というよりはインテリジェンスを持っているColeの好敵手という感じで、何時お互いが相手に気づくのか対決が楽しみになる。Amberというガールフレンドのキャラクターも良かった、事件の重大性など理解しないで、警察や殺し屋から隠れようとしない大胆さで奔放にふるまう、何時か世間の注目を集めるヒロインになることを夢見ている。そんな彼女に翻弄されてTysonも身動きがとれない。狂言回しとして面白かった。

そしてColeの優しさ、調査の結果が依頼人にとって良くない結果だと どうやってその結果を依頼人にとって良い方向にしていくのかを考えてあげる。また、依頼人との約束を守り、こちらがハラハラするほど頑固に刑事が訪ねてきても彼らの身元や知っていることを明かさない。

E-book(Kindle版)★★★★   400ページ 2017年12月出版 1210円(2017年12月購入)



The Dry by Jane Harper

2017-12-31 09:08:26 | 読書感想

WINNER OF THE CWA GOLD DAGGER AWARD 2017


経済犯罪を担当する警察官Aaron Falk36歳は高校時代からの友人だったLukeの葬儀のためにMelbourne から6時間かけて20年ぶりに故郷Kiewarraへ帰る。Lukeは狩猟用の散弾銃で妻と息子を殺し、自らも銃を口に咥えて自殺していた。彼はLukeの父親Gerry から2日前に手紙を受け取っていた。20年前の事件についてLuke と彼が嘘をついている、葬儀で会おうと述べた手紙を…。

20年前 FalkのガールフレンドEllie Deaconが溺死体で発見される。少女は衣服に石を詰めていたことから自殺と考えられたが、身に着けていた少女の服からFalkと書かれていたメモが発見されたことから、自殺を偽装して彼が殺したのではないかとFalkは疑われる。彼女が死亡した時間、Falkは釣りに行っていたが証人がおらず窮地に陥る。そんな時、友人のLukeが、彼女が殺された時間、彼と一緒にいたと証言してやると言い、二人は口裏を合わせて警察に証言して彼の疑いを晴らす。

しかし、町の住民は彼が殺したと信じ、父子に嫌がらせを続け、彼らは耐えきれずに町を逃げ出してメルボルンに移り住み、以来二度と彼は町には戻らなかった。Gerryはどうして彼らが嘘をついたのか知っているのか、また彼は自分に何を要求しようとしているのか?彼は不安にかられながらLukeの両親Gerryと彼の妻Barbに会いに行く。彼は2人からLuke Hadlerが本当に家族を道連れにして自殺したのかどうか、警官である彼に調べてほしいと依頼される。彼にとって母親のような存在だったBarbの頼みを断り切れず捜査に着手する決心をした彼は、事件を担当している刑事Racoに会いに行く。Racoは無理心中にしてはLukeの行為には不審な点があると指摘する。彼が殺害に使用した銃弾が彼が普段使用している銃弾と違うこと、父親なのに息子を殺すのにどこに隠れているのか、なかなか探し当てられなかったことなど。

彼はLukeの精神状態や農場経営の実態などを調べるため、Lukeの友人達や妻の上司である校長などから聞き取りを行っていき、彼が無理心中を図った原因を捜査していく。刑事が指摘した無理心中に見せかけた第三者による殺人も視野に入れながら。

そんな中、Ellieの父親や甥を中心に彼が帰って来たことに気づいた町の住民は、彼を追い出そうと嫌がらせをエスカレートさせていく。しかし、彼は今回はそんな嫌がらせに逃げることなくLukeの死の真相を探ろうと全力をあげていく。

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20年ぶりに故郷に帰ったFalkが、会う人、見るものすべてから彼とLuke,Ellieとの思い出を喚起する青春鎮魂歌という印象で、ハラハラドキドキすることはないが、ゆったりとしたストーリーの流れの中にさまざまな伏線が張ってあり、あとでなるほどと納得がいく良くできたミステリー、完全に騙されました、終わり方も僕好み。


干ばつによって寂れていく町の状況、貧困から脱出できない人々の鬱憤が蔓延している様子、都会の町の喧騒に飽き、静かな田舎の生活に憧れてきた人々の田舎生活についての失望感がよく描かれている。

FalkがLukeの友人や隣人などから事情聴取をしている時、その時実際に友人や隣人に起こった出来事がイタリック体で述べられていくという独特のストーリー展開はユニークで面白かった。

E-book(Kindle版)★★★★★  329ページ 2016年5月出版 405円(2017年12月購入)



Don't Let Go by Harlan Coben

2017-12-24 11:06:52 | 読書感想

15年前、Napoleon Dumas(Nap) が18歳の時、双子の兄LeoがガールフレンドのDianaと列車に轢かれて死亡する事件が起きる。警察は二人が酒とドラッグで意識朦朧とした状態で線路に踏み込んでしまった結果起きた事故だと結論を下す。そして、数日後、Napのガールフレンドで運命の女と彼が考えていた女性Mauraも行方をくらます。彼は彼女の失踪と兄の死は関連があると考えていた。彼は今でも、二人を失った衝撃から立ち直れず、兄を想い、Mauraのことを思い続けている。

そして、今、New Jersey州の Westbridgeという生まれ育った町の 刑事になった彼の下に、隣接するPennsylvania州の刑事が会いにやってくる。刑事は彼の高校時代の同級生で、今Pennsylvania州のパトロール警察官であるRexが交通取り締まり中、銃で撃たれて殺されたと話し、事件現場に残された指紋が15年前に失踪したMauraの指紋と一致したと告げる。10年前、Napは警察官になった時、彼女の指紋とDNaを警察のデータベースに登録して、彼女の指紋と事件現場の指紋とが照合一致した場合、彼に知らせて欲しいと要請していた。15年間消息がつかめなかったMauraが殺人現場にいた可能性が高いという事実に衝撃を受けながらも彼は事実を確認するため現場に向かう。

彼は監視カメラの映像からMauraが事件現場のにいたことを確認する。また犯行現場近くのバーで犯人と思われる男を彼女が誘惑していること知り唖然とする。そして、男と彼女が乗った車をバーのすぐ近くで酔っ払い運転の疑いで停めさせたRexの行動に、まるでMauraが男と出て来るのを待ち伏せていたような彼の行動に疑問を持つ。Mauraの消息を探ろうとRexのことを調べ始めたNapは、彼が職務を逸脱したアルバイトをしていたことを突き止め、彼を殺した男はそれを利用してRexに罠をしかけて彼を殺したと確信する。Pennsylvania州の刑事は、Rexは彼のアルバイトに関連して殺されたと考えるが、Napは兄の死との関連性を考える。Rexは、15年前、彼の兄がリーダーだったConspiracy Clubのメンバーだった。Conspiracy Clubは町に存在した軍のミサイル基地跡地の探検を目的として彼の兄が創設した6人のメンバーで構成される秘密のサークル。15年前に亡くなった兄と恋人のDiana、Rex,そしてMauraもそのサークルのメンバーだった。メンバーのうち3人が死亡、一人が失踪、偶然というにはあまりに不自然な状況、兄の死が事故死ではないと信じている彼は、今回のRexの殺害事件と兄の死と関係があるのではないかと疑い始める。彼はメンバーの残りの2人の消息を突き止め、当時クラブはどのような活動をしていたのか、兄の死はその活動と関係しているのか。15年経った今、何故Rexは殺されたのか?殺害現場にいたMauraの安否を心配しながら彼は15年前の兄の死の真相に迫っていく。

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この作者の得意とする愛する人が突然行方不明になり、数年たった後その人の消息が想い続けている相手に届くというパターン。何故行方を絶ったのか?男は彼女に巡り合えるのか?いつも通り兄や恋人への想いを語りながら展開していくストーリーだが期待通り楽しめた。でも、本のタイトルに反して何もしない方がNapにしては良かったかもという予想外の衝撃的な結末でドッキリした。Napというキャラクター、刑事でありながら法律ではどうしようもない事柄や相手には、非合法な手段で立ち向かう、なかなかユニークなキャラクター。シリーズ化してもおもしろいかも。別シリーズのMyron Bolitarもこの本に、ちょっと登場、逆に彼のシリーズに登場させてくれてもいいかもしれない。

E-book(Kindle版)★★★★ 351ページ 2017年9月出版 1200円(2017年購入)



Fool Me Once by Harlan Coben

2017-12-17 09:48:21 | 読書感想

ニューヨーク、夜、元空軍大尉Mayaは夫Joeとセントラルパークで待ち合わせするが、銃を持ったスキーマスクを被った2人組の男達に襲われる。彼女は助けを求めてその場を逃げるが夫は銃で撃たれて死亡する。事件を担当したNYPD刑事Roger Kierceは、夜は治安が悪い公園を待ち合わせ場所に彼女が指定したことや、照明も乏しい夜にも拘わらず彼女が犯人の服装や銃を詳しく証言したことに疑問を抱き、強盗は彼女が夫を殺したことを欺くための狂言の可能性も視野に入れていた。彼は彼女が所持している殺人に使用された銃と同じモデルの銃を弾道検査のために押収する。

Mayaの親友のEileenは彼女が留守の間、2歳の娘Lilyのためにベビーシッターを頼んでいること知り、娘とベビーシッターがどのように過ごしているかを彼女が分かるように隠しカメラを設置するよう説得する。数日後、何気なく監視カメラをチェックした彼女は、そこに死んだはずの夫がLilyと遊んでいる様子が映っているのをみて衝撃を受ける。彼女はただちにベビーシッターのIsabellaにカメラの映像について問いただすがIsabellaは問いに応えず、隙を見て映像が記録されているビデオカードを持って逃走する。

あり得ない出来事に呆然としている時、刑事がやってきて彼女に署までの同行を求める。刑事は彼女に容疑者のLine-upに立ち会うよう要請し、彼女は容疑者と思われる男を指摘する。その場で彼女は刑事から殺人に使用された銃が発見されていないと告げられ、彼らをJoe殺害容疑で逮捕拘留できないと告げられる。さらに、弾丸の弾道検査をした警察は夫殺害に使用された銃は4か月前に彼女の姉を殺した銃と同じものだと告げる。姉は窃盗目的で侵入してきた男によって殺されたと考えられていた。2人は単なる金目当ての物盗りによって殺されたのではなく意図的に命を狙われたと可能性が高いと知り、彼女は2人の死の真相を究明することを決意する。

姉はJoeの会社に勤めていたことから、二人はそこで何か犯人にとって不利益なことを知って殺されたと彼女は推理する。彼女は姉の親友やJoeの家族などからふたりに最近おかしなことがなかったかどうか聞き取り調査を始める。そして調査を進めるにつれて夫Joeが彼女の知らない秘密の一面を持っていたことなど、次々と信じられない事実が明らかになっていき、彼女は誰を信じ誰を信じるべきでないか疑心暗鬼になっていく。

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Mayaのキャラクターが魅力的。戦争に従軍している時、誤って市民を殺してしまったという出来事からPTSDに苦しむ彼女、2歳の娘のシングルマザーとして奮闘する彼女、身近の人間を守るのが自分の義務だと信じ行動するが相手から迷惑がられたりしている彼女、頑張れと応援したくなるキャラクター。彼女は戦場でしか生きることができない、市民のなかに溶け込むことができないようでこの先どうやって生きていくのか心配になる。

そして、死んだはずの夫が娘と遊んでいるビデオの映像、姉と夫は同じ銃で殺された・・・。この謎をどういうふうに解いていくのかワクワクしながら読んでいった。でも、この終わり方は予想外、プロットの辻褄が会わないような気がする。でもエピローグが良かったので★4つにした。エピローグのシーンは感動的でジーンときた。


E-book(Kindle版)★★★★ 2016年3月出版 387ページ 923円(2017年購入)


The Shark by Mary Burton

2017-12-10 10:18:54 | 読書感想

9月13日2:00pm バージニア州 

警察犬とともに捜査に従事する州警察官Riley Tatumは10代と思われる少女の絞殺死体が発見されたという通報を受け現場に向かう。現場で鑑識に立ち会った彼女は絞殺された少女に見覚えがあった。数日前、彼女は少女がトラックドライバー相手に売春している姿を目撃していた。少女の身元を確認しようと所持品を調べていた彼女は、少女のバッグの中に裏にLoserと書かれた5枚のトランプカードを発見して慄然とする。

12年前、Rileyは家出してニューオリンズの町をふらついている時、ドラッグを飲まされ、意識を失い誘拐される。その後7日間の記憶を彼女は失っていた。7日後、彼女は数千キロ離れたバージニア州のバス停に自分がいて、彼女のポケットの中に5枚のトランプカードがあるのを発見する。7日間、彼女は薬を打たれ眠っていたようだが、薬が切れて意識が朦朧としている時、二人の男が彼女の目の前でポーカーをしているおぼろげな記憶があった。彼女は彼女が持っていたカードはニューオリンズのものであり、さらにカードの裏にメモがないことから、自分の誘拐事件とは今回の事件とは関係ないと考えようとするが、検死に立ち会った保安官が被害者は彼女に似ていると指摘されたことで一抹の不安を感じる。

元FBIのHostage Rescue Team に所属していたClay Bowmanは彼のボス、元FBI捜査官で引退してShield Securityという会社を興したJoshua Shieldから思いがけない指示を受ける。Shieldは、12年前、二人がFBIニューオリンズ支局で担当した未解決事件、彼らがThe Sharkと名付けた連続殺人犯ついて、Rileyが重要な手掛かりを持っていると話す。そして彼はBowmanにRileyに接近し、彼女の捜査に協力しながらSharkから彼女を守るよう命令する。12年前、Sharkは今回の事件と同じように、ニューオリンズで4人のストリートガールを誘拐し絞殺、それぞれの被害者のポケットにはLoserと書かれたトランプカードが残されていた。Sharkは5人目の犠牲者としてRileyを誘拐したが、彼女は殺されることなくバージニアで発見される。Shieldは、今バージニアで起きた殺人は、手口から明らかにSharkの犯行であると断定し、彼は12年前に見逃したRileyを殺そうとしているとBowmanに告げ、彼女と協力してSharkを逮捕するよう指示する。

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クライマックスはこれだなぁと思っていた通りの設定、しかし、その場面に登場した人物は予想外だった。またそこで明かされた犯人の深謀遠慮には、そこまで考えていたのかと唖然とした。

12年経った後も、犯人が彼女に固執する理由、読み進むうちに納得できた。ギャンブラーの性格がよく描かれていて興味深かった。

Rileyの仕事に対する真摯な態度は魅力的。家出して売春をするしか生活の糧がない少女たちをなんとか更生させようと奮闘する姿勢、自分に起きたこと、人に知られたくないことも、捜査に必要と判断すれば、自分の心情を犠牲にしてでも捜査員に報告する潔さ。また、相棒のBowman、彼女のプライドを傷つけないように露骨に彼女のガードするという態度を見せずに、陰から密かに彼女をガードしようとしている姿はカッコよく魅力的なキャラクターだった。


E-book(Kindle版)★★★☆ 2016年出版 354ページ 読み放題(or 613円)



The Bone Field by Simon Kernick

2017-12-03 18:20:57 | 読書感想

Henry Forbes 25歳とガールフレンドのKatherine Sinn (Kitty)は1990年タイに旅行する。タイに滞在している或る夜、二人は彼の以前つきあっていたガールフレンドについて口論になり、翌日、彼女はひとりでホテルを去った後行方不明になる。若い女性がタイという異国の地で行方不明になったということで、この事件はマスコミに大きく取り上げられたが、彼女の行方は分からずに事件は迷宮入りとなった。そして26年後、タイからはるか離れたロンドンの北西Buckinghamshire のプライベートスクールのグラウンドから鋭利な刃物で喉を切られた若い女性の白骨化した遺体が発見される。

発見から一週間後、ロンドン警視庁犯罪捜査課DS Ray MasonはHenryの弁護士から彼が犯罪に関する重要な情報を持っているので会ってほしいという電話を受け、彼は弁護士宅でHenryと弁護士に会う。Henryは先週発見された白骨化した遺体はKittyであり、彼女は殺されたと主張し、さらに他の犠牲者の白骨化した遺体も見つかるはずだと断言する。…そして殺人犯は巨大な権力を持っているので自分をウィットネスプロテクションで守ってくれない限り事件について証言しないと主張する。RayはHenryの思いがけない告白に戸惑いながらも、対応を協議するため席を外して上司に電話している時、何者かが銃を持って乱入しHenry達2人を殺害する。彼は銃を持っている男達に対抗することができず彼らを取り逃がす。そして現場に到着した彼の上司はHenryが証言したように、校庭で遺骨の発掘をしていた鑑識は、さらにもう一体の遺骨、10代と思われる少女の白骨化した遺体を発見したとRayに伝える。やがて遺骨はKittyのものだと判明し、もう一人の遺骨は1989年に行方不明になり、同じく迷宮入りとなった13歳の少女Dana Brennanのものだとわかる。RayはHenryがKittyとDanaの二人を殺した犯人を知っていて、口封じのため殺されたと確信する。

彼は過去に起きたKittyの殺人事件と今回の殺人の繋がりを突き止めるには過去の事件について捜査する必要があると考え、当時の捜査で見失っていたものがあるかどうか、迷宮入りとなったふたつの事件の再捜査を始める。そしてタイで失踪したKittyがどうやって数千キロ離れたイギリスの地で殺されたのか、その謎に挑む。

そんな時、かって刑事でいまは私立探偵のTina BoydからHenryから依頼された調査中の案件があるという電話が捜査本部にあり、Rayは彼女に会いに行く。RayはBoydから調査内容を聴き、捜査の重要な手掛かりとなると直感し、彼女に調査の続行を依頼する。やがて捜査中のミスから警察組織から見放されたRay、そして悪人は許さないという刑事時代の信念から事件に引き込まれていくBoyd、ふたりは孤立しながらも捜査を続け、真相に迫っていく。それは二人の身を危険にさらしていくことになる。

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警察官でありながら同僚から疎んじられ孤立して捜査を続けるRay Mason、彼の前に立ちふさがるのは証拠、証人を残すことなく凶悪犯罪を繰り返し巨大組織を作り上げた男、そして相手の行動を先の先まで読み殺人を実行する、殺人をこよなく愛する男、彼ら犯罪者の方がRayを圧倒している感じで物語が進み、読んでるこちらをハラハラさせる。しかし、Tina BoydがRayに加わり、Rayの反撃を楽しみにしていたら…こんな終わり方はないでしょう!また、彼の持つダークサイドの一面、ちょっとついていけない。

いつもイギリスのミステリーを読んでいて思うことだが、イギリスの警察の歯がゆさ、拳銃を所持していないから、相手が銃を持って侵入してきたらなすすべがない、黙って市民が撃ち殺されるのを隠れて見てる。今時の悪党は銃を持っているのが大半だと思う。刑事は銃を所持できると制度を改定できないのかと、読むたびに思ってしまう。


E-book(Kindle版)★★★ 380ページ 2017年出版 550円(2017年購入)



End Game(Will Robie #5) by David Baldacci

2017-11-26 12:08:32 | 読書感想

アメリカ国家や国民に対してテロを計画している組織や人物を密かに暗殺するCIAに所属する凄腕の暗殺者、Will RobieJessica Reelはそれぞれの任務を果たし、アメリカに帰国する。しかし、二人は休む間もなく、Blue Manの上司から彼が行方不明になったと伝えられ、彼の安否を探るよう命令される。

2人の直属の上司Blue Man(Roger Walton) は休暇を取り、彼の生まれ故郷コロラド州のGrandという町に帰るが数日前から行方不明となっていた。彼は政府の機密情報を数多く知っており、彼が拉致されていてテロ組織に機密情報を吐露するという最悪の事態を組織上層部は危惧していた。

2人が着いた町Grandは 広大な地域に人々が散在する小さな町で保安官と副保安官二人で治安を守っていた。保安官のValerie Malloyに会った彼らは彼女から、この町は警察などの治安機関の目が行き届かない孤立した町であり、治安機関の介入を嫌う人々が集まって様々なコミュニティを作っていると教えられる・・ナチズムの信奉者や宗教団体など、政府からの独立を主張して武装しているコミュニティ。Malloyは、警察の絶対的人手不足により彼らを取り締まることが不可能であると町の状況を彼らに話す。

警察権力を嫌うそれらのコミュニティからの妨害を受けながら、捜査を進めるRobie達は、Blue Manが失踪する5日前に、ドラッグのリハビリのため入院していたHolly Malloy  保安官の妹 を病院に訪ねていたことを知る。かってRobieは、Hollyがナチズムの男たちに襲われているのを助けてあげたことがあるが、彼女は彼に礼を言うこともなくその場を去って行方不明となっていた。

彼らはHollyが入院していた病院に行き、看護師からBlue Manは彼女の友人のJC Parryの紹介だと言って、彼女を訪ねてきたと伝えられる。事情を聴くために、二人はJC Parryの自宅を訪ねるが彼もまた失踪していることを知る。どうして彼はBlue ManにHollyに会うことを求めたのか?

Blue Manが失踪し、彼にHollyを紹介したJC Parryも・・・もし二人が拉致されたのなら・・・彼らはHollyも拉致される可能性を危惧し始める


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最初から最後まで途切れることなくアクションの連続で面白かった。ただ多くの人が死にすぎる。誰が次に死ぬのかヒヤヒヤさせる。もう少し救いがあったほうが心休まるのだけど…舞台設定(架空の町・・Grand郡は実在するが・・)は面白いところに目をつけたものと感心した。多分、アメリカならこう言う場所があると思わせる上手い設定。

CIAで最強の2人の関係がぎこちない。特にReelのRobieに対する素っ気なさ。もし彼を愛してることを認めたら・・愛する人が死ぬのを見たくない、聞きたくないと言うことなのか?もしそのことが起きたらあまりにもショックが大きくて立ち直れそうにないから?どうなるのかと思っていたら最後の場面でホッとした。

また 戦闘中にReelがフローズする場面、他のシリーズにもあったが僕にはよくわからない心情、読解力のなさかもしれないがもうすこし説明が欲しかった。


E-book(Kindle版)★★★★ 408ページ 2017年11月出版 999円(2017年購入)


City of Bones (Harry Bosch #8) by Michael Connelly

2017-11-19 10:04:58 | 読書感想

Kindle は定期的に有名作家の作品を200円以下で提供してくれる。この作品も133円、Boschという刑事は好きなキャラクターなのでチャンスと思い購入した。

期待通りテンポよくストーリーは進むので読み易く速いペースで読み終えた。最後まですんなりとは終わらない、よく出来たプロットだった。

読み終わった後に思ったことは『後悔先に立たず』。Boschを含め事件に関係した人々がそれぞれ起こった出来事を悔い、なんとかして償おうとする、やり直したいと考えるがどうにもできない。それでもBoschは、自分を納得させるための決断を最後に下す・・読者を疑心暗鬼にさせる決断を。


E-book(Kindle版)★★★★ 422ページ 2002年4月出版 133円(2017年10月購入)


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あらすじ


カリフォルニア州Losangeles、元旦4:38pm、

 深い森に囲まれた町Laurel CanyonのWonderland に住む医師から散歩させていた犬が森の中から少年のものと思われる腕の骨を咥えて戻ってきたという通報がある。LAPD、Hollywood 分署の刑事Bosch は多分動物の骨を人間の骨と勘違いしていると思いながら現場に向かう。しかし、通報者の医師から話を聞き、骨が少年の骨だと信じた彼は捜索隊を指揮し森の中を捜索し、少年の他の部位の骨や頭蓋骨を発見する。

Boschは検視医から骨は20年以上経っていると伝えられる。さらに、検視した骨から判断して、少年は10歳から12歳、数年にわたり、手術痕のある頭蓋骨を含め、何度も何度も繰り返し骨に打撃を与えるほどの殴打を受けていたと知り慄然とする。彼は絶対にこの少年を殺した男を逮捕してやると自らに誓う。

しかし、捜査する過程で警察上層部を震撼させる予期せぬ事態が起き、警察幹部は真相を解明しないまま事件を集結しようとする。そして、その責めをBoschに向け、彼に刑事を引退するよう勧告し、彼は窮地に追い込まれていく。


 Love Story, With Murders by Harry Bingham

2017-11-11 12:27:43 | 読書感想

2010年10月、ウェールズの首都CardiffのLlanishen地区で2か月前に亡くなった老婦人の家の巨大冷蔵庫の中から切断された若い女性の足首が発見される。

通報を受けて現場に到着した南ウェールズ警察署犯罪捜査課刑事Fiona  Griffithsは切断された足が履いていた靴に注目、ネットで調べてそれが10年前に流行っていた靴であることを発見する。彼女は、足首は数年前に切断された可能性が高いと考え、犠牲者を特定するには、失踪人届の古いデータまで遡って調べなければならないことを知る。彼女は冷蔵庫に収納されていた他の食品パッケージの日付をチェックして何時、足の部分が冷蔵庫に置かれたかを推理しようとする。

彼女は警察の失踪人届を深夜まで調査して、死体が、22歳、大学生、2005年8月に行方不明の届が出されていたMary Langton であることを見つけ出す。彼女はMaryが学費を稼ぐためにポールダンサーとして働いていたことを知って戸惑う。彼女の父親はポールダンスのクラブを経営している。Maryが父のクラブで働いていたら、父は事件になんらかの形で関与していたら 彼女は娘としての立場、刑事としての立場の間で葛藤する。

そして、世間がバラバラ死体発見に騒然とし始めた翌日、足首が発見された家から数百ヤードしか離れていない溜池の土手で、数日しか経っていないと思われる切断された男の右手が、それに続いて周辺でバラバラにされた死体の一部が次々と発見される。遺体の身元は材料工学を専門とする大学教授 Ali el-Khalifiと判明する。

南米の都市と異なりこの町ではバラバラ殺人などは起こらない。もし起こったとしたらそれは百年に一度しかありえない。それが同じ町で2件のバラバラ殺人、二つの事件に関連がないなどはありえない。Watkinsを捜査主任とする捜査本部は、2人の繋がりを突き止めることが事件の解決、犯人の逮捕に繋がると考えて全力を挙げる。

しかし捜査陣が二人の関係を突き止めることができず捜査が行き詰まる中、Fionaは捜査方針に飽き足らず、独自の視点で捜査を始める。そして先月、麻薬取引の罪で収監されていたMark Mortimerという材料工学の技術者が刑務所で自殺していることを突き止める。彼の勤める会社は Ali el-Khalifiと技術問題で提携しており彼とAliは知り合いである可能性が高い。彼女は捜査主任のWatkinsの許可を得て、彼の自殺に不審な点がないか、MarkとAliが知り合いであったか捜査していく。やがて彼女は彼らが親密な関係だったことを突き止める。そして彼らを結びつけているものが、仕事か仕事以外のことであるかどうか探し出そうとする。その一方、捜査本部には内密に父の盟友で父のクラブの支配人である男にクラブでLangtonが臨時に働いていなかったか、彼女の顧客にel-Khalifiがいなかったか、調べるよう要請する。やがて彼女は殺人の背後に巨大な陰謀が潜んでいることを気づき始める。

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終わり方は迫力不足、物足りなさが残る。巨悪に向かうには力不足?でも彼女の信念は、捜査する目的は殺人犯を逮捕することではなく、死者に平穏を与えること、と云うならこれで良いのかな。前作の事件の捜査も私的に継続しているよう・・この事件も続ける?いずれは、シリーズの中で決着をつけるのか?次作も読ませるための作戦?

今回は事件と絡ませて父親の仕事について、ダーティな過去が明らかになる。彼女はそのことを気にしていないようだが、刑事になる人間としての倫理観とどう調和させているのか、もう一つ説明が欲しい。

捜査は、相変わらずのルールを無視した捜査で手がかりを追って行く。でも犯人にたどり着こうとする論理は明快で彼女の行動に同調できる。ただ捜査する過程を述べることなしに、事件と関係ある重要な人物が存在すると、いきなり新事実を捜査主任ばかりでなく我々読者に告げる。その新事実を突き止める過程も描いてくれた方がワクワク感が増すと思うのだが。


E-book(Kindle版)★★★☆ 440ページ 2014年2月 266円(2017年10月購入)



Talking to the Dead by Hary Bingham

2017-10-28 13:22:10 | 読書感想

イギリス、ウェールズの首都Cardiff,ドラッグ取引や売春の巣窟と云われる南地区Butetownのアパートでドラッグ常用者で売春をしていた思われる女性Janet Manciniとその6歳の娘Aprilが殺される事件が起きる。

Soutth Wales警察署のDC Fiona Griffiths(Fi)は元刑事Brian Penryが起こした横領事件を検察庁に送るための捜査資料をまとめていたが、事件現場で発見されたクレジットカードの調査を命じられる。事件現場周辺の聴きこみよりもデスクワークを得意とすると思われているFiは、大金持ちで9か月前に飛行機事故で死んだ男Brendan Rattiganのクレジットカードが何故、現場に落ちていたのか調べるよう命令される。カードはすでに失効しており、問い合わせたカード会社はRattiganが落としたカードをJanetが拾ったのではと説明する。しかし、Fiは大金持ちの男と貧しい彼女とは生活範囲が違い、彼女が男のカードを拾う可能性は無いと考える。彼女はRattiganとJanetはお互い知り合いだったと考え、Rattiganの妻だった未亡人に会いに行く。FiはRattiganがJanetを知っていたかどうか彼女に問い、彼女はノーと答える。Fiはさらに未亡人に夫婦のセックス生活、夫が妻に要求できないことを被害者の女性に求めたのではと聞き、彼女の呆然とした様子からJanetとRattiganは売春婦と顧客の関係だったと推測する。Fiは未亡人との会見の様子を報告書に書くが直ちに捜査主任Jacksonから呼び出され、未亡人に会いに行ったことを叱責される・・そういうことはベテラン刑事の仕事だと。

だが、FiはJacksonから彼女がまとめた母娘の検視レポートを褒められた時、デスクワークよりももっと実際の捜査に関与したいと彼に訴える。現場付近にいる売春婦に対する聴きこみは男性の刑事よりも女性のほうが向いていると主張して。さらに、Aprilを誰も見たことがないという近隣の証言から彼女たちは誰かを恐れてここに引越してきたのではないかという推理を述べるが・・Jacksonはかって彼女が聴き込みに周っている時、聴きこみをしている男に胸を触られたのを怒り、男の股間を蹴り救急車を呼ばなければならない事態が起きたことを指摘し、自分の行動をもっと律ししない限り補助的な捜査しか行わせないと忠告する。

彼女は母娘殺人事件の捜査にもっと参加できるように横領事件の捜査資料を早く検察に送ろうとその捜査に集中するが、事件に不可解な点があるのに気づく。Penryは横領した金を競走馬に投資して共同オーナーになっていた。金を横領してまで競走馬のオーナーになる人がいるのか?彼女は疑問を持つ。そして共同オーナーの名前を調べた彼女は、共同オーナーがRattiganと彼の会社の関係者であることを知る。大金持ちのRattiganとPenryが共同オーナーになることは偶然?さらにPenryは横領した金以上の金額を競走馬に投資していた、足りない金はどうやって工面したのか?Rattiganとは知り合いで彼が工面してあげた?もし、PenryとRattiganに繋がりがあるなら、そしてRattuganがJanetの売春の顧客だったならば、元刑事のPenryもMancini母娘 の殺人になんらかの形で関与しているのでは?

彼女は、再度、Jacksonに捜査のサポートではなく直接捜査に携われるよう直訴し、命じられたことだけを行うことを条件に認められる。Fiは女性の刑事とコンビを組み事件の重要参考人と思われる売春婦への聴き込みに向かうが、そこで売春婦の死体を発見する。彼女は事件の背後に組織犯罪の影を感じ、今回の殺人は他の売春婦に対するメッセージ、母娘殺害事件に対する口封じを意図した見せしめの殺人だったと考える。彼女はJacksonの忠告を無視して犯人の動きを誘発しようと独自の行動を起こすが、それは、彼女を言い知れぬ恐怖に陥れる

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タイトルの死人と話す、プロローグでの彼女の告白、自分は過去に死んでいた?、どういうことなのか興味を惹かれてしまった。作者のあとがきを読むとこの意味がわかる。オカルト的な要素はなくミステリーとして面白く読めた。

とにかく頭脳明晰で行動も早い彼女の異常なキャラクターに惹きつけられてしまう。同僚にはタバコは吸わないと言うが、密かに家で大麻を吸い、非合法な銃を所持、死人に対する親愛感、6歳の時から泣いたことがない。同僚からは、懇親会でも酒を飲まず、早々と去る非社交的で変り者と思われている。暴力に怯えるか弱い女性かと思うと、実は素手で大男を倒せる格闘技を身につけている。

インタビューが上手い。相手の様子を見ながら尋問の方法を変える。

殺害された親子にたいする情報を求める掲示を現場近くの店に、上司に無断で出す。容疑者の家に令状なしに入り込み、携帯電話を盗む。

ボーイフレンドが出来て初デートすると、普通の若い女性が体験するような出来事が自分に起きたとワクワクドキドキ興奮する。捜査報告書を人一倍早く作成できることを自慢したり、そのことを褒められて密かに喜んだり・・・とにかく魅力的なキャラクター。

感情移入しやすい文体、そして刑事の枠にはまらない彼女の無茶苦茶な行動で先が読めず、ぐんぐんストーリーにのめりこんでしまう。次回作も読みます。


E-book(Kindle版)★★★★★ 2012年9月出版 376ページ 265円(2017年購入)