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★ナショナリストvsグローバリストの経済政策論争の結末

2018年09月05日 | グローバリズム

  昨日に続いて宮崎さんが書評で藤井厳喜さんの『国境ある経済の復活』という素晴らしい本を紹介してくれています。
  藤井さんはトランプさんの当選を予言していたように分析が他の人達とは一味違ったものがあり、それが核心を突いていると思います。
  それだけに、このナショナリスト対グローバリストの争い論には興味が沸きます。

  宮崎正弘の 国際ニュース・ 早読みより  平成30年(2018年)8月31日(金曜日) 通巻第5810号 

  書評 

 ナショナリスト vs グローバリストの経済政策論争の結末
  トランプ政権内部で衝突し、後者が敗れ、米中貿易戦争が始まった

  藤井厳喜『国境ある経済の復活』(徳間書店)

 この本を読みながらしきりと評者が題名から連想したのは木内信胤が残した傑作『国の個性』(プレジデント社)だった。
グローバリズムという危険で面妖な経済思想を排除し、その国には、その国の歴史と商習慣に則った個性的な経済政策に戻るべきだとする主張だが、宮沢政権、橋本政権の当時、日本の経済論壇主流から木内理論は殆ど顧みられなかった。
木内氏は日本独自の金利体系確立を説かれ、また為替は固定制度の復活が日本にふさわしいと力説された。国家の利益を守るためである。
しかし、その後も国家の解体を狙う危険思想=グローバリストの嵐は止まず、怪しげな経済政策が積極的に推進された。
アメリカの亜流にすぎない大前健一とか、竹中平蔵とかが活躍し、「国境なき経済」、すなわち「ボーダレス・エコノミー」が声高に説かれ、相当程度に実践され、その間違った処方箋はいまなお、日本の経済界、論壇、メディアの中心にある。

 本書は、そうして考え方は「基本的に間違いである」と正面からの挑戦状である。つまり、グローバリズムを影であやつる「タックスヘブン擁護派」が、ウォール街を根城に推進してきた経済政策は「現在の国家秩序や国際関係を破壊する悪の根源」と位置づけている。
 そしてトランプ政権で何が起きたか。
 ナショナリストとグローバリストの経済政策の角逐はホワイトハウスの内部で激化した。
ムニューチン財務長官、ロス商務長官らウォール街派が敗退し、その責任を問われてゲーリー・コーン国家経済会議委員長が辞任し、クドローと交替した。米中貿易戦争が始まった。グローバリズムが敗れたのだ。

 さて本書の副題は「世界貿易戦争で敗北する中国とドイツ」となっており、逆にこれからは「日米同盟とロシアが組んで、中独同盟に対抗し、韓国は消滅する」と大胆な予測を展開する。
 多くの読者にとっては次の二点は目から鱗が落ちることだろう。
 第一にトランプ v 金正恩会談(6月12日、シンガポール)は米国側の成功とみていること。
第二に米露主要会談(7月17日、ヘルシンキ)は80%の成功でトランプが得点を上げたと総括していることだ。メディアの分析と百八十度異なる理由は本書にあたっていただくことにして、同様な見解を近日刊行される評者との対論(藤井厳喜vs宮崎正弘『米日露協調で韓国消滅、中国沈没』、海竜社)でも詳しく議論している。

 藤井さんはトランプのしかけた中国との貿易戦争のバックボーンは、ピーター・ナバロ(通商製造業政策局長)だと分析され、親中派のキッシンジャーはトランプ政権内部でも影響力を失ったと直近の米国内の動向を分析している。
 たまたま手にした今週号の『TIME』(9月3日号)も、ナボロを6ページにわたってカラーで特集しており、「トランプ大統領にもっとも影響力を及ぼしている」と大書している。
 TIMEに拠れば、もともとナバロは民主党でありヒラリーの支援者だった。自らも政治家に立候補したこともある。自由貿易主義の信念はいまも変わらず、何がナバロをして反中国派のチャンピオンに押し上げたからと言えば、不公平で卑怯な中国の振る舞いにあったのだ。

 ナバロはウォールストリートジャーナル(電子版、4月18日)に寄稿して、「法治を無視した中国の政府主導経済が貿易システムを脅かす」と概括した。
 本書はこの論文に着目した。
 「チャイナこそ、世界一の保護貿易の実践者」であり、その「独裁体制が、あらゆる側面で市場経済を歪め、チャイナの経済覇権獲得を促進している」とナバロは指摘する。
第一に米国からの知財盗取、第二に関税障壁によって中国進出の外国企業を統制し、第三に出鱈目な政府補助金と減免税による自国企業の保護という不公正、第四にチャイナファンドの世界企業買収である。これらの政策により、中国は軍事力強化をやり遂げたのだから、米国としては対中制裁に打って出るべし、とナバロは強くトランプ大統領に勧告した。
それが実践されたのだ。
 ナバロはこう結んでいる。
 「大統領にはアメリカの労働者、農家、企業が味方している。チャイナの経済侵略によって犠牲を強いられている世界の人々は、トランプ大統領を支持して当然である」と。

  まさに、我が意を得たりのワクワクするような本ですね。

  日本の平和ボケ財界人や政治家の全てに読んで貰いたいものです。この動きを理解出来ずに未だに中国に投資しようとしている経営者は自社を破滅に導いていることに気付くべきです。
  その間違いが自社だけならともかく世界をも破滅に導くことに好い加減に気付いて貰いたい。

  まさに、「いい加減に目を覚まさんかい!経営者達!」です。



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