内容紹介
わたしたち、もののけになりましょう!
あるときは訪問販売レディ、あるときはお寺の御朱印書きのアルバイト、そしてあるときは謎の線香工場で働く〝わたし〟たち。
さて、その正体は――?!
八百屋お七や座敷童子、播州皿屋敷お菊たちがパワフルに現代を謳歌する痛快連作短篇集。
嫉妬、憎しみ、孤独に苛まれ、お化けとなった女たちの並々ならぬパワーが昇華され、現代女性の生きにくさをも吹き飛ばす!
ここにしかない松田青子のユニークかつ爽快な17つの物語。
読書備忘録
「みがきをかける」
幽霊がチャイムを鳴らして訪ねてくる。スーッと入らないのね?
毛の力弱めたらあかん!
娘道成寺、二人で踊る二人道成寺!そうそう二人で踊ったっけ・・・
それはいいとして、毛っ!
「牡丹柄の灯籠」
まただチャイム・・・夜の十時に来るか?あら、開けちゃった。
露子と米子が灯篭売りに来ました。リストラにあった新三郎に露子が・・・え?新三郎と露子?牡丹灯籠
二度目は妻が「セールス・勧誘お断り!」と書かれたシールを張ったから露子は結界はられて新三郎には近づけませんでした。
「ひなちゃん」
人生初の釣りで釣ったのは・・・骸骨
それがひなちゃん。泥だらけの状態でやってきた。お礼に参上したのは、お寝間 お伽など、勤めさせてくださいと・・・ひなちゃんは可愛くて頭がいい。これからもずっと一緒?事情を知っているのはお隣さんっ!
「悋気しい」
あっちの世界にも人材不足ってのがあるのね。
「おばちゃんたちのいるところ」
モーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」・・・
汀(てい)さん登場!!!
いろいろあってフリーターにふさわしいと自分で思っている茂!お仕事はじめました。
いったいこの会社は?移動も頻繁にあるんだって・・・上司は汀さん!
「愛してた」
あ!汀さんだ!幽霊じゃないって自分で言ったって、どうやって入ったの?浮かんでいるし・・・
「クズハの一生」
小さいころからきつねに似ていると言われてきたクズハ。
あら、茂くんじゃない?クズハの部署に異動したんだ。
「彼女ができること」
子育て幽霊!死んでいるのにベビーシッター
シングルマザーがいわゆる夜のお仕事に出ている間子供に寄りそう。
子供には見えるけれどお母さんには・・・まだ。
「燃えているのは心」
御朱印帳を書く。若いから大丈夫?と思われていても受け取って字を見ると上手なの。
八百屋お七のお墓がある寺、お寺で売っている根付ははしご!御朱印帳を書いているのは七緒という名だった。
子供のころ坂東流の日舞のお稽古をしていた。おさらい会の時に太ったお姉さんがお七をやった。大きなホールの客席からは、ずいぶん体格良いお七だなーと言っていたって言うのを後から聞いた。舞台裏では黒子さんたちが、持ち上げられるか?なんて協議していたのをちびっ子たちは聞いていた。
あんな太ったお七は初めてだったって。あたし髪振り乱して踊っているお姉さんをみていて、お七やりたいと思ったんだっけ・・・自分でどうしてもお七をやりたいって言っただけあったのだ、と今頃思った。
「私のスーパーパワー」
スーパーパワーって何ですか?
お岩とお紺・・・いいね!
自分を陥れた相手はやはり呪います。私の死後のパワーすごいです。きっと!と妄想中。
「最後のお迎え」
あ!汀さん!
汀さんが日本語上手なのは日本で育っていたのでした。
オークラ???
生きている者と死んでいる者の両方が見える・なるほど「シックス・センス」みましたよ。
両方とも違わずに見える?え?私影が見えるかどうか?って教わりましたけれど・・・って誰に教わった???
「チーム・更科」
汀さんだよ!
更科さんのチームはお助け隊
なんと牡丹柄の灯籠の露子と米子がここにいた。な、なるほどそういうこと?
「休戦日」
なんだ?ガムちゃんって・・・そういうときのお助けマンらしい。
「楽しそう」
死んだときに当時の風習で髪を剃られた?死んだ奴の方が元気!
お!汀さん!いったい何人いるのか聞いたら、私は一人です。と・・・
「エノキの一生」
エノキの不思議な体。そしてエノキの脂にはご利益があるらしい。
そして誰も来なくなってようやくただの木になった。
「菊枝の青春」
菊枝がお皿を数えているから番町皿屋敷か?と思っていたら、姫路城にお菊の井戸があるって・・・播州皿屋敷というのもあったのね。
あ!茂だ!一枚足りないお皿を届けに来たのは茂だった。
「下りない」
姫路城に居付いている富姫・・・あ!茂だ!姫川茂!
いやいや汀さんは茂の能力をはじめからわかっていたんだ。と富姫に言われ・・・
お菊は井戸にはいない。転生してって・・・菊枝だっ!
こんなに長い備忘録を書いている私って・・・
とっても面白くて楽しかった。
そして思った。やはり住みついているのだと。転生しているってこともあるのか・・・
★★★★★