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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

何をしにここに来たのか秋思ふと

2020年09月22日 07時02分06秒 | えいこう語る

▼表題は今月(21日)の北海道新聞の中で目に留まった、佐野文子の句だ。解説には、単に物忘れが多くなったというようにも見えるが、おのれの来し方を考え、深くふり返っているようにも思うとなっている。

▼北海道の泊原発周辺の寿都町と神恵内村が、核のゴミ地下埋設場の調査に手を上げ、核のゴム処理が俄然注目を浴びている。

▼広島・長崎の原爆投下、さらに福島第一原発事故は、核が人類と共存できないことを証明した、にもかかわらずだ。

▼さらに新聞記事は、福島原発事故の現場となった双葉町に【東日本大震災・原子力力災害伝承館】をオープンさせたと報道している。

▼開館にあたり館長は「事故から9年半たった。未曽有の原子力災害から福島がどのように復興したか知ってほしい」とあいさつをしたいう。

▼伝承館は3階建てで、総工費は約35億円だ。同館に隣接し、国と県が48ヘクタールの復興公園も整備中だともある。

▼今年7月にオープンしたした北海道のアイヌ文化伝承館「ウポポイ」の建設費用は、200億円だ。だが国の初年度の来場者見込みは100万人だ。

▼原子力災害伝承館の来場者見込みは、年間わずか5万人だという。建設には税金や電気料金も使われているのだろう。

▼この建設場所は間違っている。福島原発の電力は、ほとんど東京圏に送られていた。東京の中心部に建設されれば、年間100万人の来場者は可能だろう。これが有効なお金の使い道ではないか。

▼【何をしにここに来たのか秋思ふと】。
単に物忘れが多くなったことと、おのれの来し方を感慨深く掘り返しているという、二つの解釈があるというが、原発災害を考えれば両方の解釈を一つにしたよう句ではないかと思う。

▼今私の故郷は、すすきの野原が秋の陽光を浴び輝いている。枯れすすきとは風情が違う美しい光景だ。

▼そのすすきの中に、私は額田王の姿を見る。だが「あかねさす・・・」などという色っぽい句は浮かばないのが、72歳の私の「秋思ふ」だ。