▼二人の女性閣僚の同時辞任劇で、田舎のおじさん(60代)の率直な感想と思ってほしい。まずは北海道新聞一面の二人の写真だ。小渕は深々と頭を下げているが、松島は両手を挙げなにやら弁明をしている感じのする写真だ。真面目な小渕、しぶとい松島という印象が写真から伝わってくる。小沢一郎の政治資金問題では、悪党顔の写真ばかり掲載されたのと同じで、作為的に見える。
▼ 「顔でない心だ」といわれてきたが、長い人生では「やはり顔だ」というのは、世の中ままあった。「顔でない心だ」という人は、顔に自信がない人のいい訳ではないかと思ったこともある。
▼ 「お姫様の小渕、吉原芸者屋の女将・松島」そんな感じだ。この町の殿は、劇の後半水戸のご老公に叱られ、やっと目が覚めるアベの若殿だ。だがこの劇団にはご老公役がいないので、若殿が町を混乱させているのだ。
▼ お姫様は平謝りしているが、女将は理屈をこねての知らん振りだ。二人とも役者としては上手だ。ところが、お姫様が先に役を降りた。残る女将は、矢面に立たされる。そこで同日に役を降りた。魑魅魍魎の世界を生き抜いてきた女将の、見事な決断だ。
▼ さて殿といえば、女性閣僚の大抜擢で人気を博したが、役不足ではないかと思われる顔もいた。「戦争をしない国から戦争をする国」の転換期なのに、殿ももっと真面目に考えてほしかったものだ。とはいっても、その軽さが国民に受けていると、殿は自信を持っているから困ったものだ。内閣支持率が下がったとはいえ、50%を少し下回っただけなので、殿はまったくへこたれない。
▼ さて、今回の女性閣僚の大量登用では、今回はと、首を長くしていた男たちが,怒っているという話を聞いた。「男女平等」といわれて久しいが、永田町では、女性は「子供製造器」と思われているのだ。今回はそんな輩が、裏工作をして、お姫様イジメをしたという噂も聞こえてくる。
▼ そんな茶番劇をみせられていたら、テレビで沖縄のナカイマ知事とアベの殿が、米軍の問題で打ち合わせをしているのが映っていた。あの二人の話し合いは、どうも悪巧みに思えてしょうがない。そういえばこの知事も、吉原を束ねる大親分という風格だ。松島女将とは、絶妙な夫婦役を演じるに違いない。
▼ あまり質のよくない舞台ばかり見せつけられると、観客もだらけて、鑑賞力も鈍ってくる。アベ劇場の脚本家は、そこが狙いかもしれない。また、安い金額で劇場に連れて行かれると、ろくな事はないということを、お姫様が教えてくれた。
▼ そういえば、大間町民のほとんどが、原発視察という名目で、無料で観光旅行を楽しんだということは聞いている。うらやましい感じがするけど、それもこれも国民のお金を使ってのことだ。連れていかれる方の自覚も足りない。
▼そろそろ雪という情報も流れ、朝晩の冷え込みがきつくなってきた。庭のナツハゼの木が、こんなに真っ赤に色づいたのは、記憶にはない。おじさんは紅葉を見つめながら「赤心」という言葉を思い出した。