カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(19)~誕生日前夜祭

2013-07-30 23:23:23 | ★イタリア留学日記
途中下車したカンヌからまた電車に乗って、
コートダジュールをイタリア国境にむけて東へ。

宿代がフランスよりも安かったので、
国境のイタリア側の町ベンティミリアに宿をとった。

同じコートダジュールの青い海なのに、
フランスでみたあのおしゃれ感が全くない雰囲気が、
むしろ落ち着いていい感じ。
うん、私、ここ好きだわ。

さて、この旅の冒頭のブログでもちょっと書いたが、
私はこの旅の終わり、明日40歳の誕生日を迎える。
不惑である!
不惑の割には惑いっぱなしで、
不惑とは、40になったら惑わないのではなく、
惑ってしまうから惑うなという孔子の教えだったんだと、
身をもって実感しているところである。

誕生日だからといって、旅の友には特になにも言ってなかったのだけど、
それに気づいた友が、もーなんで言ってくれへんかったん、
お祝いしょ、ケーキ買ったる。と申し出てくれた。
とってもとっても嬉しかった。

そして、なぜかケーキでなく大きなスイカを買ってくれた!
そのスイカを持って海へ。
よーし、スイカ割りだ!
5キロを超える特大のスイカをキャーキャーいいながら割る。

そしてそのままかぶりついた。
ガブガブガブガブ
まさか、40の良い大人になって
スイカ割りしてはしゃいで、
子供みたいになりふり構わずスイカにかぶりつこうとは。
甘い果汁に手も顔もべたべたになりながら、
もうなんだかおかしくって二人で笑い転げながら食べた。

ね、80歳の誕生日に
またここでスイカ割りしようや。
楽しい思い出を未来の約束に変えた。

もう腹筋が痛くなるほど笑いながら、
これからの人生がいままで以上に楽しい物になるような気がしていた。

部屋に戻って、スーパーで買い出した食材で誕生日前夜祭。

旅をともにした友人とはイタリア留学中に出会った。
通っていた学校が同じで顔見知りで、会えば話はするけど、
実際に一緒にでかけたのは彼女が帰国する前の夕飯一度と
日本にもどってから、彼女の住む町に行った時に一度ランチをしただけ。
それでも、同じように何か自分の目標を持って海外に勉強に渡ったという共通点は
私たちを、過ごした時間よりももっと強く引きつけているような気がする。

40歳を迎えるにあたって、
いつになく真剣に自分のことを考えた。
本当にこれでいいんだろうか、
これまでの人生はなんだったんだろうか、
私は何がしたいんだろうか、
このままで、これからどうなるんだろうか。。
いや、やりたい事は明確だ。
でもやっていける自信がない。
しかも事情の分からない海外で、
どれだけ私はやっていけるのだろうか。。
とりとめもない不安は大きな渦となって私を飲み込んだ。
その思いを、ぶちまけまくる誕生会。

彼女は40にはまだ遠いけど、
自分の目標を持つ事、それを進めるにあたっての不安、
それまでに乗り越えてきたもの、自分の事をたくさん話してくれた。
着実に自分の夢を叶えている彼女の話は、私を励ましてくれた。
私も、がんばんなくっちゃ。
何をどうしていいか分からないけど、がんばろう。

夜遅くまで語りあって、0時。
カウントダウンで誕生日を迎えた。
こんなに、こんなに自分の誕生日を大切に、
楽しく迎えたことはなかったかも。

大して自慢できる人生でなくて、
同級生と比べるとそれはとても顕著で、自分が情けなくなるけど、
私が胸をはって自慢できる事、
それはステキな友達がいること。
それが私の人生で今持っている唯一の財産。

ああ、神様ありがとう、
こんなにもステキな友達に出会わせてくれて、
今日という日をこんな風に迎える事ができて、
私はなんて、なんて幸せもの。

本当にありがとう、一緒に誕生日を祝ってくれて。
約束した還暦の誕生日まで、
お互い元気に、そして自分の道を信じてまっすぐ生きていこうね。
それぞれの未来にたくさんの幸せがありますように。

南仏の夏休み(18)~カンヌ

2013-07-30 22:34:35 |  └・フランス
最近のSNSは便利な物で、
旅の経過をちょくちょくアップしていたら、
今カンヌにいるんだけど来ない?と別の友達から書き込みが。
ちょうどマルセイユから東に向かって移動中の私たち。
え!途中下車していけるじゃん!行くっ!
とまあ、とにかくフットワークの軽い私。
旅の友に話したら”ええでー”と。
んんー、さすが、旅の道連れになる友である、イケてるっ。

というわけで、カンヌ途中下車。


ああ、なんでしょ、この一点のかげりもない明るい雰囲気は。
特になにがあるってわけでもない海のリゾート地
ゆとりある人たちのゆとりある夏休みが広がっている。
ああ、こんなところで、何にもせずにのんびり、
お金と時間をおしげもなく浪費するって、
なんかすっごく贅沢な気がする。
一度、一週間でいいからやってみたいなぁ~。
あ、いやすぐ退屈しちゃうかな、しちゃうかも笑

カンヌといえば映画祭!
うん、この世界は見てみたい。
きらびやかな世界への好奇心と、映画で知的欲求も満たされて、
きっと退屈することなんてないと思う。

カンヌに滞在中の友達と合流してランチ。
ここまで来たら、どっぷり夏リゾートなお店でと、
海に向いた外席のあるお店へ。
観光客向けのパサッとしたお店かと思いきや、
お店の人の対応も気さくで親切でとっても居心地よかった。

ロゼワインもあけちゃって、
ほろ酔い楽しい昼下がりなのでした。

南仏の夏休み(17)~ふたりマルセイユ

2013-07-30 22:08:03 |  └・フランス

昨晩、旅の目的「マルセイユでブイヤベース」をおいしく果たした私たち。
今日は移動日だけど、ちょっと早起きして、
マルセイユのシンボル、ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院へ。

マルセイユの町を見下ろす丘の上に立っていて、
町のどこからもこの寺院が見え、まさに町のシンボル。


教会の先端にはイエスを抱くマリアの像が天に向かって立つ。
教会もそれなりに大きいのだが、
バランスに的にその大きな教会にも大きすぎるのではと思う立派な像だ。
それは、どうしても願いを天に届けたいと願った人々の
思いの分だけ大きいような気がする。


内部もとても素敵。
美しい装飾もそうなのだが、
ここへ願をかけて叶った人々が
感謝のしるしに、マリア様に寄贈した品々がたくさんに飾られている。
港を見下ろす丘に立つここは海、航海を見守る寺院として有名で、
航海の安全を願い、また不運にも事故に見舞われた船の安全を祈ったそう。
その願いがかなったお礼の品々で教会内は埋め尽くされている。
その品々は、海に出た人の無事を祈る家族の切なる願い、
幸運にも助かった人の感謝の気持ちをいまでも留めているようで、
見ているとこちらも胸が熱くなる。
人を思う気持ち、感謝の気持ちこそが
この世を救うのではと思う。

観光として色々な教会を見てきたが、
生きている教会をはじめて見た気がする。
人々の願い、それを天に届ける仲介所としての教会。

大抵の教会は人の迷いを諭し、良い方向へ導くために
心を落ち着かせる静寂な空気をたもっているのだが、
ここはまるでちがう。
愛する人を思う人々の無垢なる願いに満たされて
淡い光を帯びているようだ。
その思いはここで強く凝縮され、
光のようにまっすぐに天に向けられる。

心をぴちょんと聖なる泉にひたしたように、濯がれ、
そして強くあたたかい光に満たされた気がする。
全身が感動でいっぱいになった。
ああ、とてもいい場所だ。

教会の丘から見た海。
なんて美しい青なんだろう。。

あ、監獄島イフが見える。
物語にも描かれた島。
そこだけ、そこはかとなく異様な雰囲気もあり、
うん、物語がうかぶのも分かる気がする。

旧港へおりてきた。
ちょうど魚市場が立っていた。

おお、何の魚か分からないけど、いっぱい捕れたね。

今しがた漁を終えて帰ってきた船、
そこからすぐに荷揚げして、その場で売られる。
そりゃあ、最高に新鮮でしょ!おいしいでしょ。

町中の他の市場にも寄ってみた。

おお、立派なカルチョーフィー。
やっぱりプロバンスの野菜は活きがいい!

さすが、漁港。
店先に並ぶお魚も豊富。

人々の思いと、日々の生活に触れ、
観光物件を見るよりもはるかにマルセイユを見た気がする。

1泊したけど、正味1日もなかったマルセイユ滞在。
でも、楽しかったな。
そして、この町がなんだかとても好きになった。
誰かに「マルセイユはフランス一治安が悪いんでしょ」と聞かれたら、
それはわからないけど、でもとても素敵な町だよと答えたいと思う。

楽しい思い出を胸に、私たちは次なる目的地へ向かったのでした。