カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(14)~サン・レミ・ド・プロヴァンス(2)

2013-07-28 23:18:16 |  └・フランス

ゴッホの描いた道をたどりながら町に戻った。


町は街路樹の緑が美しく、爽やかな印象。
小さいながらもはなやかさと賑やかさがある。

あ、マルシェだ。
その土地の市場やスーパーを見るの大好き。


プロバンスの太陽をたっぷり浴びたおいしいものたちが並ぶ。
おいしそうなケーキを見つけたので買ってみる。
この地方でよく食べるオレンジとスパイスのケーキらしい。
量り売りでどのくらいか分からないので適当に買ったら、けっこう高かった。。
でもでも、ちょー超おいしかった。
生地はしっとりコクがあって、スパイスの香りが絶妙に良いこと!
一欠で元気になっちゃいそうなおいしいパワーみなぎるケーキ!


町をブラブラ、町並みも落ち着いてていいし、
かわいいお店もたくさん。
いいね~、なんだか好き、この町。


この町はノストラダムスの生地でもあるらしく、
これはノストラダムスの泉。

ゆっくり町を見て回って、帰りのバスまで少し時間がある。

町のはしっこの小さなバールを選んで休憩。
南仏でそのおいしさを知ったロゼワイン。
すっごく喉も乾いてたし、時間的にこのくらいいけるだろうボトルで注文したら、
「え?君ひとりだよね?」と目を丸くされた。
はい、ひとりですが、りょうこひとりです、基本単位が違います。

あきれ顔のお兄さんを尻目に、
乾いた風に吹かれながらグラスを傾ける。
今日見た景色の事、なんだか疲れ果てている私の心情など、
ぼんやりと考えているのでした。

南仏の夏休み(13)~サン・レミ・ド・プロヴァンス(1)

2013-07-28 22:44:39 |  └・フランス
サン・レミ・ド・プロヴァンスはゴッホが療養した修道院があり、
そこでも数々の作品を描いた町。
今回の旅の目的のひとつ「ゴッホの描いた地を訪ねる」にはぜひとも行きたかった町。

しかし、ただでさえ本数の少ないサン・レミ・ド・プロヴァンス行きのバスを逃してしまった。
ネットで調べておいたバス停が違うのかもしれない。
半泣きになりながら、もう一度時刻表を調べ、
バス停を周囲の人に聞いて確認。
でも聞いてもみんなあんまり知らない。。
そりゃそうだ、地元の人はバスではなく車だろうし、
それ以外は観光客。それもそこへ行く人はきっと少ない。
めげずに何度も何度も繰り返し人に聞く、イタリアで学んだ道を探す方法。
ようやく一人のバス運転手さんが、
次に来るバスがそうだからここで待ってなさいと教えてくれた。
不安いっぱいの胸にようやく一筋の光、
ドキドキしながら待っていたら、ほどなくしてそれらしきバスがやってきた。

バスはいくつかの小さな村を経由して遠く私を運んだ。
時間があればぜひとも立ち寄りたい魅力的な風景、
でもただでさえ1本バスを逃しているのにそんな余裕はない。
またね、次の目的にとっておこう。

そんなこんなでようやくたどり着いたサン・レミ・ド・プロヴァンス。
こじんまりしているけど、緑あふれる美しい町。
町も見たいけど、まずは目的地のゴッホが療養したサン=ポール・ド・モゾル修道院へ。
町からちょっと離れているらしいので、観光案内所で確認しようと思ったら、
日曜日で休みだった。そう、、休みよね。知ってる、日曜はみんな休みたいって。
外にあった案内看板のざっくりとした地図をたよりに行くしかない。
ほぼ道なりに進み左折、目測、徒歩20~30分ってところかな。

なんとも殺風景な林道を歩く。
切り立った岩山から乾いた風がぶっきらぼうに吹き下ろす。
ゴツゴツとしたオリーブ林が囲んでいる。
私は少し悲しくなった、
こんな寂しいところで、ゴッホは癒されたんだろうか。
より寂しくなって心は縮んでいったのではないだろうか。。


その奥にある修道院はとても楚々としたものだった。


周囲の無骨な風景の中で
そこだけひんやりと穏やかな空気を保っていた。


裏庭に出てみる。



カラカラになったラベンダーから乾いた風がさらに香りを奪い取る。

静かに音も立てず、まるで氷るように蒸発していく空気

きっとこの景色、この空気感は彼の見たものとそう変わらないのだろうけど、
これを見て、彼は何を感じ、どんな思いでいたんだろう。。

帰り道は、裏道を行く。


この辺りにはゴッホが描いた景色がたくさんあり、
その場所にはゴッホの絵付きの案内板がある。
絵と比べられるからとっても分かりやすい。

ああ、この絵も見た事あるなー、こんな景色だったんだ。

殺風景だけど、美しい光に満ちた場所、
こんな穏やかな場所に居ながら、
私はなぜか寂しさとリンクしてしまった。
それは私が勝手に彼の寂しい心を想像してのことだけど、
この村の美しさがやけに胸にしみるのでした。

南仏の夏休み(12)~アルル再び

2013-07-28 20:01:36 |  └・フランス
早朝、宿泊先のタラスコンの駅を発つ。

なんだか実家の最寄り駅の風景を思い出す。
朝の光、澄んだ空気、それだけの朝。


着いたのはアルル、今日はここから、サン・レミ・ド・プロヴァンスに行く予定。
ゴッホが精神病をわずらったとき療養した地、
その地を訪れるのも今回の旅の目的のうちのひとつ。

と、その前にアルルの町をひとめぐり。
そのために早起きしてきたんだもんね。


さらっと町を一巡りしてバス停へ。
ネットで調べたバス停で待つ。
時刻表も張ってあるのだけど、、
が、しかし、どうも不安。。
なぜなら、そこは大きなロータリーになっていて、
この位置だと外へ行く途中でなく、駅に向かう方になる。
と言っても反対側にバス停はないし。。
時間は経ち、不安はどんどん大きくなる。
ようやくやって来たバスの運転手に聞いたら、
わかんないな~って、え?!!!運転手なのに?
時刻表を指し、このバスなの、と必死に訴えると
運転手さんもお客さんも一緒になって時刻表をみてくれた。
そしてそのバスは今日はないよ、と。
え?!!!!!
途方に暮れる私を残して、
気の毒そうな顔でじゃあね、と二人は行ってしまう。


ん~~~、納得いかない、、
が、バス停でたたずんでいても何の解決にもならないので、
とりあえず、アルル散歩の2週目をスタート。


なんだか途方もなく、泣きたい気分。
ゴッホの過ごした場所を見るのは
今回の旅の目的のひとつだったのに。。
どうして?ゴッホは私にその景色を見せたくないの?
全く関係のないゴッホを逆恨みしてみたりするけど、
悲しい気持ちは変わらないし、事態が好転する訳もない。


遺跡をぼんやりと眺める。
これらがまだピッカピカの建物だった頃を思い浮かべてみた。

人のざわめき、生活のにおい、生きるという事。。
医療もない、情報も知識も少ない、今よりも混沌とした世の中で
きっとみんな必死に生きようとしていたに違いない。

くよくよしてても始まらない。
wi-fiのあるカフェを見つけ出し、ひとり作戦会議。
今後の予定を検討しても、そこに行けるチャンスは今日しかない。
バスの時間をもう一度調べ直す。
あと3時間後に1本バスがある。
あちらでの滞在は短くなるけど、帰りのバスにも間に合いそう。
相変わらずバス停が分からないけど、
本当にこの時刻表があっているか分からないけど、
これに賭けよう。

さてと、ではこの3時間、何しよう。

ようやくお店が開き始めた。


フラフラとお店に入ったりしつつ町を歩く。

とってもかわいいアンティークのカップを見つけてしまい、買うかどうかとっても迷う。
しばし悩んで、もし次のバスに乗れなかったら買おうかなとか思いつつ店をでる。


あ、そうだ、友達がおいしって薦めてくれたパンディバニュ?バニャ?を探そうかな。
私の大好きなニース風サラダのサンドイッチバージョンらしいんだけど、あるかな?

開いてるパン屋をのぞくけど、どうもそれらしきものがない。
町のハシまでたどりついて、そこにあったパン屋さんで聞いてみたら、
あ、今できたわよっておばさんが出して来てくれた。
あった!!
わーい♪

なるほどね、ツナとたまごと野菜とオリーブと、
ニース風サラダの具が中にたっぷり入ってる。
う~ん、おいしい!
バゲットのおいしさも相まってとってもおいしい。
すぐさま教えてくれた友達にSNSで報告。

バスに乗れるかまだまだ不安、
でも美味しいサンドイッチと、
パン屋さんのお母さんの明るい笑顔に
少し癒されている川縁なのでした。