カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(16)~マルセイユでブイヤベースを!

2013-07-29 23:30:36 |  └・フランス

エクス・アン・プロバンスから電車に乗ってマルセイユに戻って来た。

今日はここに泊まるので早速ホテルにチェックイン。
フランス一治安が悪いときいたし、
建物も昔はきれいだったんだろうけどなんとなくくすんでるし、
ちょっとここの町に泊まるのは緊張してたけど、
狭い安宿の割には、なんかちゃんとしてそうな感じに一安心。

荷物を下ろして、エクスで買ったお菓子で一休み。
どちらもしっかりとした風味と素朴な甘さで疲れた体を癒してくれる。

ほんの少しの休憩後、私たちはまたソワソワと町に出かけた。
じっとしていられない性分の私たち。

まずは港へと向かう。

なんだか好きだなぁ、この港。
観光地ときれいに整備されているせいか、
港特有の、どこかしら隅のほうに巣食う仄暗い雰囲気がここには感じられない。
ただ青く、その先に道を開く、希望とまではいわないけど、そんな感じを受ける。
きっと何かを求めたくさんの人がその道をゆき、
またきっとたくさんの物がここへ届いたんだろう。
その軌跡が青い道のように見える。


さてさて、今夜はこの旅のメインイベント!
”マルセイユでブイヤベース!”

ブイヤベースはマルセイユの名物。
私は、ある小説を読んで以来、ずっとずっと憧れていたのだ。
ブイヤベースをウエイターに注文し、食べる、というだけの短編小説。
小説の内容ももちろん印象深く良いのだが、
なにぶんそこで描写されているブイヤベースのおいしそうなこと。。
いつか本場で食べたいと思っていた。

しかし、元は漁師が食べる郷土料理だったブイヤベースは、
そのおいしさから、今や高級料理に。
そしてなぜか2人前からしかオーダーできないお店が多く、
一人旅でそれを食べるのはなかなか難しい。

なんとなく南仏に旅行に行こうかなと思っていたところ、
たまたま友達が南仏を経由してスペインに旅行する計画だと知って、
じゃあ、予定をあわせて、二人でアレを食べにいこう!となったのだ。

期待に胸を躍らせてお店に向かった。
お店は港から小さな丘をひとつこえた小さな入り江にあった。
海に向いた広い窓ガラスがいい雰囲気のお店。

いちごのスパークリングワインの食前酒と突き出し。
ただのスパークリングワインでなくていちごってところがおしゃれ!
突き出しもおいしくって、気分も盛り上がる。

ブイヤベースに合うと言われているカシの白ワインも頼んで
よしこい、こちとら準備万端!

さて、とうとうやってきました”スープドポアソン”
ああ、どんな味がするんだろう。。

それは濃い深い、海中の魚を凝縮したような味。
おいしいけど、うーん、なんだか私の想像と違う。
小説を読んで、勝手にそれは澄んだ極上の野菜のブイヨンの魚版みたいなイメージでいたのだ。
そういう研ぎすまされた、洗練された一滴ではなく、
なんていうか、、こちらよりというか庶民的というか、
んー、全てを入れて溶かして凝縮しましたっ、的な感じ。
口の中にまったりとざらりと残る魚の旨味、
そしてその向こうに魚が生きてた頃の臭い、
深いというよりは広いものをギュッとしたしたようなスープ。
ふむむ、小説とは違う、というか私の想像が間違ってたけど、
でもこういうものであれば、これはこれで、おいしい。

パンを浸したり、アイオリソースをトッピングしたりしつつ
スープをたのしむ。

そしてひととおりスープを楽しんだ頃に出てくるコレ。
このスープを作るのに使ったお魚さんたち。
出汁は出きっているけど、そこにスープを絡めていただけば
それはまたおいしい。

噂にはきいてたけど、結構ボリューミー。
いつの間にか私たちは黙々と食べ進める事に専念。
それでも完食はむりだった。。

でもでもおいしかった!ごちそうさま。
こんなおいしい夜を共有してくれた友達に感謝。

夢が叶って満足満腹、
小さな入り江の美しい夜景に見送られながら帰路へついたのでした。


<ブイヤベースを食べたお店>
■Chez Fonfon
140 Vallon des Auffes, 13007 Marseille, France
04 91 52 14 38

南仏の夏休み(15)~エクス・アン・プロバンス

2013-07-29 22:30:15 |  └・フランス
さて、南仏の旅は、今日、第二ステージに入る。
今まで「印象派の描いた地をめぐる」一人旅だったのが、
今日から友達と合流して二人旅になるからだ。

友達との合流地点エクス・アン・プロバンスに向かうため、
経由地となるマルセイユにまた戻る。


電車の乗り換え時間を使ってほんの少しだけ散策。
旅行を決めた後に、この町が”フランス一危険な町”だと聞いて戦いていた。
確かにどことなく計り知れなく、荒んだ雰囲気は受けるけど、
危険という感じはまだ受けない。
中心の観光地だけ歩いているせいもあると思うけど、
なんとなく私はこの町を悪く思えない。

マルセイユからエクス・アン・プロバンスへ向かう電車に乗る。

エクス・アン・プロバンスはプロバンス伯爵領の首都として古くから栄えた町、
多くの噴水と緑あふれる町並みが美しい。

私たちも町のシンボル一番大きな噴水で待ち合わせ。
しかし、私がイタリアに発ってからかれこれ3年会ってないけど、
こんなざっくりとした待ち合わせ場所で会えるかな~。
ドキドキそわそわしながら待っていると、
噴水のむこうでそわそわしている人を発見!
お互いを見つけ、交差点を駆け寄る二人。
プロバンスの明るい太陽のもと、
キラキラと水しぶきを上げる美しい噴水の前での再会!
ロマンティック~、これが男女なら。。
いやいや、女友達だって十分感動的、3年ぶりなんだもん。
しかもこんな知らない町、南フランスの美しい町で再会できるなんて!


感動の再会を果たした私たちは早速町歩き。

あ、マルシェ!


マルシェ大好き!
その土地の食べ物を見るのは、
そこの観光スポットを見るのと同じくらい興味深い。

友達は料理関係の仕事をしているから、
さらに目はキラキラ。


ある食材はイタリアの市場とほぼ同じだけど、
例えばハーブの種類だったり、オリーブの大きさだったりが違って、
どことなくプロバンスって感じがする。

南フランスの太陽をたくさん浴びて育った野菜や果物は
みんなパッツンパッツンまん丸に肥えていておいしそう!

ああ、ここに家があったら色々買って帰るのになぁ。

ひととおり散策をしてお昼。
ずっとひとりごはんだったから、
乾杯!ってできるこの喜び!
お酒もぐぐっとおいしく感じる。

写真右はオリーブのペースト。
これが、とーってもおいしかった。

サーモンの3種の前菜の盛り合わせ

こちらはフォアグラのサラダ
どちらもなかなかおいしかった。

緑の葉を揺らす風が心地いい。。


昼食後の腹ごなしにまたお散歩。


あ、これはこの町の名物お菓子カリソン・デクス。
買わなきゃ!


水と緑が本当に美しい町。

サン・ソーヴール大聖堂にやってきた。


絢爛豪華な外観とは一転、
ひんやりとした空気はゆらぎのない暗い水の底のように黙している。

ちょうど回廊のガイドツアーが始まるところだったので参加。

フランス語でのガイド。
ガイドさんが明らかに東洋人の私たちを見つけて、
フランス語わかるかい?と聞いてくれたので、
いいや、イタリア語だったら話せるんだけどね、と答えたら、
おお、そうかい、ぼくイタリア語も話せるから、イタリア語でも説明してあげるよ。
とっても気さくでいいかんじのガイドのおじさん。
わぁ、親切~。ありがとーガイドさん。


ガイドは歴史を語りながらもおもしろ楽しくすすんでいった。
ひとつ説明すると私を振り返って簡単にイタリア語で説明してくれる。
今度は私が友達を振り返って簡単に訳す。

回廊ってシンとしたところが多いのだけど、
なんだかここはやけに明るい。
明るいからか、誰かが騒いでいるわけでもないのに賑やかな感じを受ける。
不思議。
こんな回廊で思考をめぐらしていたら、
なんか雑多で楽しい事しか思いつかなそう。


ガイドのおじさんのおかげで楽しい見学ができた大聖堂をあとにして、
ミラボー通りでカフェでお茶でもしよう、と休憩。

木陰が涼やかなカフェの外席に座りまして、
お茶、といいながら、結局ビールを頼む私たち。
フフフ、最高!
ちょっぴり赤いのはチェリーのビールだから。
甘いのかと思ったらそうではなくスッキリこくのあるビールだった。

そろそろ帰りの電車の時間が近づき、駅へもどる。
よく考えたら色々他の観光スポットのがしてる気もするけど、
でもいい。ああ、楽しかった!
一人旅も気楽でいいけど、やっぱり誰かがいてくれると楽しいね!

そして私たちは次の町へ向けて電車に乗り込んだのでした。