カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(11)~アヴィニュン

2013-07-27 23:46:52 |  └・フランス
さてさて、ラベンダーツアーの車をアヴィニュンで降りた。
実は行きに乗ったアルルでは私の泊まる町までのバスの最終に間に合わないと判明。
ガイドさんと知恵を絞り合って、
アヴィニュンからならまだ電車があるということで、
予定外だけどそちらで降ろしてもらった。

ラッキーな予定外で見る事ができるようになったアヴィニュンを
早速ひとめぐり。


教皇も住んだという町はとても立派。

威風堂々と美しい。

この町を襲った歴史の波にも打ち勝った
誇りを感じる佇まいである。


今まで見て来た実質で楚々とした美しさのある南仏の町とはずいぶん印象は違うけど、
見るに値する美しい町。

ローヌ川のゆったりとした流れが町の美しさを際立たせている。

さてさて、美しい川面の光を眺めながら晩酌としますか。

こうやってみると、架けても架けても橋が落ちるほど
荒れ狂う川には見えないけど、
強きものというものは普段はこんなふうにゆったりと見えるものなのかな。
例えば私もこの流れのようにゆったりと構えていたら、
いつかしっかりと海へとたどり着くということなのか。
異国の地で、ビール片手にしばし物思いにふけるのでした。

南仏の夏休み(10)~ラベンダーを探して(3)

2013-07-27 23:26:11 |  └・フランス
美しきゴルド村を出発してラベンダー畑を目指す。

脳内で憧れ続けていたラベンダー畑
青空にどこまでも続く花畑とは違ったけど
その美しさは写真や映像で見ていたものとは比べ物にならない。
 
 
乾いた日差しに照らされて立ち上る香りは
風に乗ってサラリと舞い上がり
あっという間にその谷を埋め尽くしてしまう。

空気に解け合ったラベンダーの香りは
あっという間に私の呼吸から体の細胞の隅々まで行き渡り、
私はその爽やかな香りで満たされる。

どろしとした重い心が中和され
濁った感覚が冴え冴えとしてくるのが分かる。
そして濁った感覚が全て流れ出した私はとても細々としていた。

心の重みを失った私は軽々と、
でもどこか重心を失ったように頼りない。
ラベンダーの香りとともに空気に解けそうになりながら、
それでも強烈に思った事がある。

くやしい、この谷に充満するラベンダーの香りを撮れなくて
みなに伝える力がなくってくやしい。。
 
 
ラベンダーを探す旅は、近くの町で給水タイムをとり終わりを告げた。
ラベンダーの香りと鮮烈な色が幻のように脳裏に焼き付いている。
催眠から目覚めたあとのようなけだるい疲労感を感じつつ、
帰りの車に揺られているのでした。


南仏の夏休み(9)~ラベンダーを探して(2)

2013-07-27 23:19:25 |  └・フランス
マルシェを見終わった私たちは
今度はラベンダー博物館に連れてこられた。
ダイレクトにラベンダーだけを見れないのがツアーの辛いところ。
ま、おまけだと思うしかない。

と、いいつつちょっと楽しみなラベンダー博物館。
何を隠そう博物館と名のつくものは
どんなに小さかろうが大好きだ。

これがその昔ラベンダーの抽出液を作っていた機械

ラベンダーには何種もあり、それらは大きく2種類に分けられるらしい。
ラベンダーとラバジン
どっちもラベンダーだと思ってたけど違いがあるらしい。
ラベンダーからとれる抽出液はとても香りがよく、
大量の花から少量しか取れないのでとても高価なのだそう。
ラバジンは育ちも早く、汎用されているのはこちらだそう。
ほほ~、、なるほどねそんな違いが。

関心しきりで博物館を出たら、出口にある売店で
ラベンダーのマッサージクリームをまんまと買ってしまった。
見事に罠にはまった私であるが、
ま、よい、足すごくむくむし、使い心地よさそうだし
と、誰にでもなく心の中で言い訳している私。

さてさて、ツアーはまだラベンダー畑にたどり着かず、ゴルド村へ。
フランスの美しい村にも選ばれたこの村の景色は絶景!
ああ、ここに立っただけで
なんだか自分が美しい物語の中の登場人物になった気分。

澄み渡る青空、明るい太陽、谷から吹き上げる風は心地よく、
日常のしがらみにどろりと囚われていたものがサラサラと風に飛ぶ。
そこに立つのはむき出しの私。

このゴルド村でお昼休憩らしい。



ちょっと町めぐり。
町の中もとってもかわいい。

丘を吹く風が街路樹をゆらす
葉に反射した銀色の太陽の光がきらめく。

お昼は各自とるようにとのことだったので、
パン屋さんでバゲットと
総菜屋さんでキッシュを買って
木陰に座って食べた。

香ばしいバケットのおいしさもさることながら、
濃厚でたっぷりとしたキッシュのおいしいこと!
どうやったらこんなにおいしいキッシュになるんだろう
ぜひ作り方を教えてほしいっ。


食後はさらに町散策
もはや観光地という雰囲気だけど
どのお店も趣味よくまとめられているし、
丘の斜面に作られた町の小道は
それだけで趣深い。


美しい町を夢見心地で歩き抜け、
ぱっと開けた下界は遥か遠く、
目指すラベンダー畑にはまだまだたどり着かないのでした。

南仏の夏休み(8)~ラベンダーを探して(1)

2013-07-27 22:20:04 |  └・フランス
一人旅の南仏の夏休み、
今日はツアーに参加してラベンダー畑を見に。
子供の頃からなぜだかとても強く頭の中にイメージを持っていたラベンダー畑、
一度実際に行ってみたかった、
というより行けるチャンスを虎視眈々と狙っていたと言った方がしっくりくる。
でも調べるにつけ個人では車がない限りとても行きづらいことが分かり、
費用と労力を考えて、今回はツアーに参加することにした。

まずは待ち合わせのアルルへ。

あれ、マルシェが出てる。
朝食にクロワッサンを買っていただく。
さっくりかる、そしてパリで買うものより素朴な味。

しかし待ち合わせ場所に誰も来ない。。
一抹の不安とクロワッサンをかじりながら待つことしばし、
人の良さそうな男性が迎えにきてくれた。
どうやらこの街でのピックアップは私ひとりらしい。
次のピックアップへ向かう道中、おしゃべり。
フランス人の彼は、学生の頃イタリアへ留学してちょっぴりイタリア語が話せるらしい。
コミュニケーションツールが増えて、さらに会話はもりあがり、車は爽快に朝の光の中を走る。

道中見えるひまわり畑に車中からカメラを向けていたら、
少し時間があるからと車を止めてくれた。

きれい。
朝の光をいっぱいに受けて幸せそうなひまわりたち。
トスカーナのひまわりより少しシャイに見えるのは私の気のせいか。


いろんなところでお客さんをピックアップして満員。
そしてツアーはまずプロバンスの朝市へ立ち寄った。

プロバンスではマルシェが各町を決まった曜日に巡回するシステムらしい。


今日小さな町で開かれていたマルシェは
プロバンスの名産品でいっぱい。


朝市、大好き。
見てるだけでもなんだかわくわくしちゃうっ。



その土地で育ったもの、採れたものを見ると、
そのものたちがそこで過ごした時間が想像されて
なんだかたまらなくロマンを感じるのだ。
そのものたちが過ごした晴れの日、雨の日、春夏秋冬
そのものたちを育てた人の手、
その人たちが過ごした日々、たくさんの苦労、それを支える家族、、

ひとりウキウキといろんな景色を想像をしつつ写真を撮っていたら、
おじちゃんが「僕を撮りなよっ」ってポーズ。

明るい南仏の太陽に恵まれた人々は
その太陽みたいに陽気。

その土地で育つ事、育つ環境、
与えるもの、与えられたもの、
その全ての因果と応報を漠然と思うプロバンスの夏なのでした。