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地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(13)~サン・レミ・ド・プロヴァンス(1)

2013-07-28 22:44:39 |  └・フランス
サン・レミ・ド・プロヴァンスはゴッホが療養した修道院があり、
そこでも数々の作品を描いた町。
今回の旅の目的のひとつ「ゴッホの描いた地を訪ねる」にはぜひとも行きたかった町。

しかし、ただでさえ本数の少ないサン・レミ・ド・プロヴァンス行きのバスを逃してしまった。
ネットで調べておいたバス停が違うのかもしれない。
半泣きになりながら、もう一度時刻表を調べ、
バス停を周囲の人に聞いて確認。
でも聞いてもみんなあんまり知らない。。
そりゃそうだ、地元の人はバスではなく車だろうし、
それ以外は観光客。それもそこへ行く人はきっと少ない。
めげずに何度も何度も繰り返し人に聞く、イタリアで学んだ道を探す方法。
ようやく一人のバス運転手さんが、
次に来るバスがそうだからここで待ってなさいと教えてくれた。
不安いっぱいの胸にようやく一筋の光、
ドキドキしながら待っていたら、ほどなくしてそれらしきバスがやってきた。

バスはいくつかの小さな村を経由して遠く私を運んだ。
時間があればぜひとも立ち寄りたい魅力的な風景、
でもただでさえ1本バスを逃しているのにそんな余裕はない。
またね、次の目的にとっておこう。

そんなこんなでようやくたどり着いたサン・レミ・ド・プロヴァンス。
こじんまりしているけど、緑あふれる美しい町。
町も見たいけど、まずは目的地のゴッホが療養したサン=ポール・ド・モゾル修道院へ。
町からちょっと離れているらしいので、観光案内所で確認しようと思ったら、
日曜日で休みだった。そう、、休みよね。知ってる、日曜はみんな休みたいって。
外にあった案内看板のざっくりとした地図をたよりに行くしかない。
ほぼ道なりに進み左折、目測、徒歩20~30分ってところかな。

なんとも殺風景な林道を歩く。
切り立った岩山から乾いた風がぶっきらぼうに吹き下ろす。
ゴツゴツとしたオリーブ林が囲んでいる。
私は少し悲しくなった、
こんな寂しいところで、ゴッホは癒されたんだろうか。
より寂しくなって心は縮んでいったのではないだろうか。。


その奥にある修道院はとても楚々としたものだった。


周囲の無骨な風景の中で
そこだけひんやりと穏やかな空気を保っていた。


裏庭に出てみる。



カラカラになったラベンダーから乾いた風がさらに香りを奪い取る。

静かに音も立てず、まるで氷るように蒸発していく空気

きっとこの景色、この空気感は彼の見たものとそう変わらないのだろうけど、
これを見て、彼は何を感じ、どんな思いでいたんだろう。。

帰り道は、裏道を行く。


この辺りにはゴッホが描いた景色がたくさんあり、
その場所にはゴッホの絵付きの案内板がある。
絵と比べられるからとっても分かりやすい。

ああ、この絵も見た事あるなー、こんな景色だったんだ。

殺風景だけど、美しい光に満ちた場所、
こんな穏やかな場所に居ながら、
私はなぜか寂しさとリンクしてしまった。
それは私が勝手に彼の寂しい心を想像してのことだけど、
この村の美しさがやけに胸にしみるのでした。

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