テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

昔むかぁ~し?

2014-04-13 21:41:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ぴィ~ひょろろッ!」
「がるる!ぐーるぅる!」(←訳:虎です!ぴーひょろ!)

 こんにちは、ネーさです。
 サクラ前線の北上とともにウグイスちゃんの歌は消え、
 代わりにトンビくんのピーヒョロロが聞こえてきます。
 本日は、輪を描くトンビくんもアッと驚いて失速しちゃいそうな
 《むかし噺》を御紹介いたしましょう♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
              ―― 新釈 にっぽん昔話 ――



 著者は乃南アサさん、2013年11月に発行されました。
 ……いや、いけません、いけませんよ、
 あの有名なアニメのテーマソングを歌ったりしては、いけません。

「ええッ? なぜェ~??」
「ぐるるるるー!」(←訳:歌いたいよー!)

 この御本は、
 日本の老若男女の記憶にある
 『昔むかし、あるところに……』な物語をもとに
 著者・乃南さんが紡ぎ直した、いえ、
 パリっと仕立て直したユニークな昔話集。

 アニメ化された昔話とは、
 ふっふっふっ♪
 ちょぉ~っと別モノ、なんですねえ。

「あうううゥ?」
「がるるるぐるっ?」(←訳:不気味な笑いっ?)

 では、おっとと、失礼、
 (ネーさ、口調を変えて)

 んだば、まんず御本のとっぱなに収録されとるハナシさ
 ちょっくらこいっと
 明かしたろうかなあ。

 皆の衆も、ほぉれ、
 一編は耳にしたったろうてもん、
 『さるかに合戦』の御話をよぉ?

「んだァ、んだァ!」
「ぐるるがっるる!」(←訳:オラも知っとる!)

 悪どいサルっコと
 哀れなカニさんの御話も
 乃南のねえさまの手にかかればぁ、
 そらもうアッチョンブリケ、
 いやいや、めんこくてぇ、シャレとってぇ、
 クールなぁ語りっぷりに惚れ惚れだとて。

「なんじゃッ? くーるゥじゃとォ?」
「がるぐるるがるる!」(←訳:そらえらいことや!)

 そん次がぁ、
 『花咲かじじい』。
 またこれがぁ、たいしたじぃさまぁ、ばばさまぁがおったもんだわぁ、
 愛犬家さんは号泣してまうぞぉ、て、
 しみじみさせられてまう御話でなあ。

 いやぁ、
 『一寸法師』も『三枚のお札』も
 『笠地蔵』も『犬と猫とうろこ玉』も、
 目ん玉ぁ丸くする垢抜けぶりだわのう。

「ほよよッ、いッすんぼうしィ!」
「ぐるるるる!」(←訳:なつかしや!)

 お見事だわいなぁ、と思うんは、
 おっと、またも失礼、
 (ネーさ、口調を戻し)

 見事だなぁ、と膝を打ちたくなるのは、
 著者・乃南さんの絶妙な手加減&筆加減です。
 まったく変えてしまうのではなく、
 御話の骨格は変えず、
 要所を締めつつ、
 新たな変態――メタモルフォーゼをもたらしてゆく。

 サナギがチョウに変わるように、
 似ていて別もの、
 もしくは、
 別物でありながらそっくり?な姿へと。

「そらァたまげたッ!」
「がるっるーるぅ!」(←訳:トリッキーじゃ!)

 この御本を著したきっかけは
 東日本大震災にあったと、
 乃南さんは『あとがき』に記しておられます。
 昔のひと、
 そして現代に生きる大勢のひとの想いも織り込まれた物語集は
 チビっ子にもオトナ諸氏にも
 おすすめの逸品ですよ♪

「よんでェみなされェ~!」
「ぐるるぅ~」(←訳:んだばぁ~)
「とッぴんぱらりィのォ、ぷゥ!」


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