「こんにちわッ、テディちゃでス!
かッ、かぜがァ、つめたいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるがるぐる?」(←訳:虎です!奥多摩では雪も?)
こんにちは、ネーさです。
雨や雪、強風に霜注意報……
4月とは思えない冷え冷え気候をハネのけるために、
本日の読書タイムは、とびきりアツい一冊をご紹介いたしますよ。
さあ、こちらを、どうぞ~♪
―― 文士が、好きだーっ!! ――
著者は坂上友紀(さかうえ・ゆき)さん、
2025年2月に発行されました。
『或る書店主の文学偏愛ノオト』と副題が付されています。
「あちちちィっ!」
「ぐるがるぅる~!」(←訳:火傷しちゃう~!)
ぐらぐら煮え立つ、熱い思い。
或いは、囲炉裏の炭が持つ秘めやかな熱。
著者・坂上さんは、
《本のひと》です。
2010年に大阪市内で書籍と雑貨のお店
『本は人生のおやつです!!』をオープン、
2022年には兵庫県朝来市に移転して
お店を運営しながら、
『本屋、ひらく』『まだ知らない夢の本屋ガイド』など
本と本屋さんに関連した書籍を著しておられる
根っからの《本》愛好家さん、なんですね。
そんな坂上さんが、
あらためて、全身全霊で叫ぶのは――
「すきなんでスゥッ!」
「がるるるる!」(←訳:文士さんが!)
この御本で取り上げられているのは、
坂上さんが敬愛する、いえ、熱愛する
20世紀の文士さんたちです。
本文は、
第1章『かわいい系文士 井伏鱒二』
第2章『かわいい系文士 室生犀星』
第3章『かっこいい系文士 芥川龍之介』
第4章『ギャップ系文士 堀辰雄』
第5章&第6章『やさしい系文士 神西清(じんざい・きよし)』
第7章『ロマンチック系文士 立原道造』
という7つの章を中心に展開してゆきますが、
……かわいい?
「ぎゃッぷけいィ?」
「ぐるるるっる?」(←訳:ロマンチック?)
第1章の一行目で、坂上さん、
開会宣言ならぬ開ページ宣言を敢行!
《とにかく鱒二はかわいい! 井伏鱒二は、かわいいのだっ!!》
以降、井伏さんのあれやこれやを
誉めに誉めて誉め上げます。
その勢いは、7つの章すべてで変わらず続くので、
ふうぅ、圧倒されました……
圧倒されすぎて、もう笑っちゃうというか。
「わらッちゃだめェでスゥ!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:でも我慢できない!)
第7章の主人公は、
立原道造(たちはら・みちぞう)さん(1914~1939)。
詩人であり、
将来を嘱望される建築家さんでもあった立原さんに、
しかし、将来は存在しませんでした。
結核のため、24歳で没……。
まことに悲劇的な、短か過ぎる生涯であったと、
今も多くの人びとに惜しまれている御方、なのですが。
坂上さんが描く”道造像“は、
なぜか、ふふふっと笑ってしまう?
「くすくすッ♫」
「ぐるる!」(←訳:むふふ!)
“悲劇のひと”から、
“ユーモアを解し、詩心ある建築家のタマゴ“へ。
坂上さんは、足取りも軽く、飄々と、
立原さんに付されたレッテルを
貼り替えてゆきます。
敬愛する作家さんの、詩人さんの、
本当の魂はどこにあるのか――
各章をじっくり読んでゆけば、
作家さんそれぞれの印象が
音を立てて変容すること必至の文学論は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪