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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 告白は、アツアツに ~

2025-04-02 22:03:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 かッ、かぜがァ、つめたいィ~ッ!」

「がるる!ぐるるがるぐる?」(←訳:虎です!奥多摩では雪も?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 雨や雪、強風に霜注意報……

 4月とは思えない冷え冷え気候をハネのけるために、

 本日の読書タイムは、とびきりアツい一冊をご紹介いたしますよ。

 さあ、こちらを、どうぞ~♪

   

 

 

           ―― 文士が、好きだーっ!! ――

 

 

 著者は坂上友紀(さかうえ・ゆき)さん、

 2025年2月に発行されました。

 『或る書店主の文学偏愛ノオト』と副題が付されています。

 

「あちちちィっ!」

「ぐるがるぅる~!」(←訳:火傷しちゃう~!)

 

 ぐらぐら煮え立つ、熱い思い。

 或いは、囲炉裏の炭が持つ秘めやかな熱。

 

 著者・坂上さんは、

 《本のひと》です。

 

 2010年に大阪市内で書籍と雑貨のお店

 『本は人生のおやつです!!』をオープン、

 2022年には兵庫県朝来市に移転して

 お店を運営しながら、

 『本屋、ひらく』『まだ知らない夢の本屋ガイド』など

 本と本屋さんに関連した書籍を著しておられる

 根っからの《本》愛好家さん、なんですね。

 

 そんな坂上さんが、

 あらためて、全身全霊で叫ぶのは――

 

「すきなんでスゥッ!」

「がるるるる!」(←訳:文士さんが!)

 

 この御本で取り上げられているのは、

 坂上さんが敬愛する、いえ、熱愛する

 20世紀の文士さんたちです。

 本文は、

 

 第1章『かわいい系文士 井伏鱒二』

 第2章『かわいい系文士 室生犀星』

 第3章『かっこいい系文士 芥川龍之介』

 第4章『ギャップ系文士 堀辰雄』

 第5章&第6章『やさしい系文士 神西清(じんざい・きよし)』

 第7章『ロマンチック系文士 立原道造』

 

 という7つの章を中心に展開してゆきますが、

 ……かわいい?

 

「ぎゃッぷけいィ?」

「ぐるるるっる?」(←訳:ロマンチック?)

 

 第1章の一行目で、坂上さん、

 開会宣言ならぬ開ページ宣言を敢行!

 

 《とにかく鱒二はかわいい! 井伏鱒二は、かわいいのだっ!!》

 

 以降、井伏さんのあれやこれやを

 誉めに誉めて誉め上げます。

 その勢いは、7つの章すべてで変わらず続くので、

 ふうぅ、圧倒されました……

 圧倒されすぎて、もう笑っちゃうというか。

 

「わらッちゃだめェでスゥ!」

「がるぐるがるるる!」(←訳:でも我慢できない!)

 

 第7章の主人公は、

 立原道造(たちはら・みちぞう)さん(1914~1939)。

 

 詩人であり、

 将来を嘱望される建築家さんでもあった立原さんに、

 しかし、将来は存在しませんでした。

 結核のため、24歳で没……。

 まことに悲劇的な、短か過ぎる生涯であったと、

 今も多くの人びとに惜しまれている御方、なのですが。

 

 坂上さんが描く”道造像“は、

 なぜか、ふふふっと笑ってしまう?

 

「くすくすッ♫」

「ぐるる!」(←訳:むふふ!)

 

 “悲劇のひと”から、

 “ユーモアを解し、詩心ある建築家のタマゴ“へ。

 

 坂上さんは、足取りも軽く、飄々と、

 立原さんに付されたレッテルを

 貼り替えてゆきます。

 

 敬愛する作家さんの、詩人さんの、

 本当の魂はどこにあるのか――

 各章をじっくり読んでゆけば、

 作家さんそれぞれの印象が

 音を立てて変容すること必至の文学論は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪