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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

さりげなく、怖く?

2019-04-21 22:16:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ひゃあッ! はッけェ~んッ!」
「がるる!ぐるぅるるる~!」(←訳:虎です!嘘じゃないよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ東京・多摩地域のソメイヨシノは殆ど散ってしまいましたが、
 なんと!見つけちゃいましたわ!
 緑色のサクラを!!
 今日は上手に写真撮影できませんでしたので、
 明日あらためて撮ってきましたら御報告しますね。
 では、ここからは読書タ~イム!
 本日はこちらのミステリ作品を、さあ、どうぞ~♪

  


 
      ―― 准教授・高槻彰良の推察 ――



 著者は澤村御影(さわむら・みかげ)さん、2018年11月に発行されました。
 『民俗学かく語りき』と副題が付されています。

「ふァ~、きょうじゅさんッていうとォ~」
「ぐるるるがるるぐる?」(←訳:探偵役は大学の先生?)

 都心にキャンパスを構える清和(せいわ)大学――

 高槻彰良(たかつき・あきら)さんはその大学の、
 文学部史学科民俗学考古学専攻の准教授の任に在ります。

「なッ、ながいィ~!」
「がっるぐるぅ~!」(←訳:もっと短くぅ~!)

 そうね、簡単に言いますと、
 『民俗学Ⅱ』の講義を担当しているのが、
 高槻准教授、なんです。

 すらりとした長身、
 大きな二重の眼に、きれいに通った鼻筋。
 そう、いわゆる“イケメン”である高槻先生は、
 TVの怪奇特番で妖怪の解説をしていたりするので、
 学内でも有名人、
 講義は教室が満杯になっちゃう人気ぶり。

「……ようゥかいィ~…?」
「ぐるがる?」(←訳:TV出演?)

 そうなのよねぇ、
 民俗学といえば柳田国男さん折口信夫さん、
 という時代から、
 現代では、
 怖い話・奇妙な話・都市伝説・学校の怪談、
 これみな民俗学と解釈して、
 高槻先生は特に、
 “不思議な話が語られるようになった背景”
 “その元ネタと思われる話の研究”
 を専門としています。

「でもォ、がくせいィさんはァ、びっくりィ~!」
「がるるぐるがるる?」(←訳:これも学問なんだ?)

 小学生たちのウワサ話。
 ツチノコ。

 それらも真面目な研究課題なのだと聞かされて、
 大学に入学したばかりの新受講生さんたちは、
 面白がったり、笑ったり。

 けれど、この物語の語り手――
 深町尚哉(ふかまち・なおや)さんは、
 心の底から笑うことが出来ないようです。

「かおいろォ、よくないィでスよゥ?」
「ぐるる?」(←訳:大丈夫?)

 不思議な話。
 奇妙な体験談。

 ……俺は、知ってる。
 誰よりも、知っている。

「えッ! それッてッ!」
「ぐるるるる?」(←訳:もしかして?)

 複雑な想いを抱えつつも
 『民俗学Ⅱ』の講座に出席し続けた深町くん、
 提出したレポートの件で
 高槻先生に呼び出されたのをきっかけに、
 先生のもとに持ち込まれる相談事の調査を
 手伝うことになりました。

   無人の部屋から響くノックの音。

   どこからか湧いて出る、針。

   神隠しに遭った高校生。

 高槻先生の助手役を務める深町くんの、
 こころはザワザワと波立ちますが……

「……それはァ~…」
「がるるるるぐるる~…」(←訳:さり気なく怖いよ~…)

 ついアハハと笑い飛ばしたくなる、
 現代の怪談。
 けれど、その背後に何かがある、としたら。
 何かの意味がある、としたら。

 ライトノベル風の体裁の内側には
 深く考えさせられる要素が詰まっている
 《民俗学ミステリ》、
 ミステリ好きな御方に、
 時代モノ歴史モノが好きな方々にもおすすめです。 
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪