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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

うっとり♪な幸福を。

2017-03-21 22:13:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はなよりィ~だんごッ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!ボクも団子で!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京でサクラ開花を観測!のニュースがありましたが、
 さて、活字マニアの皆さまは
 “花派”でしょうか、“ダンゴ派”でしょうか?
 本日の読書タイムは、
 きっとダンゴ派に違いない!と思われる方々の作品を
 ずらり並べたアンソロジーブックを、さあ、実食いたしましょう~♪
 
  



        ―― うっとり、チョコレート ――



 編者は杉田淳子さん、武藤正人さん、2017年1月に発行されました。
 《おいしい文藝》シリーズの一冊であるこの御本のテーマは、
 いうまでもなく――

「ちょッこれェ~とゥ!」
「ぐるるる~!」(←訳:だよねえ~!)

 チョコレート、ショコラ。

 どう読んでも構わないんですけど、
 どうにもこうにも美味しくってたまらないあの食べものを、
 かくも大勢の作家さんが愛しておられるとは、
 同じショコラ好きとして嬉しくなりますね♪

 はい、先ずは『もくじ』を御覧ください。
 著者さんのお名前をちょっとだけ挙げますと、
 村上春樹さん、片岡義男さん、中島らもさん、
 森茉莉さん、江國香織さん、開高健さん、東海林さだおさん……

「あれッ? いがいとォ?」
「がるぐる!」(←訳:男性多し!)

 ええ、そうなのよね。
 甘いモノ苦手なんです、という男性は
 いまや少数派なのかしら?

 作家の浅田次郎さんに至っては、エッセイ作品
 『《義理チョコ》とは何か』の
 第一行目からして、↓こうです!

   バレンタインデーが近付くと、
   私の胸は少年のようにときめく。
   
「とッ、ときめきィ??」
「ぐるっ??」(←訳:なぜっ??)

   むろん、愛の告白を期待しているわけではない。
   チョオレートが大好きなだけである。

「きゃほゥ!わきゃりまスゥ!」
「がるるる~!」(←訳:同好の士~!)

 数行を読んだだけで、
 以前から浅田さんのファンである私ネーさ、
 いっそう大ファンになってしまいましたよ。

 また、開高健さんも
 『美味・珍味・奇味・怪味・媚味・魔味・幻味・幼味・妖味・天味』で
 
   甘いもので特筆大書したいのが、チョコレートだ

 と断言しています。さらに、

   精神の疲労はアルコールを求め、
   肉体の疲労は甘味を求める

 とも。

「うゥむゥ!わきゃるのでス……!」
「ぐるるるがる!」(←訳:異議なしです!)

 バレンタインとホワイトデーの
 甘くて苦い思い出を語る伊集院光さん。
 チョコレートの歴史を語る辻静雄さん。
 楠田枝里子さんはチョコの長所を力説し、
 田沢竜次さんはチョコレートの系譜を綴り、
 西加奈子さんはデートとのエピソードを思い出す。

 そして、
 作家さん・著名人さんたちが
 チョコレートにかける情熱にニヤニヤしながら
 巻末にまで読み進んだ方々は、
 そこで、

「えッ?」
「がるる!」(←訳:これは!)

 と、目を瞠るかもしれません。
 御本のいちばん最後に収められているのは――

 小川未明さん著『狼とチョコレート』。

「わおおゥ!」
「ぐるる!」(←訳:童話だ!)

 『赤い蝋燭と人魚』『月夜と眼鏡』の小川未明さんが
 チョコレートの物語を描くと……?

「こうなりィましたッ!」
「がるる~♪」(←訳:うふふ~♪)

 ショコラ好きな活字マニアさんにとっては
 ただもう幸福な一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひぜひ、探してみてくださいね♪