テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 音楽の海を征け ―

2017-03-03 22:10:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はッぴィ~ひなまつりィ~♪」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!雛あられ美味!)

 こんにちは、ネーさです。
 雛祭りの今日は、日本版アカデミー賞が開催されていますね。
 ならば、と本日の読書タイムも
 またまた映画につながる書籍を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― ひとり吹奏楽部 ――



 著者は初野晴(はつの・せい)さん、2017年2月に発行されました。
 副題に『ハルチカ番外篇』とありますように、
 吹奏楽部の元気少女チカちゃんと
 チカちゃんの幼馴染であるハルタくんが主人公の
 《ハルチカ》シリーズの初の番外篇です。

「このたびィ、えいがにィなりましたでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:しかも実写で!)

 そうよぉ、アニメじゃないのよぉ、
 実写映画なのよぉ♪

 とはいうものの、不安だわ……。
 TVのCMや、予告編トレイラーを見る限り、
 《ハルチカ》が恋愛映画になっちゃってる……?

 原作を愛するファンの方々は、
 いやそうじゃないんだ、
 恋愛っていうラベルで一括りにして欲しくないモノなんだ、
 特別な何かなんだ、と
 大いに力説したいところでしょうが、

「りきせつゥしちゃッてまスよゥ、ネーさッ!」
「がるるー!」(←訳:冷静にー!)

 えーと、そうね、
 ここは海より広い度量を見せつけることにして、
 映画化を喜び、
 この『番外篇』が刊行されたことを寿ぎましょうか。

「かきおろしィ、なのでスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:主客反転!)

 ええ、この御本に収録されている短編5作品のうち、
 4つの作品では、
 本篇《ハルチカ》シリーズでは準主役であった
 吹奏楽部員さんたちが
 “タイトルロールを背負う”危険な任務に就いています。

「ほぼほぼォ~しゅやくゥ!」
「がるぐる!」(←訳:大任だよ!)

 だいじょうぶ!
 主役の重圧も、彼らなら軽くハネとばしてくれるわ♪

 まずは5作品の一番手、
 『ポチ犯科帳』では、
 南高吹奏楽部で打楽器を担当するカイユくん、
 バストロンボーン奏者の後藤さんが。

 二番手の『風変わりな再会の集い』では
 クラリネット奏者の芹澤さんと
 トランペット奏者の片桐くんが。

 1篇飛ばして、
 四番手の『巡るピクトグラム』では
 アルトサックス奏者のマレンくんと
 オーボエ奏者の成島さんが。

 そして表題作品でもある五番手の『ひとり吹奏楽部』では、
 成島さんと、
 とある《?》な人物が
 物語を織り成します。

「ひとりひとりがァ、しゅやくさんッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:全員重要人物!)

 吹奏楽は、ソロパートもあるけれど、
 “みんな”でやらなくちゃ
 先には進めません。

 ひとりずつの、ものがたり、想い、日常を積み重ね、
 南高吹奏楽部の《音》が出来上がってゆく。

 せーの、で演奏を始めるまでの、
 練習するために音楽室のドアをくぐるまでの、
 騒々しくも清々しい、
 二度と訪れない日々の記録は、
 《ハルチカ》フアン諸氏さんに、
 シリーズ未読の御方にもおすすめです。

 荒い波も、
 暗い雲も、
 吹奏楽を追い風にして――

「のりきッちゃおうゥ!」
「がるるる!」(←訳:軽々とね!)
 
 
コメント
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