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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 名花のたくらみ ―

2016-09-12 22:14:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 まどりッどにィ、ごーるゥ!」
「がるる!ぐるるる?」(←訳:虎です!優勝者は?)

 こんにちは、ネーさです。
 2016ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を遂げたのは、
 ナイロ・キンタナさん(モビスター所属・国籍はコロンビア)!!
 そして私ネーさが大好きな
 アルベルト・コンタドールさん(ティンコフ所属・国籍はスペイン)は
 総合敢闘賞を受賞!

「おめでとうございまスゥ~!」
「ぐるるるるっ!」(←訳:お疲れさまっ!)

 選手さんスタッフさんに労いの大拍手を送りつつ、
 さあ、私たちも張り切って読書タイムに参りましょう。
 本日は、こちらの五本を、どうぞ~!
 
  



          ―― つまをめとらば ――



 著者は青山文平(あおやま・ぶんぺい)さん、2015年7月に発行されました。
 六つの短編作品から成る時代小説集は……
 いやー、オシャレです!

「ふァいッ??」
「がるる?」(←訳:お洒落?)

 御本の題名『つまをめとらば』は、
 与謝野鉄幹さんの
 『人を恋うる歌』から択られています。

    妻をめとらば 才たけて
    見目うるわしく 情けある……

 と始まる詩歌は、
 文語調ながら“ハイカラ”な、
 バイロン、ハイネ、といった人名も飛び出す、
 愉快爽快な恋歌なのですが、
 この御本もそんなノリです。

 悲惨で過酷な出来事の合間に
 ヒョイっと覗くユーモア。
 
 切実なのだけれど、
 逼迫しているのだけれど、
 どこかに、余裕が隠れている――

「そこらへんがァ~…」
「ぐるぅる?」(←訳:オシャレ?)

 六つの物語のうち、
 御本の初めに収録されている
 『ひともうらやむ』の粗筋を
 ちょっとだけ紹介いたしますと。

 或る藩の城下ではいま、
 新参の藩医さんの腕前が大評判となっています。
 西洋の外科医学を修めた医師さんですから、
 よく治る!と噂が噂を呼び、
 門前には長~い行列。

 しかし、藩の若者たちにとっては、
 医師さんの腕前よりも、
 その一人娘の
 世津(せつ)さんの美しさの方が
 大々評判となっている、んですね。

「びじんさんでッ!」
「がるるる!」(←訳:優しくて!)

 そこで、若者たちはこぞって美しい世津さんに
 思いのたけを告白!
 するのかというと、
 あらら、そうはなりません。

 こんなに美しい人なのだから、
 隣に並ぶのを許されるのは、
 普通の男ではダメだ。
 家柄がいい、容貌がいい、性格もいい、
 そんなヤツでないと。

「うわひゃァ~!」
「ぐるがるるぅ!」(←訳:そう来たかぁ!)

 周囲の暗黙の了解のもと、
 美女と美男、
 絵に描いたようなカップルが完成しました。

 これで、めでたしめでたし、
 はい、お終い、となったら良かったのですが、
 こころ持つ人の身の上に
 幸福は長く留まってくれません。

 ほどなく、
 藩を震撼させる大事件が……?

「まるでェ、みすてりッ??」
「がるぐるるるる!」(←訳:いやサスペンスだ!)

 先日はS・キングさん作『ジョイランド』をご紹介しましたが、
 キングさんの作品が極上等なバーボンとするなら、
 こちら青山さんの作品は稀少で貴重な清酒、でしょうか。
 あ、私ネーさ、お酒は飲めないので言い直しますと、
 素朴だけれど頬ぺたが落ちそうなアップルパイと
 上質な和三盆の砂糖菓子のような、
 つまりは――

「おいしィ~ッてことォ、でスかァ?」
「ぐぅるがるるるるるるぅ!」(←訳:じゃあいただかなくちゃ!)

 一流のエンタ作品にして
 余韻も香しい銘酒、
 時代小説好きさんも
 ミステリアスな物語が好きな御方も、
 ぜひ、一読くださいね~♪
 
 

コメント
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