「むぽッ! これはッ!
おひさしぶりィのォ、しょうせつゥでスねッ、ネーさ?」
そうなんですよ、テディちゃ!
このところアート系の御本が続いていましたけれど、
本日は!張り切ってミステリの御紹介をいたしましょう!
はいっ! こちらを、どうぞ~!
―― 虚栄の肖像 ――
著者は北森鴻さん、’08年9月に発行されました。
美術品の修復家にして花師でもある
『佐月恭壱』を主人公にしたシリーズの第2作になります。
「あはッ!
おもいィだしたでスゥ!
ぎんざのォ、おはなやさんッ!」
そう、恭壱(きょういち)さんは、
銀座を中心にお仕事をしています。
バーなどにお花を飾りつける《花師》の仕事と、
依頼を受けて美術品を修復する絵画修復師のお仕事を。
「どッちもォ、たいへんそゥでスゥ~」
銀座という場所柄でしょうか、
お店に花を活けに行けば
偶然なのか必然なのか、
訳ありな人物に出くわし……
と思えば、
由来の定かならぬ絵画の洗浄を頼みこまれ……?
さらに恭壱さんを困惑させるのは、
修復仕事の報酬として贈られた古備前の壺。
知り合いの美術商にちょっと預けた、筈だったのが、
あれれ?
いつの間にか、或るバーのマダムの持ち物に?
おかしい……!
有り得ない……!
これは、何者かの思惑が働いているとしか……?
「きッとォ、わなッ!なのでスよッ!
きをつけてェッ!」
恭壱さんも、その点は重々承知です。
では、罠に呑み込まれないためには、
どう裏をかくか?
策を巡らせている者の正体を、
どうやって見極めてゆくか……?
「まるでェ、きつねとォ、たぬきのォ、ばかしあいィッでス!」
他の北森さんの作品でお馴染みのキャラさんも登場し、
楽しくも錯綜する《美》のアンダーワールド譚。
3つの物語から成る連作短編(中編?)集です。
探偵小説でもあり、
サスペンスフルでもあり、
空想絵画技術小説でもあるような?
「あーとのォ、うんちくゥ、いィッぱいィ~♪」
まだ読んでいないミステリ好きさんは、
出来れば、シリーズ第一作の
『深淵のガランス』から、ぜひ!
アート好きさんにも、
お奨めのミステリですよ~♪
「だまされないィようにィ、よむべしッ!」