私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

城の有様既に難儀

2010-07-18 09:09:33 | Weblog
 死を旦夕に待つだけの高松城です。辺りは一面の泥水の逆巻く一大湖水です。
 後4、5日もすれば、普通であるなら、城は完全に水没してしまう事は確実です。

 もし、あなたが、この戦いの秀吉方の総指揮官だとすると、この後の戦術はどんな方法を執りましょうや?

  


 さて、秀吉が、此の時、執った戦術はいかに。その模様を「絵本太閤記」では

 「秀吉、城の有様既に難儀に及びぬと見給ひ、大船十艘に櫓をあげ、城中を眼下に見下ろし大砲小砲の鉄砲を夥しく放ちかけ、熊手を以て塀を破り、乗り入らんと下知しけれど・・・」
 と書いています。
 
 そのまま、ほっとけば今にも城は完全に水没して、そこにいる数千人の命が果てること間違いない、そんな時にです。更に、この城に追い撃つを掛ける様に、十艘もの船をしつらへ大砲をぶっ放し、城に攻め上ったのです。こんな冷淡極まりないことを、それでも人間かと思えるような戦術が、平気で、よくも下知、そうです。命令を下すことができたものだと思いませんか。
 是が戦国の世の普通の戦術であったのです。

 なお、此の湖上の戦術についての記述は、太田和泉守が記したのを基として書かれた別の「太閤記」には、この絵本太閤記に書かれているような、そんな無常のように見える「大砲を沈みかけた城めがけて打ちこんだ」などと云うような記述は見当たりません。

 この戦術は嘘か真かは分かりませんが、さて、この秀吉の湖上の戦いはいかになりましょうや?