私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

将に珍聞です。

2010-07-10 12:38:51 | Weblog
 「佐柿常円を知っているか」。将に珍聞です。誰だって、よほどその道に精通している専門の人でなかったら、そんな人知っている人がおりますものですか。そんな人を知っているとはさすが漢文氏です。

 貸して頂いたその本に書かれている内容をご紹介します。

 昨日、ご紹介した通り常円は秀吉の傍に仕えていた武将で、名は佐柿弥左衛門でしたが、何時の時にか出家して常円入道と名乗り岡山に住して百余歳の長寿を保った人です。

 この物語は高松城水攻めに関する幾つかの疑問を、村瀬と言う人が、当時岡山住んでいた常円に尋ねて書きとめたものです。

 その第一の挙げられているのが、
 「門前村からカエルがはなまで大方一里程の長さに堤を築いたのですが、その間、高松城から何もしないで、唯、単に易々と秀吉方の為すがまなに堤を築かせたのでしょうか。また、後方にいた毛利の大軍も、たかが二〇町足らずの所にいて見物していて、長い堤防切り崩すこともせずに、一戦も交えなかったと云う事も大いに不審なることだ」
 と、村瀬安兵衛は尋ねます。

 それを聞いた常円は
 「いかにも尤の不審に候。いでいで其時の事語聞せ可申候」
 と語り出します。「いで」とは、では早速、いざというくらいな意味です。