私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「佐柿常圓入道物語」

2010-07-09 17:57:19 | Weblog
 「佐柿常圓と云う人を知っとんか」と云う電話を頂きました。あの珍聞漢文氏からです。
 この人は大学の漢文の先生でした。その人からの問い合わせです。まさか日本人ではあるまいにと思って尋ね返します。すると、この先生、なんでもないように答えます。
 「なにゅう いよんなら、そげんな人の名前に、支那人はおりゃあせん。日本人にちげえねんじゃど。わしが漢文の先生じゃと云うて、日本人をひとつも知らんと思もよんか。ええ事をおせえてやるけえ ひまならこんか」
 と、云うのです。彼は自動車の免許状を返したので運転が出来ないのです。早速、尋ねました。すると、一冊の本を出して、この「佐姉常圓」について詳しく紹介してくれます。
 
 彼によると、この人は、例の高松城の水攻めの時に、秀吉のお側に仕えて、その一部始終を目の前にしたと云うのです。この戦いの後に彼は出家して、岡山に住んだそうです。それを聞き知った村瀬安兵衛と云う人が、高松城の水攻めについての不審を質し、直接聞いて、そのままに書き留めたものが『佐柿常円入道物語』であると云うのです。

 だから、この書物が高松城水攻めの真実の歴史であると云うのです。
 
 考えて見ると、人間と云うのは、どうして、こんなにも「そんなことがあったのか。面白いなあ」としか言いようのない歴史の隅っこにでも追いやられ簡単に捨てられてしまいそうな、決して表面には出ない実話を、いとも簡単に、名もなき人によって書き表わされるのだろうかと、驚くことが多いのです。常山紀談もそうですが。

 その本を見せていただき、書かれている内容のご高説を拝しました。それを、明日から又また、少々。