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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【セダン蒐集癖】 Vol.116 お元気ですかぁ 初代日産セフィーロ

2008-05-09 | セダン蒐集癖。
個人的意見ですが、日産のRB系直6エンジンを積んだFRのシリーズの中には、
はっとするような名車が多いと思います。

免許の無かった井上陽水が「お元気ですかぁ~」と窓を開けて言う、
あの衝撃的?なCFがおなじみの初代セフィーロも、そんな一台なのではないかと。


マイチェン受けたモデルですね


このクラスのセダンといえば、それまでローレルのハイソカー(死語)的な扱いか、
スカイラインのスポーツカー的な扱いか、セドリックなどのハイオーナー的な扱い、
といった時代だった80年代後期に、セフィーロの登場は斬新だったのです。

「モノにこだわりのある30代」をターゲットにした新しい商品戦略や、
エンジン、サスペンション、トランスミッション、内外装、などを
オーナーがオーダーメイドのように自由に組み合わせて(900通り以上!)注文出来たり、
グレードと言う概念が無く、エンジンとサスペンションの基本組み合わせのみで
シリーズ名が用意される※
(しかも、これみよがしな「グレード名バッジ」が無いのもきわめて斬新)など、
セフィーロの売り方はいろいろ新鮮でした。

※エンジンがRB20E=「タウンライド」、RB20DE=「ツーリング」、RB20DET=「クルージング」、
これに標準サス=「なし」、電子制御サス=「コンフォート」、HICAS-IIつき=「スポーツ」を組み合わせるので、
RB20E+電子制御サスは「コンフォート・タウンライド」になる。


でも実際には、このセフィーロ、皮肉にもセミオーダーシステムによる納車の遅さ、
同時期に販売していたマークII兄弟があまりにも強すぎたこと、などで
日産の思惑ほど売れなかったんですね。

マイナーチェンジも実際多く、2.5Lを追加したり、アクが強すぎるということで
前後の意匠がさっぱりしたり、最後はバンパーも大きくなっちゃったり...
と、日産の悪しきマイチェン伝説を守ってしまったんですねえ(号泣

でも、内外装のデザインクオリティの高さ、名機の誉れ高いRBエンジン、
さすが日産!とうなる楽しい操縦性など、日産らしいいいクルマだと思います。


>>ライバル車や、日産自体もローレル(スカイラインも!)ダンツー調の暑苦しい
ソファーみたいな内装(それはそれでいいのだけど^^;)で「高級」を謳っていた日本のサルーンに、
ツィードのようなざっくりした素材の内装を持ってきたりして、
「上質」という考えを持ち込んだ功績は大きいと思います。

>>ねこさわくんの実家のクルマがまさにこれで、内装の素材のセンスのよさ、
エンジンのよさに唸った覚えがあります。
コメント (12)
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