第四話『人助けカンパ事件』
何してんだ、こんなところで。君は1年生か?ん?
(財布を投げつける男子生徒)
こらっ!こらこらこらこらっ!!
(窓を開けて窓から飛び降りようとする男子生徒)
死んじゃうぞっ、こらっ!!
(会議室にて金八と男子生徒)
話してごらんよ。
(黙り込む男子生徒)
大丈夫だよ、ほら、知ってるのは先生だけなんだからさぁ。
先生誰にも言わない。担任にも言わないしさぁ、この胸の中にしまっておくから。
(黙り込む男子生徒)
うーーん、困ったなぁ。そうやって黙ってるとねぇ、そうはいかなくなるんだよ?
わかるだろう?
(黙り込む生徒・・・泣き出す)
なぁ、泣くなよ、ね。
泣いたってものごと何も解決しないんだよ?
(机に伏せて泣く)
困ったなぁ。君が先生のこと信用してくれないからさぁ。こういうことになるんじゃないかよ。
おまけに先生見てしまったんだからさぁ、見過ごしするってことはできないんだよ。
(泣きじゃくる男子生徒)
ぼ、ぼ、ぼく・・・・
ん? なんだ?
先輩に金を都合しろと言われて・・・
先輩って誰なんだ?
2年生です。
2年生の誰なんだ?
野球部の・・・
ん。
野球部の・・・
(職員室に戻る金八)
服部先生、ちょっとお願いします。
んーー、いやこれ見てよぅ、もう、ひどいよなぁ・・・
ちょっとお願いします。
(廊下にて)
うん、いますよ。うん、オオサワシュウジ、確かに野球部にいます。
実はですねぇ・・・
うん。
(服部先生に耳打ちする金八)
えっ!? オオサワが1年生から金を?
えぇ。
考えられんなぁ・・・。その1年生が言った?
いやぁ、まだ、そのぉ、はっきりするまでは誰にも言わないで欲しいんですけどもねぇ。
えぇ、もちろん、もちろん。
いやしかし考えられないぞぉ。あいつがそういうことするなんて・・・。
そういう子なんですか?
1年生誰ですか?
1年C組のトダアキラなんです。
えぇ?そのトダも野球部員だって言ったんですか?
あらぁ・・・
おい、おい、オオサワ!
はい。
うん、どうだ調子?
上々です。
ふーん、ちょっとさぁ、ちょっと来てくれ、話があるんだ。
(職員室)
ね、ね、ね、ね、どうしたのかしら、服部先生と金八先生。
なんだか随分怖い顔で話し合ってたみたいだけど。
あの二人ならいつものことじゃないですか。
なんすか? なんかあったんですか?
い、い、い、いや別に。なんでもないです。
(会議室に、服部先生と金八先生とオオサワ)
すいません、でもボクは先輩の3年生に命令されたもんで。
それでそのぅ、3年生はやっぱり野球部か?
そうです。3年B組のマツエさんとナカジマさんに命令されました。
えっ!? うちのマツエとナカジマ!?
はい、そうです。
一体なんて命令されたんだよ?
そのまた先輩から強制カンパを命令されたからって・・・
いやぁ・・・金八っつぁん、申し訳ない・・・、こりゃやっぱり野球部の事件だ・・・。
顧問として申し訳ないと思ってる。
いや、そんなことないですよ。マツエとナカジマ、うちのクラスですもん。
しっかしまぁあいつら何てことやってんだかなぁ・・・バカだなぁ、っとにぃ。
だけどさぁ、おいっ!
どうしてそのこと俺に言わないんだぁ?
だって先輩の命令は絶対だし・・・
ばかもんっ!!
部活は軍隊や暴力団と違うんだぞぉ。
まぁまぁ冷静に冷静にいきましょう、ここは。
っとにいや、困ったなぁ。まぁちょっとナカジマに事情聞きましょう、ねぇ。
いずれにしても校長に報告せんとならんから。
はぁ・・・。(ため息)
はぁ・・・。(ため息)
すいません。
すいませんで済む問題じゃないんだよっ、えっ!? 冗談じゃないよ、強制カンパなんてっ。
まったくなぁ、っとにぃ。
(ナカジマとマツエが呼び出される)
うん、俺たち確かにカンパ頼んだけど。
なんだとぉ!?
それがどうかしたんですか?
どうかしたってお前なんて言いぐさだよ、お前。3年生にもなってやっていいことと悪いことの区別がつかんのか、お前たちは、っとにぃ。
まぁ金八さん、落ち着こう・・・
とにかく詳しく話してくれ。な。
野球部員も今までいろっんなことあったけれどもこんな不祥事初めてだぞ?
えっ、ま、それを全然知らなかったオレも顧問として責任があるけれど、だけどなぁ。
だけどあれは「助け合い」だったんだから・・・。なぁ。
助け合い?
冗談じゃないっ!
3年生がだよ、先輩をかさに着てさぁ、ま、下級生に向かって「金を出せ」って言ったらなぁ、こらぁ脅しだよ、脅しっ!
脅しだなんて俺たちそんなことしていませんっ。
だって現に1年生がだなぁっ。
ま、ま、ま、ま、まぁ話聞こう。
「助け合い」ってそんでどういうことなんだそりゃ一体。
先輩が怪我をしたんです、それで。
(回想 ~街の大衆食堂にて~)
おーー、こっちこっち。こっち座れよ。
すまないんだけどさぁ、お前ら明日中に金集めてくんないかなぁ・・・
金を?
あの、いくらくらいですか?
いくらでもいいんだ。
違うんだよぉ、集められるだけ。なるべくなら多いほうが助かっちゃうんだよなぁ・・・
そのかわりさ、余ったら絶対返すから。それ、約束するから、な。
でもそんなに集まるかどうか・・・
3年入れて野球部員40人だろう。一人100円づつだって4,000円じゃんかなぁ。
緊急事態なんだよ。一人200づつで8,000円だろう。それで人間一人助かるんだから。
(会議室)
そうかぁ、ヒラヤマとトモユキも絡んでいたのかぁ。
それで、その、怪我した先輩っていうのも、やっぱり野球部か。
はい、3Bだったタカムラさんです。
おい、いつのことだよ、そらぁ。
えーーっと、ひと月前くらいのことだなぁ。
金八っつぁん、聞いてなかった?
何も聞いてないです。
それで金集めたか?
はい。
いくら?
っと、5,390円。とにかく急なことだったんでぇ、オレとキムラが500円づつ出してぇ、部員からの寄付は2年のオオサワとヨシダに頼みました。やっぱり今月から3年生は引退したんで、そのほうがいいと思って。
うん。それで強制的に命令したのか?
いえ、金額は言いませんでした。
でも先輩から「人助けだって言われた」って言ったら、みんなやっぱり、カンパしたいって。
うーーん。座れ。
だけど今頃どうしてそんなことを・・・。
聞きたいのはこっちのほうだよ、お前。
たとえ100円づつでもお前、そんなに何度も何度も強制カンパ言いつけられた下級生の身にもなってみろ!?
何度も何度もって一体どういう意味ですか?
あのなぁ、1年生がだなぁ、他人の財布に手を出そうとしたんだよっ。
そんなぁ。
何がそんなだよっ。
おいっ、あれはあれっきりだったんだろ?
あれで済んだって言ってたじゃねーかよ?
あぁそうだよ?
だったら何で勝手に何度も取り上げんだよっ。
俺がそんなこと知る訳ねーじゃねーかよっ。
きたねーぞ、お前!!
なんだと、このやろー。てめーーっ!!
(取っ組み合い)
こらっ、こらっ!!(間に入る金八)
お前たちもやめないかぁ。
(校長室にて)
(職員うなだれている・・・・)
(2/5に続く・・・)
何してんだ、こんなところで。君は1年生か?ん?
(財布を投げつける男子生徒)
こらっ!こらこらこらこらっ!!
(窓を開けて窓から飛び降りようとする男子生徒)
死んじゃうぞっ、こらっ!!
(会議室にて金八と男子生徒)
話してごらんよ。
(黙り込む男子生徒)
大丈夫だよ、ほら、知ってるのは先生だけなんだからさぁ。
先生誰にも言わない。担任にも言わないしさぁ、この胸の中にしまっておくから。
(黙り込む男子生徒)
うーーん、困ったなぁ。そうやって黙ってるとねぇ、そうはいかなくなるんだよ?
わかるだろう?
(黙り込む生徒・・・泣き出す)
なぁ、泣くなよ、ね。
泣いたってものごと何も解決しないんだよ?
(机に伏せて泣く)
困ったなぁ。君が先生のこと信用してくれないからさぁ。こういうことになるんじゃないかよ。
おまけに先生見てしまったんだからさぁ、見過ごしするってことはできないんだよ。
(泣きじゃくる男子生徒)
ぼ、ぼ、ぼく・・・・
ん? なんだ?
先輩に金を都合しろと言われて・・・
先輩って誰なんだ?
2年生です。
2年生の誰なんだ?
野球部の・・・
ん。
野球部の・・・
(職員室に戻る金八)
服部先生、ちょっとお願いします。
んーー、いやこれ見てよぅ、もう、ひどいよなぁ・・・
ちょっとお願いします。
(廊下にて)
うん、いますよ。うん、オオサワシュウジ、確かに野球部にいます。
実はですねぇ・・・
うん。
(服部先生に耳打ちする金八)
えっ!? オオサワが1年生から金を?
えぇ。
考えられんなぁ・・・。その1年生が言った?
いやぁ、まだ、そのぉ、はっきりするまでは誰にも言わないで欲しいんですけどもねぇ。
えぇ、もちろん、もちろん。
いやしかし考えられないぞぉ。あいつがそういうことするなんて・・・。
そういう子なんですか?
1年生誰ですか?
1年C組のトダアキラなんです。
えぇ?そのトダも野球部員だって言ったんですか?
あらぁ・・・
おい、おい、オオサワ!
はい。
うん、どうだ調子?
上々です。
ふーん、ちょっとさぁ、ちょっと来てくれ、話があるんだ。
(職員室)
ね、ね、ね、ね、どうしたのかしら、服部先生と金八先生。
なんだか随分怖い顔で話し合ってたみたいだけど。
あの二人ならいつものことじゃないですか。
なんすか? なんかあったんですか?
い、い、い、いや別に。なんでもないです。
(会議室に、服部先生と金八先生とオオサワ)
すいません、でもボクは先輩の3年生に命令されたもんで。
それでそのぅ、3年生はやっぱり野球部か?
そうです。3年B組のマツエさんとナカジマさんに命令されました。
えっ!? うちのマツエとナカジマ!?
はい、そうです。
一体なんて命令されたんだよ?
そのまた先輩から強制カンパを命令されたからって・・・
いやぁ・・・金八っつぁん、申し訳ない・・・、こりゃやっぱり野球部の事件だ・・・。
顧問として申し訳ないと思ってる。
いや、そんなことないですよ。マツエとナカジマ、うちのクラスですもん。
しっかしまぁあいつら何てことやってんだかなぁ・・・バカだなぁ、っとにぃ。
だけどさぁ、おいっ!
どうしてそのこと俺に言わないんだぁ?
だって先輩の命令は絶対だし・・・
ばかもんっ!!
部活は軍隊や暴力団と違うんだぞぉ。
まぁまぁ冷静に冷静にいきましょう、ここは。
っとにいや、困ったなぁ。まぁちょっとナカジマに事情聞きましょう、ねぇ。
いずれにしても校長に報告せんとならんから。
はぁ・・・。(ため息)
はぁ・・・。(ため息)
すいません。
すいませんで済む問題じゃないんだよっ、えっ!? 冗談じゃないよ、強制カンパなんてっ。
まったくなぁ、っとにぃ。
(ナカジマとマツエが呼び出される)
うん、俺たち確かにカンパ頼んだけど。
なんだとぉ!?
それがどうかしたんですか?
どうかしたってお前なんて言いぐさだよ、お前。3年生にもなってやっていいことと悪いことの区別がつかんのか、お前たちは、っとにぃ。
まぁ金八さん、落ち着こう・・・
とにかく詳しく話してくれ。な。
野球部員も今までいろっんなことあったけれどもこんな不祥事初めてだぞ?
えっ、ま、それを全然知らなかったオレも顧問として責任があるけれど、だけどなぁ。
だけどあれは「助け合い」だったんだから・・・。なぁ。
助け合い?
冗談じゃないっ!
3年生がだよ、先輩をかさに着てさぁ、ま、下級生に向かって「金を出せ」って言ったらなぁ、こらぁ脅しだよ、脅しっ!
脅しだなんて俺たちそんなことしていませんっ。
だって現に1年生がだなぁっ。
ま、ま、ま、ま、まぁ話聞こう。
「助け合い」ってそんでどういうことなんだそりゃ一体。
先輩が怪我をしたんです、それで。
(回想 ~街の大衆食堂にて~)
おーー、こっちこっち。こっち座れよ。
すまないんだけどさぁ、お前ら明日中に金集めてくんないかなぁ・・・
金を?
あの、いくらくらいですか?
いくらでもいいんだ。
違うんだよぉ、集められるだけ。なるべくなら多いほうが助かっちゃうんだよなぁ・・・
そのかわりさ、余ったら絶対返すから。それ、約束するから、な。
でもそんなに集まるかどうか・・・
3年入れて野球部員40人だろう。一人100円づつだって4,000円じゃんかなぁ。
緊急事態なんだよ。一人200づつで8,000円だろう。それで人間一人助かるんだから。
(会議室)
そうかぁ、ヒラヤマとトモユキも絡んでいたのかぁ。
それで、その、怪我した先輩っていうのも、やっぱり野球部か。
はい、3Bだったタカムラさんです。
おい、いつのことだよ、そらぁ。
えーーっと、ひと月前くらいのことだなぁ。
金八っつぁん、聞いてなかった?
何も聞いてないです。
それで金集めたか?
はい。
いくら?
っと、5,390円。とにかく急なことだったんでぇ、オレとキムラが500円づつ出してぇ、部員からの寄付は2年のオオサワとヨシダに頼みました。やっぱり今月から3年生は引退したんで、そのほうがいいと思って。
うん。それで強制的に命令したのか?
いえ、金額は言いませんでした。
でも先輩から「人助けだって言われた」って言ったら、みんなやっぱり、カンパしたいって。
うーーん。座れ。
だけど今頃どうしてそんなことを・・・。
聞きたいのはこっちのほうだよ、お前。
たとえ100円づつでもお前、そんなに何度も何度も強制カンパ言いつけられた下級生の身にもなってみろ!?
何度も何度もって一体どういう意味ですか?
あのなぁ、1年生がだなぁ、他人の財布に手を出そうとしたんだよっ。
そんなぁ。
何がそんなだよっ。
おいっ、あれはあれっきりだったんだろ?
あれで済んだって言ってたじゃねーかよ?
あぁそうだよ?
だったら何で勝手に何度も取り上げんだよっ。
俺がそんなこと知る訳ねーじゃねーかよっ。
きたねーぞ、お前!!
なんだと、このやろー。てめーーっ!!
(取っ組み合い)
こらっ、こらっ!!(間に入る金八)
お前たちもやめないかぁ。
(校長室にて)
(職員うなだれている・・・・)
(2/5に続く・・・)