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愛知製鋼 その後

2007年11月19日 08時54分10秒 | Weblog
ふれあいユニオンのSさんからの報告です。しかしひどいですね。

――「使途不明金1000万円以上」答弁書で自ら暴露――
http://imadegawa.exblog.jp/6849953/
■使途不明金の存在隠蔽「役員報酬」として処理

 今年9月末を持っての一方的な「自主廃業」を宣言した愛知製鋼下請会社・三築(代表
取締役:大久保文和)に対し、三築従業員の名古屋ふれあいユニオン知多分会組合員4人
が解雇無効の裁判を闘っている。(うち2名は勝利和解した前回に続き、2度目の解雇無
効裁判)。

 これまでの団体交渉の中で労働者側は、三築が3名の役員に対して昨年度1年間だけで
7000万円以上の役員報酬を与えており、それを踏まえてなお2007年3月末には1億8千万
円もの純資産を保有していた事実を突きつけ、「現時点では年間の給与総額を優に超える
純資産を 会社は保有しているはずだ」と追及してきた。だが会社側は労働者側のこの主
張に対し、「当社にとって資産表は経営上公にすることができません」と、現時点での財
務状況の開示を拒んだまま、労働者の解雇を強行しようとしたのである。(それにして
も、今から「自主廃業」するという会社が「経営上」公開できないと主張するのは、一体
どういう意味なのだろうか)。

 裁判の訴状においても労働者側は、昨年度の役員3名に対する7000万円以上の役員報酬
について言及した。それに対し10月16日、三築からの反論が裁判所に提出されたのである
が、これが傑作なのである。「7000万円の役員報酬」の指摘に対し、「平成18年度の役員
報酬が約7000万円計上されているが、そのうち約1000万円以上は、被告(酒井注:=三
築)の使途不明金を経理上役員報酬で処理した次第である」と、「反論」してきたのであ
る。

 こちらが聞いてもいないところで、僕たち名古屋ふれあいユニオン側が一貫して指摘し
てきた、「不明朗な会計処理」の一端を自ら「立証」してくれたのはありがたい。「語る
に落ちる」とはこのことである。会社側とすれば、役員は実は7000万円も報酬をもらって
いない。実際には6000万円程度だと言いたかったのであろうが、そもそも使途不明金が
1000万円以上に上ること自体が異常であるし、それを公明正大に報告することをせず、
「役員報酬」という形で処理し、隠蔽していたのだとしたら、それはなおのこと大問題
だ。三築の経営実態を徹底的に追及し、一方的で労働者無視の「自主廃業」の不当性を明
らかにしてゆきたい。

以下に、
名古屋ふれあいユニオン機関紙・『NFU ふれあい通信』10月号に掲載された、本件に
関する記事を転載する。

愛知製鋼は下請け企業の労務管理に介入するな!愛知製鋼の闘いは、今重要な局面を迎え
ている。

■これまでの大きな流れ

 トヨタ系大手部品企業愛知製鋼(東海市)は、これまで放置されてきた偽装請負をはじ
めとした違法な労務管理を、労働者の訴えにより行政からの指導を受けるなかで、二次下
請企業「有限会社三築」と一時下請「アイチセラテック」の契約を9月30日にうち切って
隠蔽を図ろうとした。

 しかし、三築の従業員及び三築の下請で働く労働者がユニオンに参加し、愛知労働局に
対し偽装請負の解消、直接雇用の指導を求めるとともに、愛知製鋼に対しすべての労働者
の雇用確保と労働条件の改善を求めて交渉の申し入れを行ってきた。

 その結果、愛知労働局も偽装請負の事実を確認し、9月初め愛知製鋼及び下請企業に改
善の指導が行われた。今後は二次、三次の下請状態をなくし、一時下請のみにするしかな
くなった。

 また組合との交渉を拒否したことについては愛知県労働委員会に不当労働行為救済の申
し立てを行い、現在委員会の場を通じて愛知製鋼に対しユニオンの要求を突きつけてい
る。

■明らかな組合活動への介入、偽装請負の温存

 そして、10月1日を迎えた今、愛知製鋼の中での雇用を望む大半の労働者は、何らかの
形での雇用が保証された。しかしユニオンに参加している2名の労働者について、会社は
彼らの下請企業への就職を妨害することにより愛知製鋼構内への就労を拒んでいる。

 これは明らかに労働組合活動への介入・差別であり、労働局の改善指導にも反した偽装
請負の温存である。私たちは愛知製鋼による下請企業の労務管理に対する介入を決して許
すわけにはいかない。

 一方9月26日、これまでさんざん中間搾取しておきながら、アイチセラテックとの契約
をうち切られたことだけで全員解雇を強行して、会社の資産の私物化を図る有限会社三築
を相手に、解雇無効の地位保全裁判の提訴も行った。

■様々な手段を駆使した闘いを

 重大な局面を迎えた10月、職場及びトヨタ関連企業への宣伝活動、労働局への違反申
告、労働委員会での協議・調査、解雇無効裁判といった様々な手段を駆使して、愛知製鋼
がユニオンや組合員への敵視政策を改め、法律を守り労働者の要求に沿った対応へと転換
するよう訴えていきたい。

引き続き熱いご支援・ご協力をお願いします。


※愛知製鋼内の偽装請負の実態については、「週刊金曜日」のルポ記事に引き続き、NH
Kの「クローズアップ現代」で(匿名ではあるが)紹介された。会社が事実の隠蔽を図る
なら、更に社会的問題として訴えていきたい。


【関連記事】
トヨタ系「愛知製鋼」下請、従業員らが地位保全請求
http://imadegawa.exblog.jp/5492237/

愛知製鋼株主総会:労組が会場前抗議行動
http://imadegawa.exblog.jp/5711475/

愛知製鋼:偽装請負告発2名の「解雇」撤回
http://imadegawa.exblog.jp/5746241/

愛知製鋼:構内下請け労組、不当労働行為救済申立
http://imadegawa.exblog.jp/6205214/

愛知製鋼:労災隠しの実態
http://imadegawa.exblog.jp/6425375/

愛知製鋼問題:二次「下請」を解雇不当で提訴
http://imadegawa.exblog.jp/6439169


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