全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

ATU創立10周年に寄せてパート1

2016年12月24日 19時00分09秒 | 組合創立10周年
東海道池鯉鮒付近の冬囲い

西三河地域労働組合総連合 足立議長より寄せていただきました。

全トヨタ労働組合(ATU)の結成10周年にお祝いの言葉を贈ります。
 この組合を立ち上げることになったのは,ある若い一人の労働者の過労死事件からだそうです。既存のトヨタ自動車労働組合は,組合員である,一人の労働者の命をも守る組織ではなかった。ましてやこの事件をきっかけに企業としてのトヨタ自動車の働かせ方を経営者に問うことはなかった。ここから企業・経営者と闘う,本来の労働組合の誕生を求める声が当然のごとく生まれたのでしょう。
 今現在,日本の労働者の働き方を見てみると,今までの企業・経営者と立ち向かってきた労働組合の姿勢というものが決定的な影響を与えてきた,ということがよく分かります。大企業のなかの御用組合は,本来の労働組合としての役目を果たしてこなかったからです。同一労働同一賃金という原則,均等待遇という原則,そして労働者の安全配慮義務に対して真剣に向き合って,労働者の権利を守ってきたという形跡はありません。そして何よりも同じ仲間の組合員に対して支援の手をどれだけ差し向けてきたというのでしょうか?
 資本に迎合することなく,どこまでも資本と対等の立場から労働者の権利を主張することこそが本来の労働組合のあるべき姿といえるでしょう。そのために団結権や団体行動権を憲法が保障しているのです。
 闘う労働組合としての全トヨタ労働組合の活動は西三河地域労働組合総連合においても誇りに思える存在だと思っています。一人の労働者が抱えることになった問題を労働者全体の問題としてとらえ,相談にのり,いろんな形で支援を続けていくという姿勢は労働組合の本来の姿だと思っています。
 私が西三労連議長として関わって印象のある裁判は,アイシン機工の吉田裁判であります。私もこの裁判でいろんな勉強をさせてもらいました。公務員であり教職員であった私には教科書の中の世界であったものが,初めて現実に痛みを感じかつ喜びを感じることになった良き教材でありました。
 労働者を取り巻く日本の状況はますます悪化していくように思われます。我々一人ひとりの労働者が創り出した富が一部の富裕層にかすめ取られ,大部分の労働者・国民はわずかばかりのお情けを恵んでもらっている有様であります。この状況を少しで改善の方向に向かせられるのは,我々一人ひとりの労働者であり,国民であります。未組織の労働者に働きかけ,ともに闘う労働組合員を一人でも多く増やすことが,労働組合に課せられた課題であります。私が日ごろ心がけている標語は,「運動は決して焦らず,しかし急いで」であります。西三労連の仲間としてともに頑張っていきたいと思います。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大企業と癒着のない労働組合... | トップ | ATU創立10周年に寄せてパ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今までになかった裁判 (裁判傍聴していました)
2016-12-25 18:11:54
アイシン機工事件は、今までの裁判傍聴の中で見たことのない展開でした。まず吉田さんの発言にあった同種の怪我人がいると言っていたことが、裁判の最終局面で会社が認めた。従業員が怪我をしていたことを述べた点。次に大変驚いたのは、現職の社員が休みを取り、応援に裁判傍聴をした点。そして今までの裁判ではない、ドラマチックな展開。裁判終了後に、アイシン機工の総務部長に対して、負けたら謝ると言ったよな。謝れ!と吉田さん自身が本人へ詰め寄り、謝罪をさせようとした場面。まるで半沢直樹のワンシーンの再現かと思った人も、多かったと思います。まず、今までの裁判傍聴で見たことはありません。他の傍聴した人も、同じような感想を持っているのではないかと思います。
返信する
働く側からも印象深かかったです (第2です)
2016-12-26 09:47:41
本人が会社へ来て、ビラ配布に始まり、役職が強制回収をして、マイクで話せば工場内に入ってくる。それに対して組合が、あれは嘘で会社を潰そうとしておる。説明を聞いていた者が、それなら何故訴えないのですか?それに対して何も組合は答えられなかった。色んな意味で組合の無力さと、会社の傲慢さがハッキリした事件だったのでは?働く者も組合は頼りにならんと、悟らせてくれたのでした。
返信する
印象深いのは (Unknown)
2016-12-27 08:05:35
会社がブラック過ぎたからなんじゃない?これって他に怪我人がいたのに、裁判になってから会社が明らかにさせた訳じゃん。だれが見ても労災隠しだよ。
返信する
勝ち目の裁判で悪あがきしたから (万年ヒラ)
2016-12-29 08:39:38
この裁判は1人じゃとても勝てなかったし、裁判前に労災隠しで辞めさせられていた。会社が組織ぐるみでやってる訳で、1労働者が対抗出来っこない。ATUや弁護士がいたから、労災隠しを暴いた訳でさ。地裁で労災が認められると、訳分からん控訴を会社がしたみたいだが、反論する材料があった訳でもなく、じゃあ何で控訴したの?復職させない妨害と時間稼ぎだっただけだと、素人にも分かる。裁判が終わって随分時間経つけど、未だにアイシン機工って検索かければ、必ずブラックが頭に出る。勝ち目のない悪あがきに労災隠しをやって、裁判終わった後に会社が反省して、良くなる事もない。これからもブラックが頭につくのは否定もしないし、当然の事だろうな。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

組合創立10周年」カテゴリの最新記事